Allbirdsの気候変動対策に学ぶブランド戦略|セミナーレポート
こんにちは。Allbirdsのバレエシューズ(ツリーブリーザー)を愛用しているSDGs media のTakashimaです。
SDGs media を運営する株式会社Dropでは、2022年4月21日に『【Allbirdsのブランド戦略】サステナビリティの社会性と経済性を両立させるヒントをお伝えします』と題したセミナーをWeWork LINKS UMEDA(大阪)で開催しました。
ゲストスピーカーは、2019年からAllbirdsのマーケティング本部長を務める蓑輪光浩(みのわ みつひろ)氏。
惜しくも参加できなかった方向けに、セミナーの内容をコンパクトにお届けします。
今回の記事はこんな人にオススメの内容です
- セミナーの内容を知りたい
- Allbirdsがどういうブランドか知りたい
- Allbirdsのサステナブルな取り組みを知りたい
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目次
Allbirdsのブランド紹介
Allbirdsは、積極的なサステナブルな取り組みが評価されている、スニーカーなどを扱う世界で人気のライフスタイルブランドです。元ニュージーランド代表サッカー選手ティム・ブラウン氏と、再生可能分野のバイオテクノロジー専門家であるジョーイ・ズウィリンジャー氏の2人によって2016年に創業されました。
シューズ業界はナイロンやポリエステルなどの石油由来の素材を使用するため、大量の二酸化炭素を排出し、環境汚染の要因の1つになっています。
このような状況や業界の慣習に対して、Allbirdsは、サステナブルなシューズビジネスモデルを目指しています。天然由来素材の開発・環境に配慮した素材の使用などで製造時の環境負荷を抑えて、シンプルで履き心地の良い製品作りに力を注いでいます。
また、会社として、2025年までに製品の生産から廃棄における温室効果ガス排出量(カーボンフットプリント)を半減させ、2030年までにほぼゼロにすることを目標としています。
Allbirdsセミナー開催の経緯
今回のセミナー開催のきっかけを、この方に教えてもらいます。
皆さん、こんにちは! SDGs mediaを運営する株式会社Dropの玉木です。今回のセミナー開催は、もともとAllbirdsのファンだった僕が、大阪のAllbirds期間限定ショップでアンバサダーとして働かせてもらっていることが関係しています。
企業がSDGsに取り組むサポートをしている弊社とAllbirdsで何か一緒にできないかという話から、今回のセミナーが実現しました。
店舗概要
店舗名:Allbirds 大阪
住所:大阪市北区大深町4-20 グランフロント大阪南館5F
期間:2022年2月3日(木)から 2022年8月31日(水)
セミナーレポート|Allbirdsのブランド戦略・取り組み
ブランド戦略で大切な8つのポイントとは
これまでNIKE JAPANやユニクロ、レッドブルなど、さまざまなブランドに関わってきた蓑輪さんがブランド戦略を考える際に大事にしている8点が紹介されました。
ミッションを理解
課題と背景の認識
共感できるビジョンを描く
目標設定
自己認識
ターゲットとするお客様を明確にする
伝わり方を設計する
- 課題解決へのアクション
会社のミッションを理解すること、人を引っ張っていけるようなビジョンを描くことの重要性や、ターゲット(ペルソナ)をジェンダー問わずチャーリーと呼んでいることなど、貴重なお話を聞くことができました。
次に、企業がSDGs達成に向けた取り組みを推進するヒントになる、企業ミッションに基づく具体的な取り組みをご紹介します。
Allbirdsのミッションとサステナブルな取り組み
Allbirdsは以下の企業ミッションとビジョンを掲げています。
ミッション:
”より良いことを、より良い方法で”
Better things in a better way
ビジョン:
ビジネスの力で気候変動を逆転させる
ビジョンに含まれる『気候変動』という言葉は、ニュースなどで見聞きしたことがあると思いますが、まずこの意味を簡単に解説します。
現在、地球温暖化によって大雨や猛暑日などの異常気象や海面上昇が進行しており、今後さらに増加すると予測されています。このおもな原因はCO2排出量の増加だとされています。
こうした気候変動の影響による被害を回避・軽減するために、2015年に温室効果ガスの排出を削減するための国際的な枠組み「パリ協定」が採択されました。これにより、日本では脱炭素経営やESG経営の推進、再生可能エネルギーの導入拡大などの取り組みが推進され、世界的に脱炭素社会を目指しています。
次に、セミナーで紹介されたAllbirdsが「ビジネスの力で気候変動を逆転させる」ために行っている具体的な取り組みを見ていきましょう。
