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ESG投資

ESGとは?ESGは企業の将来価値を計る
新たなものさし!

ESGとは?ESGは企業の将来価値を計る新たなものさし!

「SDGs(エスディージーズ)(Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標))」を学びはじめると、「ESG」という言葉を目にするようになります。
SDGsは独学でも理解できますが、「ESG」はなんとなくしか理解できていない方が多いのではないでしょうか。それもそのはず、聞きなじみのないアルファベットの言葉って難しく感じてしまいますよね。

この記事では、どのサイトよりもわかりやすく「ESG」についてご説明します。
この記事さえ読めば、「ESGの基礎」から「ESGがなぜ注目されているのか」「ESGがもたらす効果や事例」についても一緒に学べます。

勤めている企業でESGに取り組みたい方、独学ではESGはできなかった方はぜひ参考にしてください。

ESGとは?

ESGとは?

ESG(イーエスジー)とは、Environment(環境)・Social(社会)・Governance(企業統治)の頭文字をとった略語です。ESGは企業が環境・社会・企業統治に配慮する考え方であり、企業が社会に負う責任でもあります。ESGは、企業が長期的に成長するためには欠かせない考え方として、世界に広がっております。

「ESG」といっしょに、「ESG投資」という言葉も覚えておくといいでしょう。ESG投資とは、投資家がESGに配慮して企業を選別する投資手法です。従来の投資では、投資家は得られるリターンを重視してきました。しかし、ESG投資は得られるリターンではなく、投資先の企業がいかに社会へ良いインパクトを与えるかを重視しています。

ESGは企業の取り組みを指し、ESG投資は投資家の投資手法を指します。それぞれの意味が混在しないように注意してください。

ESGの定義

Environment(環境):「二酸化炭素の削減」「動物の保護活動」「再生可能エネルギーの導入」
Social(社会):「労働環境の改善」「女性活躍の推進」「地域貢献活動」
Governance(企業統治):「透明な経営」「情報開示」「社外取締役の独立性」

E・S・Gの中身はこのように定義されています。しかしこれだけでは正直分かりづらいです。ですのでiPhoneを手掛けるApple社を事例に説明します。

Appleは自社で使用する電力すべてを再生可能エネルギーで調達しています。この取り組みは環境に良いので、ESGの「Environment」に該当します。またAppleはサプライヤー責任という行動規範をHPで公表しています。もしサプライヤーで従業員への強制労働が発覚した場合、Appleのサプライヤーチェーンから除外されます。このことでサプライヤーの労働環境の安全性を保証しており、これはESGの「Social」に該当します。

ESG投資とSRIの違い

ESG投資が誕生する以前は、SRIという言葉が使われていました。SRIとは、Socially Responsible Investmentの略語で、社会的責任投資と訳されます。ESG投資とSRIは、基本的に同じことを意味します。

ただしSRIは、環境や社会に配慮してもリターンが少ないので、有効な投資手法でないイメージがありました。しかし時代の変化とともに、環境や社会に配慮すると大きなリターンが得られることが証明され、ESG投資に注目が集まるようになりました。

なぜESGが必要なのか?

なぜESGが必要なのか?

それでは、なぜESGやESG投資が必要とされるのでしょうか?

異常気象・海洋プラスチック・フードロスなど、たくさんの社会問題が世界に存在しています。もしこのような社会問題に無関心でいると、最終的には企業活動に悪影響を及ぼす可能性が高いです。

例えば、台風が日本を襲うと、鉄道会社は電車の運行を中止します。もし異常気象が進み、台風の頻度がさらに増えると一体どうなるでしょうか。鉄道会社は電車を運行させることができないので売上が減ります。

また、台風によって被害を受けた線路の補修や車両のメンテナンスで多額の費用がかかります。そのため企業が社会問題に取り組むことは中長期的なリスクを回避する手段となるため、ESGの取り組みが必要とされます。

投資家にとっても、ESG投資を行うことが投資リスクを回避する手段になります。利益優先の投資を続け、もし投資先に不祥事が発覚すればどうなるでしょうか。

「日産 カルロス・ゴーン会長の私的流用」や「レオパレスの違法建築問題」は企業統治が整備されていないことが原因で、株価暴落を引き起こしました。そのため、投資家にとってもESGの視点は必要だと考えられています。

ESGに取り組むメリット

ESGに取り組むメリット

それでは次に、企業がESGに取り組むことで得られる3つのメリットをお伝えします。逆にESGに取り組まなければ、得意先・仕入先・銀行・株主から見切られる可能性もあるため、しっかり理解しておきましょう。

ESG投資によって資金が集まる

SDGsの達成には、企業の主体的な取り組みが必要不可欠です。しかし企業はSDGsに向けた取り組みをするにも、事業を運営する資金が必要です。そのためESGに取り組むことで、投資家からESG投資を募ることができます。さらに資金が集まれば、社会問題解決に向けた新規事業にも手を伸ばすことができ、企業としてさらに成長する機会につながります。

企業のブランディング

ESGの取り組みが消費者に浸透すれば、企業のブランド価値が向上し、熱狂的なファン獲得につながります。例えばアウトドア用品を手掛けるパタゴニアは、競合メーカーに比べて製品の価格は高いです。しかし環境に配慮する商品として消費者に浸透しており、消費者は価格に左右されず、パタゴニア商品を選択します。

優秀な人材を確保できる

就活生が就職先に求めることは、年々変化しています。昔は「高収入」や「自己成長」が求められてきました。しかし最近の調査では「安定」や「プライベートの充実」など働きやすさが求められる傾向があります。育児休暇や時短勤務など働きやすい労働環境、つまりSocialが充実している企業には優秀な人材が集まりやすくなっているのです。深刻な人手不足だからこそ、人手が必要な会社はESGに取り組むことがおすすめです。

