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ガラスの天井とは|意味と原因・日本の男女格差・立場別の解決策

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みなさんは「ガラスの天井」という言葉をご存知でしょうか。

ガラスの天井とは、英語のグラスシーリング(glass ceiling)の訳で、女性が働く場面で直面する障壁の話題のなかで聞いたことがあるのではないでしょうか。

昨今、女性活躍やジェンダーレス、フェミニズムなどの言葉は、「男だから」「女だから」という性別によって与えられる役割やイメージの話題を扱う際に使われる機会が増えています。

誰しもが平等な扱いを受けるべきだとわかっていても、実際には性別による格差を感じる場面もあるのではないでしょうか。

そこで今回の記事は「ガラスの天井」という言葉から、現代の日本で女性が置かれている状況と、誰しもが働きやすい環境にするために個人や企業ができることを解説していきます。

今回の記事はこんな人にオススメです
  • 「ガラスの天井」について知りたい
  • 仕事は続けたいけれど、家事や育児との両立に悩んでいる
  • ライフステージに変化があり、これから先も仕事が続けられるか悩んでいる

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ガラスの天井とは

ガラスの天井とは、女性やマイノリティが十分な素質や実績を持つにもかかわらず、昇進が制限されるという見えない障壁を指します。

初めてガラスの天井という言葉が使用されたのは1978年で、女性たちとのパネルディスカッションのなかでアメリカ人の企業コンサルタントのマリリン・ローデンが発言したとされています。

その後、1986年3月にウォールストリート・ジャーナル紙がビジネスの世界で女性の昇進がいかに大変な挑戦かという特集記事でこの言葉を使用し、世間に浸透していきました。

また、2016年アメリカ大統領選挙でヒラリー・クリントンが敗退した際のスピーチで、初の女性大統領になることを “highest, hardest glass ceiling” (最も高く、最も打ち破るのが困難なガラスの天井)だと表現しました。

2020年のアメリカ大統領選では、カマラ・ハリスさんが初の女性副大統領に就任し話題を集めました。

政治や経済の分野で女性活躍がメディアで取り上げられて世間から注目されると、男女平等について現状が合わせて語られることもあります。現在、日本の会社や家庭、政治分野では男女平等が進んでいるのでしょうか?

ここからは、日本の法律がどのように男女平等を定めているのか、そして日本におけるジェンダー平等の度合いがわかる調査結果を見ていきましょう。

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数字から読み解く現在の日本における男女格差

男女雇用機会均等法の第6条には、労働者の性別を理由として差別的な取扱いをしてはならないと記されています。同法は、1985年の制定以降もセクシャルハラスメントの禁止やパワハラの防止などを盛り込んだ内容に改定されてきました。

厚生労働省は、各企業が策定した行動計画や自社の女性活躍に関する状況を公表する場として、2016年2月に「女性の活躍推進企業データベース」運営を開始しました。

また、内閣府は「女性活躍・男女共同参画の重点方針 2021」を公表し、2025年までに女性役職者の割合を引き上げる目標を掲げています。

役職名2025年の目標値2020年の現状値
係長相当職30%21.3%
課長相当職18%11.5%
部長相当職12%8.5%

※「第5次男女共同参画基本計画~すべての女性が輝く令和の社会へ~ 成果目標一覧」内の民間企業の雇用者の各役職段階に占める女性の割合を参考にSDGs mediaが作図 

このように、女性が働きやすい環境を増やすための制度や国からのサポートがある一方で、他国と比べると日本はジェンダー平等の状況がまだ不十分であることが、さまざまな調査データから明らかになりました。次に4種類の調査データからその状況を具体的に見ていきましょう。

ジェンダーギャップ指数で日本は116位

世界経済フォーラム(World Economic Forum:WEF)は、各国の男女格差を測る「ジェンダーギャップ指数」を毎年公表しています。

この指数は、経済・政治・教育・健康の4つの分野でスコア化され、0が完全不平等、1が完全平等を示しています。

2022年の日本の総合スコアは0.650で、順位は146カ国中116位でした。前回と比べてスコア・順位ともにほぼ変動せず、主要7カ国(G7)では変わらず最下位でした。この順位は、中国(102位)や韓国(99位)など東アジアの国々より下位に位置します。