この脱炭素社会を実現するために、Allbirdsは目標13番「気候変動に具体的な対策を」にもっとも注力しています。
その理由は、シューズ業界による環境負荷を軽減させる余地があるからです。具体的には、製造時に7億メトリックトンの温室効果ガスを排出していること、年間で約200億足が捨てられていることなどの状況が挙げられます。
具体的な取り組みとして、Allbirdsでは、すべての商品にカーボンフットプリントを記載しています。これにより、消費者自身が、購入した商品の生産から廃棄までに排出された温室効果ガス量を把握でき、消費者が環境負荷の少ない製品を選ぶ意識付けが行えます。
そして先述の通り、会社として2025年までに現状での2025年カーボン排出量の基準値(ベースライン)から製品ごとの排出量を半減、2030年までにほぼゼロにする目標を掲げています。
社内でもカーボンフットプリントの数値を念頭に置いて、製品を新しくする際に数値をどのように下げられるかを考えながら素材開発をしているとのことです。
また、Allbirdsは気候変動対策に1社だけで取り組むには及ぼす影響が小さいと考え、自社で開発した天然由来の素材を他社も使用できるようにオープンソースにしています。この結果、企業が環境負荷の少ない素材を使用するハードルが下がり、気候変動対策により大きなインパクトを与えられます。
その他に、AllbirdsはBコーポレーションやFSC認証など認証取得も実施しています。
従業員だけでなくサプライヤーやお客様に配慮した事業活動を行ったり、製品のパッケージ・名刺・配布物も環境に負荷の少ないFSC認証の紙を使用したりするなど、サステナブルな製品開発以外の取り組みも積極的に行っています。
認証を取得することは自社だけでなく、サプライヤーの協力が必要でかなり大変です。しかし、認証された素材を使うことで企業の信頼性も高まります。
今回のお話から、Allbirdsのサステナビリティの取り組みは、気候変動に関するSDGsの目標13番だけでなく他の目標にも貢献しており、他社・サプライヤー・消費者にもインパクトを与えていることがわかりました。
セミナー後には、Allbirdsの2020年サステナビリティレポートが希望者に配布されました。
Allbirdsがビジネスで気候変動対策として取り組んでいることがさまざまな数値から紹介されており、SDGsに関する情報発信の際にも参考になります。
インターネット上でも見られるので、興味がある方はぜひ見てみてくださいね。
▶Allbirds 2020 Sustainability Report(PDF)
「SDGsが伝わらない!」から脱却する30の社内浸透の方法を資料にまとめました
SDGsに取り組む際の課題の1つとして挙げられる「社内の理解度が低い」。研修・Webや社内報・トップメッセージなどで社内にSDGsを浸透させようとするものの、中間管理職や一般社員のSDGs理解度に課題を抱える担当者は多いです。目指すはSDGsの社内啓蒙を強化することですが、なかなかうまくいかない現実があります。
そのような担当者向けに作成したダウンロード資料が『SDGs社内浸透施策 具体例30選』です。実際に、当社に寄せられる社内浸透へのお悩み、当社の支援実績や企業事例をもとに厳選した30種類の社内浸透策をまとめています。
社内浸透がうまくいっている企業では、1度きりの研修ではなくさまざまな手法で継続的に施策を実行しています。ぜひ資料を参考にして新たな社内浸透の方法を採用して理解度アップにお役立てください。
まとめ
当日は約40名の方に参加いただき、イベント終了後に蓑輪さんと積極的にお話される姿を見ることができました。ご参加頂いた皆さん、ありがとうございます。
石油業界に次いで環境に負荷を与えているとされているアパレル業界のなかで、Allbirdsがサステナブルブランドとして世界から注目される理由を、蓑輪さんのお話から知ることができました。これからの取り組みにも注目していきたいですね。
SDGs media 主催のセミナー情報
セミナーの開催予定・申し込みページ
SDGs media が開催するサステナビリティ・ビジネスと人権などに関するセミナーは定期的に開催しています。直近の開催予定・お申し込みは以下のページから。
過去のセミナーアーカイブ動画を無料で提供中|SDGs media のセミナー情報
過去に開催して好評だったSDGs推進・企業と人権・カーボンニュートラルと企業などのテーマのセミナー動画を無料で提供しています。担当者自身の勉強や社内での研修・勉強会などにお役立てください。
▶過去の共催SDGs/サステナセミナーの動画を配信しています。詳細はこちら
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参考サイト: