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【担当者に聞く】SDGs推進プロジェクト立ち上げと進行で工夫したポイントとは?|株式会社b-ex

【担当者に聞く】SDGs推進プロジェクト立ち上げと進行で工夫したポイントとは?|株式会社b-exの画像

皆さん、こんにちは。SDGs media を運営する株式会社Dropの玉木です。

普段の仕事では、SDGs研修やコンサルティングサービスでお客様を伴走支援しながら、Youtubeなどでビジネスパーソン向けにSDGs情報を発信しています。

今回は、弊社がコンサルティング支援を実施した株式会社b-ex(ビーエックス)のSDGs推進プロジェクトリーダーの山本さんへのインタビュー内容をお届けします。

山本さんが、SDGsの推進プロジェクトを立ち上げてSDGs方針を決める段階まで進めてこられた経験談を伺っています。

社内のSDGs担当者として取り組みにお悩みの方や、これからSDGsを取り入れた経営を検討されている経営層の方などの参考になる内容になっています。

ぜひ、読者のあなたの会社・団体ならどのように推進するだろう、という視点で読んでみてください。

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インタビュー内容の理解に役立つ情報

すぐ次の見出しからインタビュー本編ですが、それに先立って株式会社b-exの企業情報・コンサルティング支援内容、そしてインタビューに応えてくださったSDGs推進プロジェクトリーダーの山本さんのプロフィールを紹介します。

株式会社b-exの情報

企業情報

株式会社b-exは、1975年10月創業の化粧品および医薬部外品の製造・販売・輸出・輸入を行う企業。非上場で2021年12月時点の従業員数は139名。

SDGs取り組み内容

2021年4月から社内でのSDGs推進が本格化。それまでは、環境に配慮した製品の取り扱いなど。

コンサル支援内容

Drop社が実施した主な支援内容:

SDGコンパスのステップ1・2・3に関する施策の実施・伴走サポート。その後のアドバイザリーサポートを継続。

SDGs推進体制の有無

SDGs推進の本格化に伴いプロジェクトチームが発足。各部署から11名がチームメンバーとなりSDGs推進の施策を実施中。

株式会社b-ex SDGs推進プロジェクトリーダー山本さんのプロフィール

b-ex山本様

大学卒業後、株式会社b-ex(旧モルトベーネ)に入社。入社後はプロフェッショナル営業部門(美容室向け商材の営業)にて活動し、福岡支店の支店長や東日本営業部、西日本営業部の部長職を歴任。その間には企業派遣でグロービス経営大学院に進学しMBA取得。現在は内部監査部の部長として、会社全体のカバナンスやリスクマネジメント強化に従事しながら、SDGs推進プロジェクトのリーダーとしてサステナビリティ経営の実現に向けて奮闘中。

 

インタビューは、これまでのコンサルティング支援と同様にオンラインで、ご協力いただきました。

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業界のトップランナーのSNSがきっかけでした

会社のSDGs担当者の方に担当者になった経緯を聞くと、上司からSDGs推進の担当者に任命されて、普段の業務と並行して取り組みを始めるケースは多いです。

もう1つあるケースは、何かのきっかけでSDGsに興味を持ち、SDGs推進を企画・提案してそのまま担当者を務めるケースです。

前者はトップダウン、後者はボトムアップによって担当者が決まっています。

今回、お話を伺った山本さんは後者のケースでした。もともとSDGsとどのような接点があり、SDGs推進プロジェクトリーダーを務めたことで山本さん自身にどのような変化があったのでしょうか?

  • 玉木 巧

    SDGsコンサルタント|株式会社Drop

    まずは山本さん自身とSDGsについて、いくつか聞いていきますね。どうやってSDGsに出会って、なぜ関心を持たれたのか教えてください。

  • 山本 良

    株式会社b-ex

    接点として思い当たるのは、美容業界で先進的にサステナビリティ関係の取り組みを始めていたサロンさんのSNSを見たことです。営業部で働いていた時代から、そのサロンさんは美容業界で経営的にもサステナビリティの面でも、すごく伸びていて注目されていました。

    営業目線でそのサロン関係者のSNS投稿をよく見ていたのですが、そこで環境活動家の方やCSR検定、ビーガンなどのサステナブルな話題の投稿を目にしました。

    業界で注目される美容室の経営が知りたくて見始めたものの、美容室経営の先の話、サステナブルなことを業界でもやっていかないといけないというメッセージに、次第と気付かされていきました。そこからプライベートでもサステナブル分野について調べるようになりました。

    だからこういったところから、SDGsという言葉を知るようになったのかなと思いますね。並行して、ニュースでも気候変動や温暖化に対して大企業を中心として取り組みが始まっていることを知ると、インスタで見ていたことにつながってきて、世の中でサステナブルな動きが起こっているのだと認識を強めていきました。

  • 玉木 巧

    SDGsコンサルタント|株式会社Drop

    なるほど。営業の参考として情報収集をするなかで、社会全体の方向性としてサステナビリティが大事だという点を理解されていったのですね。

    山本さんがSDGsの担当者になった経緯はこのあと伺いますが、社内へのSDGsの提案や担当者として話を進める際に、SDGsの勉強はどうやってされていましたか?

  • 山本 良

    株式会社b-ex

    初期の頃に行ったのは、SDGsの本を数冊読むことと、CSR検定3級の勉強です。これは1カ月程度で終えて、無事合格できました。

    次に、研修会社が提供しているSDGsのeラーニングを受講しました。SDGs自体を知れる内容で良かったのですが、ビジネス的な話がなかったので少し物足りなさもありました。

    そこでSDGsとビジネスの関係が学べるセミナーを探すと、玉木さんが講師をしているWebセミナーが見つかりました。受けてみるとめちゃくちゃ良いなと思ったので、受けられるセミナーはすべて受講して、SDGsとビジネスに関する知識が得られましたね。

  • 玉木 巧

    SDGsコンサルタント|株式会社Drop

    そういった反応を直接頂けるのは、ちょっと照れちゃいますがすごく嬉しいです。ありがとうございます。

    ここまで自社のSDGsの取り組みを担当者として進めてこられて、山本さん自身のSDGsへの捉え方は変化しましたか?

  • 山本 良

    株式会社b-ex

    自社のSDGs方針によってSDGsの各目標に対する自社の施策が決まったことで、普遍的で遠く感じていたSDGsが身近になったと感じます。だからなのか、何かを考えるときに「それって持続可能?」と言うようになりましたね。

    そういう意味では、SDGsの取り組みを進めて自社のSDGs方針が決まったことで、SDGsを自分ごとにできたのかもしれません。

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自身の視点と会社の未来が交わる点がSDGsだった

仕事上の情報収集をきっかけに、サステナビリティやSDGsへの関心を強めていった山本さん。自身の興味を会社の取り組みにまで進めてこられる際には、社長の意向も伺っていたそうです。

  • 玉木 巧

    SDGsコンサルタント|株式会社Drop

    ここからは、b-exさんが本格的にSDGsに取り組むことになった経緯や、山本さんが推進担当者になった背景などの話題に移っていきます。b-exさんはどのような流れでSDGsへの取り組みが始まっていったのですか?

  • 山本 良

    株式会社b-ex

    弊社では、サステナビリティの考え方を一部商品では取り入れていたものの、経営全体として取り組みや方針があったわけではありません。この状況は美容業界全体にも言えることかもしれません。

    SDGsやサステナビリティの情報収集をする過程で、社長とこの話題について話す機会もありました。

    そこで社長がESG経営の必要性について仰っていたので、自社で取り組んでいくアイデアを考え始めました。その後、社長や会長、役員向けへの説明・提案資料として、外部環境の変化やESG経営の効果などをまとめて、それぞれに話をしていきました。

    特に否定的な意見がなく良い反応を頂けたので、SDGsに取り組むための準備を始めることに。まずは、私が主導して研修企画を進めることになりました。研修では、SDGコンパスのステップ1にもありますが、まずは社員がSDGsを理解してサステナビリティに対するマインドセットを作ることが狙いでしたね。

  • 玉木 巧

    SDGsコンサルタント|株式会社Drop

    山本さんの提案から、かなりスムーズにSDGsへの取り組むための研修実施まで進んでいたのですね。この際、意識したことはなにかありますか?

  • 山本 良

    株式会社b-ex

    振り返れば、まずは社長と意見交換できて合意を得られたことが、順調にSDGsへの取り組みが進んでいった要因の1つかもしれません。SDGsに限らず新しい取り組みは、トップの理解がないと途中で進まなくなることもあるじゃないですか。なので、物事を進める際のポイントをおさえるとして、これまで20数年間この会社で働いてきた経験が活かせたのかもしれません。

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初期の研修対象者を全社から経営層に変更した理由

  • 玉木 巧

    SDGsコンサルタント|株式会社Drop

    弊社が最初に実施させてもらったSDGs研修は経営層向けの研修でしたよね? 当初考えられていた全社の社員向けから変更されたのは、どのような理由からでしたか?

  • 山本 良

    株式会社b-ex

    DropさんのSDGs研修は、自分で受講してすごくよかったのは確かです。しかし、社長と相談した結果、全社員100人以上に対して実施する前に、まずは部長以上の社員と役員を対象にして研修の感想を求めることになりました。

    全社員向けの実施も重要でしたが、先にマネジメント層からSDGs経営への取り組みに対する理解を得ることが狙いでしたね。遠回りになるかもしれませんが、全社展開の前に社内浸透の中心になってくれる人たちから理解を得ることを優先した結果、当初とは対象が変わりました。

  • 玉木 巧

    SDGsコンサルタント|株式会社Drop

    そうだったのですね。自分で聞くのも少し恥ずかしい面がありますが、マネジメント層の方々の感想はいかがでしたか?

  • 山本 良

    株式会社b-ex

    めちゃくちゃよかったですよ。玉木さんのお話が上手で、「とんでもない人を連れてきましたね。どこで見つけてきたんですか?」という反応もありました。

  • 玉木 巧

    SDGsコンサルタント|株式会社Drop

    とんでもない、ですか! すごく評価してもらえて嬉しいです。

  • 山本 良

    株式会社b-ex

    感想を話し合う中で、研修で終わらずこのままDropさんにコンサルティングをお願いしてもいいのではないかという話にもなりました。予算の問題もあるので、その場では検討していこうということで落ち着きましたが、それくらい研修が盛り上がりましたね。

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社内の課題を盛り込んだSDGs推進プロジェクトの誕生

  • 玉木 巧

    SDGsコンサルタント|株式会社Drop

    経営層向けの研修が2021年4月で、その後、弊社のコンサル支援が始まったのは同年7月からでした。この3カ月間で、山本さんは担当者としてどのような動きをされましたか?

  • 山本 良

    株式会社b-ex

    研修での盛り上がりに乗って、この3カ月で一気にSDGs推進プロジェクトの立ち上げまで進んでいきました。研修に参加した方々の話を聞いていくと、経営層はサステナビリティを製品単体でなく経営に取り入れる必要を感じていることや、総務人事部は改正女性活躍推進法への対応が必要なことなど、会社を取り巻くさまざまな課題がわかってきました。

    だから、社内で変えていきたいこと、対応しないといけないことを包括できるSDGsのプロジェクトを立ち上げて、必要な目標を決めて動き出すことになりました。

    そして、この動き出すきっかけになる熱をくれたDropさんに研修後のコンサル支援を依頼することになりました。

  • 玉木 巧

    SDGsコンサルタント|株式会社Drop

    さまざまな理由でコンサルを導入せずに自社だけでSDGs経営を進める事例もありますが、コンサル導入に対して反対意見はなかったのですか?

  • 山本 良

    株式会社b-ex

    それはなかったですね。自社だけではどう進めればいいのかわからなかったですし。もともと他の分野でも、弊社はコンサル会社に入ってもらってスピーディーに進めることが多くて、全部自社でやろうという話は一切なかったです。

    もちろん、それなりのコストはかかりますが、専門家に頼んだほうが早くて確実な成果が見込めますから、コンサル導入を選びました。

  • 玉木 巧

    SDGsコンサルタント|株式会社Drop

    プロジェクトの立ち上げに際して苦労したことはありましたか?

  • 山本 良

    株式会社b-ex

    苦労と言えるかはわかりませんが、正直なところ、動き始めたのが4月だったので、このプロジェクトに対する予算は確保できていませんでした。そのため、他のところから予算を融通してもらった経緯がありましたね。

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若くて多様なプロジェクトチームが結成される

企業がSDGsを推進する際は、担当者や経営層だけでなくプロジェクトや委員会が立ち上がることがほとんどです。CSR部や経営企画部がそのまま役割を担う場合や、社長をトップにして各部署から人が集められる部署横断型プロジェクトの場合など、企業によって成り立ちは異なります。

b-exさんの場合は、部署横断型のプロジェクトが選択されました。プロジェクトメンバーの人選は、担当者が悩むポイントの1つですが、b-exさんではどのような基準が用いられたのでしょうか?

  • 玉木 巧

    SDGsコンサルタント|株式会社Drop

    SDGs推進プロジェクトのメンバーは、当初社長を含めて11名でしたがどのような基準で選びましたか?

  • 山本 良

    株式会社b-ex

    プロジェクトが始まる前から、個人的には、SDGsの17目標を領域に割り振って担当してもらう構想を持っていました。そのため、メンバーには4月のSDGs研修を受けた役員と部長職から各領域の責任者を選びました。

    それ以外のメンバーは、社長から「若手のほうがSDGsの意識が高い」という言葉があり、若手の抜擢が決まりました。そのため、人数的にもすでに選んでいた責任者と、ペアになる若手を選ぶことになりました。

    その責任者たちには、プロジェクトの目的を「会社のSDGs方針を決めること」だと伝えました。そして若手の人選は責任者に任せました。その際は、若手でかつ多様なメンバーにしたかったので、性別が偏らないようにしてもらいたいことも伝えましたね。

  • 玉木 巧

    SDGsコンサルタント|株式会社Drop

    条件を伝えた上で選択は、各責任者に任せられたのですね。

  • 山本 良

    株式会社b-ex

    そうですね、しっかり考えてもらえた結果、多様性と積極性のあるメンバーが揃いました。このことが、その後のプロジェクト進行にかなりいい影響を与えたと思います。足を引っ張るメンバーがおらず、前向きに進めることができた要因です。

  • 玉木 巧

    SDGsコンサルタント|株式会社Drop

    足を引っ張る人がいないっていうのはすごく大事なところですね。各種調査でも若い世代の方がSDGsをよく知っていたり、関心が強かったりすることがわかっているので、責任者と若い世代それぞれの良さが活かされていることは、コンサル支援で伴走する中で感じています。

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SDGs推進の担当者として工夫した3つのこと

SDGs方針を決めるためには、SDGsの内容と世界観を理解して社内の課題を明らかにした上で、取り組み分野・目標を決めるなどが必要です。

SDGs推進プロジェクトのメンバーは、日常業務と並行しながら参加することが多く、プロジェクトの進行管理や取りまとめは、プロジェクトリーダーの役割の1つです。

山本さんはどのような工夫を意識してプロジェクトを進行していたのか伺いました。

宿題への取り組みを円滑に

  • 玉木 巧

    SDGsコンサルタント|株式会社Drop

    SDGs推進の取り組みを進める中で、担当者として工夫されたことやこだわった点について教えて下さい。

  • 山本 良

    株式会社b-ex

    まずは、メンバーが取り組みやすいようにさまざまな調整に気を配っていました。特に注意したのは、Dropさんに支援頂いたあとに出される宿題への取り組みですね。

    社内ツールに宿題を共有から始まり、期限の設定やその後の会議の日程調整、それで足りなければまた会議を調整して、というようにスムーズに取り組みが進むように工夫していました。

社長との進捗共有をこまめに行う

  • 山本 良

    株式会社b-ex

    もう1つは、社長と進捗状況を常に共有することです。

    社長が会議に必ず出席するわけではなかったので、会議や取り組みや宿題の内容など動きがあった場合は、逐一状況を報告していました。

    社長の認識とプロジェクトの状況がズレてしまうことが嫌だったので、コミュニケーションの機会は頻繁に設けていました

目標設定は各領域の担当者に任せる

  • 山本 良

    株式会社b-ex

    最後は、各領域の担当者が自身の領域の目標を決めることです。

    宿題の中には成果目標や成果指標、数値目標を決めるものがありました。プロジェクト全体でそれぞれの目標を決めるのではなく、私が領域ごとに目標を決める担当者を決めて、あとは任せましたね。

    そのあとの施策実行まで考えると、トップダウンでなくボトムアップにすると取り組みが進みやすいだろうという狙いもありました。その結果なのかわかりませんが、皆さんストレッチ目標を設定してくれましたね。

  • 玉木 巧

    SDGsコンサルタント|株式会社Drop

    特に山本さんから目標設定について指示や要望は出さなかったのに、ストレッチ目標になったのはなぜなのでしょうか?

  • 山本 良

    株式会社b-ex

    当事者に聞いてみないとわかりませんが、玉木さんが研修で現時点から未来を考えるフォアキャティングでなく、目指す未来像を決めてから逆算するバックキャスティングで考えることが大事だと言ってくれたからじゃないでしょうか。

    それ以外に考えられるのは、台湾発のカーボンニュートラルグリーンコスメメーカーO’right(オーライト)との資本業務提携の影響もあったかもしれません。オーライト社は環境面で先進的な企業なので、パートナーとしてそこに近づくためにもより高い目標を立てる機運が高まっていたことは感じます。

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外部コンサルタントに伴走してもらえる価値を実感した

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プロジェクト会議の風景

  • 玉木 巧

    SDGsコンサルタント|株式会社Drop

    弊社のコンサル支援を導入して頂いて約6カ月間サポートしてきましたが、山本さんが特に印象に残っていることを教えて下さい。

  • 山本 良

    株式会社b-ex

    バリューチェーン分析や優先課題の特定など施策はどれも印象的ですが、特にと言えばDropさんが取り組みのロードマップを示してくれて、毎回の会議で進捗を共有して伴走してくれたことですね。外部の方としてお尻を叩いてもらえたと言いますか。

    担当者としては、年初のタイミングでSDGs方針を発表することをゴールに設定して7月から本格的に取り組みが始まりました。しかし、メンバーによっては抱えている他の業務や会議を優先したい時期もあったと思います。

    それに、SDGs自体が2030年に向けた目標であるので、社内方針を決めるプロセスの時点では日々の業務とはちょっと離れていると感じてしまうじゃないですか。だから、もし社内だけで進めていれば、より緊急度の高い仕事が優先されていたかもしれません。

    でも、Dropさんに入ってもらい一緒に取り組みを進めるなかで、常に全体のロードマップの進捗確認をして、遅れているとか早まっているとか率直に伝えてくれていましたよね。その上で、その日のゴールを提示してくれているので、取り組みのペースを必要に応じて変えることもできました。

    こういうことは、Dropさんのようなコンサルの方と一緒に期限を決めて成果物を仕上げるというコミットメントがあったからできたと思うので、この点が特に印象的でしたね。

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SDGs方針が浸透すれば社員の取り組みが広まる

  • 玉木 巧

    SDGsコンサルタント|株式会社Drop

    2021年7月から本格的なSDGs推進を始めた結果、SDGs方針が決まり2022年3月時点では社内への方針浸透が進んできていると思います。7月以降でSDGsへの取り組みに関して社内ではどのような反応がありますか?

  • 山本 良

    株式会社b-ex

    方針を考える際に行った社内アンケートの「b-exはSDGs推進企業だと思いますか?」という質問に対して「自社にSDGs方針がない」という回答が多かったです。

    その状況に対して、今回SDGs方針を立てることができたので、社員の道標がやっとできたと思います。自社がSDGsに取り組む意味を、方針から理解できて納得度合いが増したと言いますか。

    SDGs方針の内容が、今期の人事目標・各部門部署の数値やアクションに反映されつつあります。例えば、営業担当者から取引先のサロンにSDGsの教育をしていきたいというような声がありました。こういう今までにないアクションがあるので、社員にとってSDGsがだんだんと自分ごとになっていると思います。

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企業のSDGs担当者へ贈る3つのメッセージ

SDGs_interview_b-ex_2

  • 玉木 巧

    SDGsコンサルタント|株式会社Drop

    山本さんがSDGs方針を決めるプロジェクトを終えられて、これから同様の取り組みを行う企業やすでに取り組み始めている企業の担当者の方に対して、アドバイスをお願いします。

SDGs実施が必要だと心から理解する

  • 山本 良

    株式会社b-ex

    まずは、なぜ自社でSDGsに取り組む必要があるのか? という点を理解して自分ごと化させることが重要です。上司の指示が担当者になるきっかけであったとしても、自身が能動的に取り組めるようにマインドセットする必要があります。

    社会の要請や環境の変化など世の中の動きに対して危機意識を持って、自社でSDGs推進を行う意義を考えて、自分が勤めている会社がSDGsに取り組んでいないのはダメだよねという気持ちを最初に持てれば良いですね。

    担当者やプロジェクトチームのメンバーがこのような意識を持つ方法は、企業によってさまざまだと思います。弊社で言うと、社長を含む経営層がSDGsへの取り組みに同意してくれたことが、プロジェクトを進める上で大きかったですね。

プロジェクトのメンバー選びをトップダウンにしない

  • 山本 良

    株式会社b-ex

    先程のマインドセットが作れたら次はプロジェクトのメンバー選びがポイントになります。いかに前向きに取り組んでもらえるメンバーを選ぶかが重要です。その方法の1つがトップダウンにしないことだと思います。

    弊社の場合は、各領域の責任者までは決めてそのペアを自ら選んでもらうようにしていました。

メンバーの状況を把握してプロジェクトを進行する

  • 山本 良

    株式会社b-ex

    最後の3つ目は少し特殊かもしれませんが、私の立場がSDGs推進プロジェクトを進める上ではやりやすかったです。

    私が務める内部監査部は、事業サイドにいるメンバーよりも全社を俯瞰して見ることができます。そのため、プロジェクトメンバーの業務状況などを踏まえながら、プロジェクト遂行のバランスを常に考えることができました。

    なので、プロジェクトメンバーが宿題に取り組みやすいように、私自身でクリアできる部分を完了させた上で分担を決めて、なるべくメンバーに負担をかけないようにしました。仕上がった宿題は、Dropさんに共有する前に自分で最終チェックをして不明瞭な点は担当者に確認してクリアにすることにも気を配っていました。

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発案者だからポジティブに取り組めたが、会社のサポートは必要です

  • 玉木 巧

    SDGsコンサルタント|株式会社Drop

    3つのメッセージを伺って、b-exさんの取り組みが他社と比べてもスムーズに進んでいった理由が腑に落ちました。山本さんはそれだけの動きをしたならば、かなり大変だったのではないですか?

  • 山本 良

    株式会社b-ex

    大変ではありましたが、自分が発案した責任もあって「やりきるぞ!ちゃんとSDGs方針を作りたい」という想いもあったので、ポジティブに取り組んでいけましたね。

    まぁでも、大企業のようにSDGsやサステナビリティを専門に扱う部署があるという環境は、正直うらやましいなと思います。ただ、こういう環境を作れない企業が大半なのでしょうけれど…。

    だからもし、社長の意向でSDGsに取り組むことになり会社から担当者に任命された人は、SDGsに注力できる環境が整えられないと大変だなと思います。これができなければ担当者が苦しくなり、その状況が持続可能ではありませんよね。

    企業がSDGsに取り組むなら、私のように発案した人にリーダーを任せるか、取り組みを決めた会社側が取り組める環境を整備しないといけないと思いますね。

  • 玉木 巧

    SDGsコンサルタント|株式会社Drop

    担当者として真摯に取り組んでこられたからこそ言えることですね。担当者1人で孤立していたり周りの理解が得られていなかったりする人に届けたい言葉です。お忙しい中、インタビューにご協力頂きありがとうございました。

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まとめ

株式会社b-exのSDGs推進プロジェクトリーダーの山本さんへのインタビューはいかがでしたでしょうか?

担当者になった経緯から、プロジェクトの立ち上げや担当者としての立ち回り方などを読むことで、SDGs担当者として奮闘されている方々の参考や励みになりますように。

約半年をかけて完成したSDGs方針は、以下のページでご覧になれます。最後まで読んで頂けた方は、ぜひ合わせてご覧ください。

▶株式会社b-exのSDGs方針ページを見る

 

株式会社DropのSDGsコンサルティングサービスの詳細やお問い合わせについては、以下のページをご確認ください。

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