日本は「教育」のスコアが1.000、「健康」が0.973と世界でもトップクラスである一方で、「経済」が0.564、「政治」が0.061のスコアとなり、例年同様に低いままとなりました。

分野2022年のスコア2021年のスコア
経済0.564(↓)0.604
政治0.061(-)0.061
教育1.000(↑)0.983
健康0.973(-)0.973

「「共同参画」2022年8月号」内のトピックス3 世界経済フォーラムが「ジェンダー・ギャップ指数2022」を公表 を参考にSDGs mediaが作図

日本の政治の順位は146カ国中139位

先程のジェンダーギャップ指数で日本の政治の順位は、146カ国中139位(前回は156カ国中147位)でした。政治分野のスコアは、前回と変わらず0.061でしたが、順位は落ちています。

ジェンダーギャップ指数のレポートでは、政治分野のスコアの理由として以下の点が指摘されています。

  • 国会議員の女性割合は9.70%(146カ国中133位)
  • 大臣の同割合は10%(146カ国中120位)
  • 過去50年間、女性の行政府の長(内閣総理大臣)は存在していない

日本の経済の順位は146カ国中121位

先程のジェンダーギャップ指数で日本の経済の順位は、146カ国中121位(前回は156カ国中117位)でスコアは0.564でした。これらの結果は前回を下回っています。

ジェンダーギャップ指数のレポートでは、以下の点をスコアの理由として指摘しています。

  • 女性の53.3%が労働力になっており、男性の労働参加率71.03%と約17%差がある(146カ国中83位)
  • 女性の管理職の割合は13.28%(146カ国中130位)

一方、男女共同参画局によると、2022年日本の上場企業の女性役員は3,654人でした。前年から599人増加しているものの、女性役員比率は諸外国と比べても低水準の9.1%です。

女性が家事に費やす時間は男性の5倍

2016年度の総務省「社会生活基本調査」内の「6歳未満児のいる夫の1日当たり家事・育児関連時間の国際比較」によると、日本の夫は1日当たり1時間23分を家事・育児にあてていますが、妻は7時間34分と夫の約5倍でした。

男女共同参画白書 平成30年版によると、アメリカでは夫は3時間10分(妻は5時間40分)、スウェーデンでは夫は3時間21分(妻は5時間29分)であり、日本の夫より2倍以上の時間を家事・育児にあてていることがわかります。このことから、日本では妻の家事・育児負担が他国より大きい傾向にあると言えます。

当然のことながら家事の負担が大きいと残業のある働き方ができないため、時短勤務やパート勤務を選択せざるを得なくなり、夫婦間の収入格差が生じる原因になります。また、仕事を続けたくても育児のために断念せざるを得ない人や、仕事と家事の両立をするためにテレワークができる職場への転職を強いられる人がいます。

この結果、女性が長期的に働くことや昇進を諦めてしまうなど、機会の不平等が生じています。

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ガラスの天井が存在する要因だと考えられること

*ガラスの天井イメージ1

ここまで日本における男女格差をいくつかの数字から見てきましたが、ここからは女性やマイノリティが職場で直面するガラスの天井(素質・実績を持つのに昇進が制限される)が生まれる要因について考えていきましょう。

日本には男は外で仕事、女は家で家事という家父長制の名残があります。

たとえば、「単身赴任」という言葉を聞いて女性をイメージする人はどのくらいいるでしょうか。看護師は「献身的な」女性をイメージしたり、消防士は「たくましい」男性だと決めつけたりするなど、職種にもジェンダーステレオタイプが残っています。

このような「無意識の偏ったモノの見方」のことをアンコンシャス・バイアスと呼びます。先程の例は、社会環境やメディアが植え付けた男らしさ・女らしさのイメージから生じているアンコンシャス・バイアスだと考えられます。

株式会社電通が2021年3月に発表した「ジェンダーに関する意識調査」では、64.6%が社会全体で男性の方が優遇されていると感じているということがわかりました。

同調査の、学校・家庭・法律など、いくつかの分野で男女平等になっていると思うか、という設問で「男性の方が優遇されている」の回答率が半数を超えたのは、「慣習・しきたり」64.4%と、「職場」59.6%でした。

また、厚生労働省が発表した「平成25年度 雇用均等調査」によると、女性管理職が少ないあるいは全くいない役職区分が1つでもある企業に対し、その理由を尋ねた結果として得られた回答は以下などでした。

  • 「現時点では、必要な知識や経験、判断力等を有する女性がいないため」が58.3%
  • 「女性が希望しないため」が21.0%
  • 「将来管理職に就く可能性のある女性はいるが、現在、管理職に就くための在職年数等を満たしている者はいないため」が19.0%

家父長制の名残や株式会社電通、厚生労働省の調査結果から、以下のようにガラスの天井の要因が推測できます。

  • 女性と男性それぞれに働き方のアンコンシャス・バイアスが存在する
  • 女性に対するアンコンシャス・バイアスは、結婚や出産のタイミングで女性が家事育児を行うべきだという見方が含まれる
  • そのアンコンシャス・バイアスは、女性本人やその家族、会社の同僚などと共有されている
  • その結果、女性が長期的に働くことや昇進を諦めてしまい、管理職につくための在職年数を満たせない場合がある
  • これらの見方・背景によって、ガラスの天井が生まれてしまう

この推測はあくまでも一例です。ガラスの天井が存在する職場にはそれぞれの要因があると考えられます。

要因を探っていく際には、自分たちが持つアンコンシャス・バイアスについて考えてみてはいかがでしょうか?

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立場別で考えるガラスの天井を取り除く方法 

ここまでは、男女の格差や私たちが持つアンコンシャス・バイアスなどを紹介してきました。

ガラスの天井が存在する職場では、当事者である女性やマイノリティ、その上司、経営者などが、特定の人が素質や実績に反して昇進できない職場環境を共有していることになります。

職場でガラスの天井を取り除く最適な方法は立場ごとに異なるので、それぞれ紹介していきます。

当事者:必要以上の謙遜をやめてポジティブに考える

当事者がガラスの天井を取り除くためには、気持ちの持ちようやその伝え方を知り、必要に応じてそれを変えましょう。

例えば、昇進のオファーを受けても「どうせ私にはできない」という理由で断ってしまうとします。このケースでは、会社からの評価より自己評価が低いことが背景にあります。

このように能力はあるのに自信がない状態を、コンフィデンスギャップと言います。

男女共同参画センターフレンテみえの男女共同参画ゼミのコラムによると、現代社会においては男性・女性共に自己肯定感を高める機会を持つことが少なくなっているため、自己肯定感が低いのは個別の問題ではなく社会的な問題だとされています。

当事者は周りからの評価を素直に受け入れて、昇進や昇格のオファーをポジティブに捉えることが自己肯定感の向上に繋がるのではないでしょうか。

また、先程のコラムでは自己肯定感を高めるために気持ちを認めることに触れています。私たちが感じるさまざまな気持ちを無視せずに認めることは、不快な感情がたまることを防げる上に、自分の状態を知ることにもつながります。

そして、自分にサポートが必要な時は周りに助けを求めることが重要です。

主観ではなく他者からの客観的な評価を素直に受け入れ、自身が心から挑戦したい昇進のオファーを受けることが、ガラスの天井を取り除くために当事者ができる方法の1つです。

上司:社員の考えを聞き経営者に伝える

上司の立場で部下のガラスの天井を取り除くためには、それぞれの立場の理解に努めましょう。

そのための方法の1つが、部下との面談です。面談では、部下が会社や働き方についてどのような考えを持っているのか聞きましょう。面談で部下から課題が確認できれば部門内で解決を目指すと共に、経営者や役員に課題を共有して全社的に取り組むことも検討しましょう。

部下がどのようなサポートが必要なのか確認・周知して、一人ひとりが働きやすい環境を作ることが、ガラスの天井を取り除くために上司ができる方法の1つです。

経営者:ライフステージに合わせた社内制度づくりと運用

経営者の立場で社員のガラスの天井を取り除くためには、自ら働きかけて社員の声を集め、制度の見直しを検討しましょう。

社員が働く上で困っていることがあれば、それを解消するための制度と運用する環境をつくることが重要となります。

例えば、結婚や出産を機に退職以外の選択肢を持てない女性社員数を減らすため、男女ともに育児休暇や時短勤務を選べるように制度を見直し、社員に周知することが、ガラスの天井を取り除くために経営者ができる方法の1つです。

制度がきちんと運用されるように継続的に働きかけることも重要です。部門ごとに取得を促し、当事者が肩身の狭い想いをしないように制度への理解を深めて、定着するための取り組みを行いましょう。

その他にも、テレワークやフレックス制度など生活に合わせて柔軟な働き方を選べれば女性が長期的に働きやすくなります。

社員の困り事や希望を把握して、社内制度を整え、社員へ周知させると共に制度が運用されるように部門長に働きかける一連のプロセスを経営者が実行することで、ガラスの天井を取り除くことができます。

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ガラスの天井が取り除かれると生まれるメリット

女性が長期的に安心して働けるガラスの天井が取り除かれた状態は、会社にどのようなメリットがあるでしょうか。

内閣府男女共同参画局が公開している資料「女性活躍とSDGs」「女性活躍で企業は強くなる」では、以下の点が挙げられています。

投資家から投資先としての魅力が上がる。

約7割の機関投資家が女性が活躍しているかという情報を投資判断に活用している理由として「企業の業績に影響があるため」と回答しています。

女性役員がいる企業は女性役員がいない企業よりROEが高く、利益を出せる傾向がある

ROE(自己資本利益率)は、投資家が投下した資本に対し、企業がどれだけの利益を上げているかを表す重要な財務指標。ROEの数値が高いほど経営効率が良いと言える。
引用元:証券用語解説集 ROI(あーるおーいー)|野村證券

多様性のある組織は人材の流出を防ぐことができ、ミレニアル世代の就職先としても人気が高い

従業員の構成が多様な組織に、これから働き盛りの世代が集まってきます。

企業事例から考えるガラスの天井とSDGsの関係性

*ガラスの天井イメージ2

ここからはガラスの天井とSDGsの共通点・関係性について考え、女性活躍を推進する企業事例を紹介していきます。

ガラスの天井とSDGsの共通点

SDGsは、2015年に国連が定めた誰一人取り残さない世界を目指す世界共通の目標です。

ここまで紹介してきたように、日本の女性は家事・育児の負担が大きいために時短勤務やパート職を選んだり、結婚や出産を機に退職する女性がいたりするため、男女の収入に格差が生まれています。昔から固定化された「男らしさ」「女らしさ」を期待されて、自身が望まない理由で退職を迫られる人がいる状況は、SDGsの世界観(誰一人取り残さない世界を目指す)と異なります。

ガラスの天井が生まれる要因を無くすことは、SDGs目標の貧困の解消やジェンダー平等、働きがいにも繋がります。

女性専用トイレの設置や更衣室の拡充などのハード面だけでなく、福利厚生や社内制度を整えるなどのソフト面も合わせて改善していくことを目指しましょう。

企業が行うガラスの天井対策の事例3選

ガラスの天井を取り除くため、企業は女性活躍の推進に励んでいます。

ここでは自社でもすぐに検討できるような、ソフト面での取り組みを3つ紹介します。

三州製菓の事例

三州製菓は埼玉県を拠点にした従業員数200人ほどの中小企業です。高級米菓およびパスタスナックの製造販売を行っています。

創業者の父から経営のバトンを受けた斉之平伸一社長が、1988年にダイバーシティ経営や女性登用に取り組み始めました。ここでは2つの取り組みを見ていきましょう。

1つ目の取り組みは、女性管理職の登用です。

当初、女性に管理職の希望者を募ったところ、なかなか手を挙げようとしませんでした。そこで、ノルウェーが発祥のクオータ制(割り当て制)を参考に実施して、男性を1人昇格させるときには同時に女性も1人昇格させました。

その結果、2020年10月時点で女性管理職の割合は政府目標の30%を上回る41%を記録し、さらに2023年には50%を目標に設定しています。

2つ目の取り組みは、女性を企画室に多く配置して、会議で男性社員発言禁止タイムを設けたことです。

その結果、男性だけでは生まれなかったユニークなアイディアからいくつものヒット商品が生まれました。特に小麦粉を原料としたパスタスナックは2020年時点で年商約25億円を記録し、同社の売上高の2割をを占める大ヒット商品となりました。

女性登用の取り組みを始めた当初は「女性は管理職になりたがらない」と否定的な声もあったそうです。しかし、「押し切ってやらないと進まない」という社長の強い意志と、各部署との対話を重ね協力を呼びかけて普及・定着させてきたことが、女性活躍に乗り出してから経常黒字が31期続いている要因の1つだと考えられます。

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鹿島建設の事例

鹿島建設は東京都に本社を構え、8,000人近い従業員を抱える建設業界のリーディングカンパニーです。

六本木ヒルズやGINZA SIXなども手掛けており、創業1840年の歴史のある上場企業です。国内のみならず海外にも支店があるため、多様な国籍の現地スタッフを採用しています。そのため、さまざまな属性や価値観を受け入れ・認めて多様な人材が活躍できる企業であることを目指しています。

鹿島建設の事例では、ダイバーシティ推進として女性総合職の採用拡大などの取り組みから2つを紹介します。

まず1つ目の取り組みは、女性活躍推進法をベースに独自の行動計画の策定です。

2つ目の取り組みは、性別に関わらず社員が活躍できるような社内制度の運用です。そのなかには、ワークライフバランスの見直しや在宅勤務・育休・時短勤務などの働き方を選択できるようにするなどが含まれます。

その結果、女性管理職数は年々増加し、男性の育休取得者数も増えて、女性の育休取得率も近年維持しています。国の定めた法律を、自社の状況に落とし込み社員への周知も行った結果、安定して運用される状況が維持されています。

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SDGs media を運営する株式会社Dropの取引先の事例

弊社(株式会社Drop)では、SDGs media の運営の他に企業向けにSDGs研修やコンサルティングサービスを提供しています。この事業の取引先の事例として、中小企業(従業員数130名)で実施したガラスの天井の存在と発生する要因の有無を明らかにするためのアンケート調査を紹介します。

社内の状況を把握することが、誰もが働きやすい環境をつくる第一歩となります。しかし、上司との信頼関係が無ければ、いくら面談を行っても社員から率直な意見が得られないおそれがあります。

そこで、弊社の取引先では匿名のアンケートを実施しました。

匿名性が保たれるので社員の率直な意見を集めることができ、以下のような課題が見つかりました。

  • 「参考にできるロールモデルがいないから、どのように昇進していけるのかイメージができない」
  • 「飲み会で女性を軽視するような発言があった」

アンケートは、お金をかけず社内のリソースだけで社員の声を集められる方法の1つです。またアンケートは、内容を工夫することで目的に合った回答を得やすくなります。

例えば、今回の事例では、取引先企業が女性が社内でさらに活躍できるような環境づくりを目指していたため、アンケートに以下のような設問を盛り込ました。

  • 女性役員を必要だとどのくらい認識しているか
  • 何が女性の昇進を邪魔しているか
  • 性別が理由で業務の不平等を感じたことはあるか

このように社内の状況を確かめることで課題が明らかになるので、次に取り組むべき施策を考えるための素材になるのではないでしょうか。

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まとめ

企業が女性やマイノリティなど誰もが働きやすい職場環境を目指すなら、ガラスの天井をなくすことは不可欠です。

すでにこの言葉を知っていた人も、そうでない人も、自分自身が無意識に偏った見方をしていないか確認して改めるいいきっかけになるのではないでしょうか。また、今回紹介した企業事例の取り組みを参考に、自社でもできる取り組みを考えてみてください。

株式会社Dropでは、事例に挙げたようにSDGs経営を目指す上で必要な施策(働きやすい環境を目指すためのアンケート調査など)を実施するサポートを行っています。相談を希望される方は以下のお問い合わせフォームから、相談内容をご記載の上、ご連絡ください。

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また、そもそも企業がSDGsに取り組む理由を知りたい方は、以下の記事を読んだりSDGsビジネスセミナーの受講したりしてみてください。きっとSDGsとビジネスの関係について理解を深められますよ。

▶企業がSDGsにいま取り組むべき理由を解説 を読む

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