ESGを重視する企業ランキング

2019年10月の東洋経済に、「ESGを重視する企業ランキング」が発表されました。

  • 1位 SOMPOホールディングス
  • 2位 NTTドコモ
  • 3位 丸井グループ
  • 4位 KDDI、富士フイルムホールディングス、オムロン
  • 7位 トヨタ自動車
  • 8位 帝人
  • 9位 ブリジストン
  • 10位 東京海上ホールディング

引用元:「ESGを重視する企業」ランキングトップ200社|東洋経済ONLINE

1位に輝いたSOMPOホールディングスは環境改善活動を進めるとともに、育児休業の取得や女性管理職比率の高さなど、男女ともに働きやすい環境が整っていることが評価されました。企業でESGに取り組む際は、ランキング上位企業の取り組みを参考にしてみることがおすすめです。

GPIFがPRIに署名。日本にもESG投資の波が到来!

GPIFがPRIに署名。日本にもESG投資の波が到来!

欧米ではESG投資の市場規模が拡大するなか、日本でのESG投資は推進に対して積極的ではありませんでした。

ところが2015年に、日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がPRI(国連責任投資原則)に署名しました。PRIとは、ESGの観点を組み込んだ投資の原則を意味します。世界最大の投資運用機関であるGPIF(運用資産162兆円)がPRIに署名したことは日本国内に相当なインパクトを与え、ここから日本国内でもESG投資が広がり始めました。
※PRIとはPrinciples for Responsible Investmentの略
※GPIFとはGovernment Pension Investment Fundの略

ESG投資への関心が高まる

ESG投資の市場規模

引用元:About the PRI|PRI

PRIが公表された2006年は、数十社の機関投資家しかPRIに署名をしていませんでした。しかし今では2,300社以上がPRIに署名。そしてESG投資の市場規模は80兆ドルに達しました。世界全体の投資規模のうち、ESG投資だけで3割以上の規模を占めています。

GPIFがESGを解説する動画

ESG投資の種類

ESG投資の種類

ESG投資は7種類に分類されます

①ネガティブ・スクリーニング

特定の業界の株式を投資対象から除外する手法

②国際規範スクリーニング

環境破壊や人権侵害など国際的な規範を基に、最低基準に達していない企業の株を投資対象から除外する手法

③ポジティブ・スクリーニング/ベスト・イン・クラス

ESGに優れた銘柄のみに投資する手法

④サステナビリティ・テーマ投資

社会や環境に関連する企業の株式のみ投資する手法

⑤インパクト・コミュニティ投資

社会面・環境面からインパクトを与える企業に投資する手法

⑥ESGインテグレーション

財務諸表だけではなく、ESG情報をもとに投資する企業を選ぶ手法

⑦エンゲージメント/議決権行使

投資手法ではなく、株主の立場を利用した投資先との関わり方

ESG投資のなかで最も市場規模が大きいのはネガティブ・スクリーニングです。しかし現在、最も注目されているのはESGインテグレーションであり、市場規模もネガティブ・スクリーニングにつぎ2位につけています。

第一生命保険のHPでは、ESG投資をしている投資先情報を公表しております。投資先のイメージが掴めますのでぜひご覧ください。

参考:ESG投資|第一生命保険株式会社

【事例紹介】アメリカのパイプライン建設を巡って、機関投資家が共同声明!

【事例紹介】アメリカのパイプライン建設を巡って、機関投資家が共同声明!

アメリカのトランプ大統領が就任した当初、ダコタ・アクセス・パイプラインの建設再開を発表しました。ダコタ・アクセス・パイプラインとは、石油を運ぶための1,886kmにわたるパイプラインです。過去にもアメリカ政府はパイプラインの建設に着手しましたが建設を中断。それでも38億ドルのお金をかけ、パイプラインの建設を再開しました。

もちろんアメリカ各地で環境破壊を懸念し、デモ活動が発生しました。そのなかでもパイプラインの建設ルート付近に暮らしていた先住民族 スタンディング・ロックス・スー族 への仕打ちが悲惨でした。アメリカ政府はパイプラインを建設するために、スー族の聖地やお墓がある土地を掘り返しました。また唯一の水源である川が汚染されることを懸念し、スー族が川に入って大規模な抵抗活動を行います。しかし警察は催涙弾や放水などの武力でスー族を制圧しました。

Youtubeにその時の様子がアップされております。0:47からデモを制圧する様子が流れます。

そして総工費38億ドルの内、25億ドルを17の銀行が融資していました。17の銀行の中には、日本の三大メガバンクも含まれています。ところがこの問題に機関投資家たちが憤慨し、「もっと環境や社会に考慮した適切な融資をすべきだ」と銀行に対して共同声明を発しました。銀行は機関投資家から融資されたお金がないと商売ができません。そのため共同声明を受け、多くの銀行が融資の引き上げを決定しました。この出来事は、E(環境)とS(社会)に関するESG投資の事例としてご紹介しました。

まとめ

まとめ

この記事を読んで、以前よりESGは理解できましたでしょうか?

企業でSDGsに取り組みたい、でもなにをすればいいのか分からない。そんな方はまずはESG視点でなにができるか考えてみるのもいいかもしれません。ただしESGはSDGsと同じく、やるかやらないかは企業の任意です。しかし長期的な視野で企業経営を考えると、ESGをやらないメリットは見当たりません。また自分が勤める企業がESGに取り組んでいないと企業の先行きが心配に思うこともありますよね。

この記事を読んで、もし自社ではなにをすればいいのか迷われた方は、お気軽にお問い合わせフォームよりご相談ください。

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