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エシカル消費とは? 意味やSDGsとの関係、具体例や商品マークを紹介

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「エシカル」「エシカル消費」「エシカルファッション」……日本でも認知度が上がりつつあるエシカルという言葉。意味や目的をきちんと理解すれば、私たちの暮らしを根本から見直すキーワードになるかもしれません。

今回の記事ではSDGsとの関わりも深い「エシカル消費」について基本的な概要を解説するとともに、今日から参考にできるエシカル消費の具体例や商品マークもご紹介します。

今回の記事はこんな人にオススメです
  • エシカル消費について調べていた
  • エシカル消費の具体例や詳細が気になる
  • エシカル消費につながる商品の見極め方を知りたい

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エシカルとは? 「エシカル消費」がなぜ大切なのか

消費者庁が2019年度に行った調査では、「エシカル消費」の言葉の認知度は3年前と比べて2倍に上昇。「これからの時代に必要」なものとして捉えている人も半数以上と、エシカル消費に対する関心が高いことがうかがえます。

エシカル=ethicalは、直訳すると「倫理的」や「道徳的」という意味で、「エシカル消費」とは人や地球環境、社会に配慮した消費やサービスを指します。

経済成長を優先に、大量生産と大量消費を繰り返してきた私たちの暮らしは、気候変動や森林資源の枯渇、生物多様性の損失といった、人類の存続さえ危ぶまれるほどの深刻な問題を次々と生み出してきました。エシカル消費はその反省に立ち、地球や社会に配慮した消費行動へ劇的に変化させようという考え方です。持続可能な消費へのパラダイムシフトになるともいわれています。

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エシカル消費とSDGsの関係性

エシカル消費はSDGsとも深く関係しています。17ある目標のうち、持続可能な方法で生産し、責任をもって消費することを求める目標12番目「つくる責任 つかう責任」は、まさにエシカル消費と同義。

日本のSDGsの取り組みは政府をあげて積極的に推進していますが、「エシカル消費」も消費者庁が啓蒙活動を行い、エコ商品を選ぶ、買い物にマイバッグを使うといった行動を提案しています。

5つの社会課題と今日からできるエシカル消費

エコ商品やマイバッグはエシカル消費のほんの一部ですが、他にどんな行動がエシカル消費に繋がるのでしょうか。

エシカル消費には「5つの尺度」、平たくいうと買い物をする時に私たちが参考にできる物差しがあるといわれています。その5つとは「環境」「社会」「人」「地域」「生物多様性」ですが、参考になる消費行動や背景にある社会問題について詳しく解説していきます。

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1. 環境に関する社会課題

世界各国が協力し、早急に取り組む必要がある問題に「地球温暖化」があります。洪水や森林火災といった災害が頻発し、干ばつによる食料不足や水資源不足を引き起こしていますが、温暖化の主な原因は温室効果ガスの増加です。日本の場合は温室効果ガスの約91%が二酸化炭素(CO2)で、うち15.6%が家庭からの排出(間接排出量)によるものだと、環境省から報告されています。
参照元:2018 年度(平成 30 年度)の温室効果ガス排出量(確報値)<概要>|環境省(PDF)

何ができる?「環境」に配慮したエシカル消費とは

省エネ家電を使う

電力消費量が大きい冷蔵庫やテレビ、エアコンを省エネ家電に変えることで、CO2の排出を削減する。

自転車に乗る

電車やバス、車の代わりに自転車を利用することでCO2排出量を減らす。

他にも化石燃料の1つである原油が原料になっているプラスチックのごみを出さないよう、マイボトルやエコバッグを購入し代用すれば「環境」に配慮したエシカル消費に繋がります。

2. 社会に関する社会課題

安い価格で流行の衣類を購入できる「ファストファッション」は日本でも幅広い世代に人気ですが、低コストを実現できる背景には低賃金や長時間労働、資源の浪費や汚染といった現実があります。また、安く購入した衣類は簡単に廃棄されがちで、大量廃棄という問題が派生して起こっています。

ただし近年では、ファストファッションブランドもエシカルを取り入れた生産を進めています。そのため、すべてのファストファッションが地球環境や社会に配慮していないと勘違いしないように気をつけましょう。

何ができる?「社会」に配慮したエシカル消費とは

エシカルファッションを選び長く使う

労働搾取や人権侵害をせず、資源を大切にする衣類メーカーやブランドの衣類を購入する。加えて、すぐに捨てずに愛着を持って長く着続けられる衣類を選ぶのもポイント。

フェアトレード商品を購入する

生産者に対して公平・公正な貿易を行うフェアトレード商品を購入する。

他にも社員の働く環境や福利厚生の充実に配慮するホワイト企業から、サービスや商品を購入する行為も、「社会」に配慮したエシカル消費に繋がります。

3. 人に関する社会課題

身体に障害があるため思うように働けない、親の貧困で十分な教育が受けられないなど、同じ国に住んでいても不利益な境遇に立たされている方は少なくありません。たとえば厚生労働省による2019年の調査では、子どもの7人に1人が貧困状態にあると報告されており、教育格差も懸念されています。

何ができる?「人」に配慮したエシカル消費とは

寄付機能がある商品やサービスを選ぶ

売上の一部が、子どもの貧困支援などに寄付されるサービスや商品を購入する。

福祉作業所で作られた商品を購入する

ハンディキャップのある方たちが作る商品を、作業所やECサイトで買うことで就労や自立を応援する。

他にも障害を持った方やシングルマザー、高齢者やLGBTなど、いわゆるマイノリティを積極的に採用する企業の商品やサービスを意識的に購入するのも、「人」に配慮したエシカル消費になります。

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4. 地域に関する社会課題

本から食品まで生活用品が何でも揃うECサイトや、遠い国から運ばれてくる安い肉や野菜が店頭に並ぶといった国際的な流通の自由化は、何でも安く買える便利な生活を与えてくれます。一方で、地域の生産者や小売店を廃業に追い込む現実があります。アメリカではネット通販の普及で約1万店の小売業がわずか3年で減少したというデータもあります。

何ができる?「地域」に配慮したエシカル消費とは

地産地消を心がける

地元で生産されたものを地元で消費する地産地消の商品やサービスを購入し、地域の商いを守り、育てることに貢献する。

国産の商品を選ぶ

国産の野菜や肉を購入し消費することで、日本の食料自給率の向上に貢献する。海外から飛行機や船で運搬する必要がないためCO2排出削減にも繋がる。

他にもECサイトの利便性を活用し、地震や豪雨などの自然災害にあった被災地の商品を購入することで、「地域」に配慮したエシカル消費も可能です。

5. 生物多様性に関する社会課題

地球には500万から3,000万種の生き物が存在し、こうした生物多様性の恵みによって私たちは命に欠かせない空気や水、食料や住まいの恩恵を受けています。ですが、人類の食料とエネルギー需要の拡大が要因となり、約100万種の動植物が絶滅の危機にさらされていると国連環境計画が2019年に警告しています。人類存続のためにも、生物多様性の保全は重要です。

何ができる?「生物多様性」に配慮したエシカル消費とは

紙の使用を減らす

紙の生産が世界の森林減少の一因になっているため、紙の使用量を削減する。

RSPO認証の商品を購入する

製造・生産の過程で、環境や人権に配慮したパーム油(RSPO認証)を原料にした洗剤や食品を選んで購入する。

他にも、消費にはあたりませんが、ポイ捨てされたプラスチックごみを拾うのも「生物多様性」に配慮した大切な行動です。プラスチックは土に還らないため、ポイ捨てされたごみは風や雨に流されいずれ海へと流出して、海洋生物が誤飲する問題を引き起こしています。

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エシカル消費の認証ラベルとマーク一覧

持続可能な原料の生産や製造、流通を表す認証ラベルや商品マークは、エシカル消費の目安になります。購入の際に参考にできる9つの例を紹介します。

エコマーク

材料、生産、運搬、使用、廃棄、リサイクルにわたり環境への負荷が少なく、環境保全に役立つと認められた商品にのみつけられる環境ラベル。

国際フェアトレード認証

原料が生産されてから、輸出入、加工、製造、完成品となるまでの各工程で、国際フェアトレード基準に沿って持続可能な生産と公正な貿易基準が守られていることを証明するラベル。

有機JASマーク

農薬や化学肥料などの化学物質に頼らず、自然界の力で生産された農産物、加工食品、飼料および畜産物につけられるラベル。「有機JASマーク」がない商品は「有機」、「オーガニック」を表示できません。

MSC「海のエコラベル」

水産資源と環境に配慮し、適切に管理された、持続可能な漁業で獲られた天然の水産物を示すラベル。

FSC認証

適切な管理が行われる森林の資源で作られた製品を認証するラベル。

RSPO認証

パーム油生産による熱帯林破壊や地域住民、農園労働者への人権問題を発端に、策定された認証基準。持続可能な方法で生産されたパーム油を使用する製品に貼付されるラベル。

レインフォレスト・アライアンス認証

製品または原料が、持続可能性の3つの柱(社会・経済・環境)の強化に繋がる手法を用いて生産されたものであることを認証するラベル。

GOTS認証

原料の収穫から環境に優しく社会的に責任のある製造を経て、消費者に信頼できる保証を与えるラベリングに到るまで、「繊維製品が正しくオーガニックである」ことを認証するラベル。

ふるさと(地域特産品)認証食品

地元産の原材料を使用している加工食品や、地元の伝統的手法など生産方法に特徴があると各都道府県が認証した食品に貼付されるラベル。

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まとめ

最後にご紹介した認証ラベルや商品マークは、環境ラベルの一例です。世界共通のものや自治体独自のものなど、環境を意識した表示は他にも数多く存在しています。ラベルを意識しながら買い物をすると、きっと新しい発見もあるはずです。

エシカル消費の良さは個人でもできる、簡単なアクションであるということ。環境破壊や人権侵害に繋がっていた消費行動から、環境や社会、未来に優しいエシカル消費に変えてみませんか?

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