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SDGsとは

SDGsとは?17目標と日本の政府・企業の取り組みを徹底解説

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近年、テレビやニュースでよく見かける「SDGs(エスディージーズ)」という言葉。

名前は知っているけれど、実際の意味はあまりよくわからないという方も多いのではないでしょうか?

いま読んで頂いているWebサイトSDGs media では、SDGsに関する取り組みを行っている、これから行いたい人向けに、SDGs関連情報を学べるブログを更新しています。

SDGs media を運営しているのは、SDGsのコンサルティングや研修事業を行なう株式会社DropのWeb編集部です。

 

こちらの「SDGsとは」を解説する記事では、SDGsに関する情報は以下6つの見出しに分けて、詳しくわかりやすく紹介していきます。

  • SDGs(持続的な開発目標)とは?
  • 日本政府によるSDGsへの取り組みを促進する3つの動き
  • 企業がビジネスを通してSDGsに取り組む意味
  • 地方自治体とSDGsの関係
  • 個人でSDGsに取り組む方法
  • 日本のSDGs進捗度と達成度

各見出しの最後には、見出し内で紹介した内容に関する理解度チェックテストがあるので、SDGs情報の理解を深めるために活用してください。

このようにSDGsに関する情報を網羅的に紹介しているので、

  • これからSDGsを学びたい人
  • SDGsをさらに深く知りたい人
  • 取り組み開始に向けて社内のSDGs初心者向けの基礎情報を探している人

など、幅広い対象の方に満足してもらえる内容になっています。本文中には、SDGs media の関連記事も紹介しているので、興味のある分野を深く読み進めていってもらえると嬉しいです。

まずはSDGsを動画で解説

このあとに続く記事のなかで、SDGsの基本的な情報について解説しています。

続きを読む前に、2本の動画(約6分)でSDGsの基本的な情報を知っておけば、記事の内容を理解する助けになります。普段、SDGsコンサルや研修を行っているSDGs media の玉木がSDGsを解説している動画をぜひご覧ください。

 

SDGs(持続的な開発目標)とは?

SDGs持続可能な開発目標とは?

動画でSDGsの基本的なことをざっくりとつかんだあとは、SDGsの概要や基本知識を以下の6点に分けて、わかりやすく紹介していきます。

  • SDGsの概要
  • SDGsの17目標と169のターゲット
  • SDGsのアイコン
  • 2030アジェンダとは
  • SDGsが目指す持続可能な社会
  • SDGsの前身「MDGs」との関係

SDGsの概要

SDGsとは、「Sustainable Development Goals」の略称であり、日本語で“持続可能な開発目標"という意味になります。“エスディージーエス"ではなく、“エスディージーズ"と読み、それぞれの単語の頭文字と、最後にあるGoalsのsを合わせています。

SDGsは、2016年から2030年の15年間で達成すべき“世界共通の目標"として、20159月に国連で開催された持続可能な開発サミットで国連に加盟している全193カ国によって採択されました。

発展途上国・先進国と国の状況を問わず、地球上のほぼすべての国が採択した国際目標であるため、「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。

SDGs17目標の特徴

SDGs-icons

SDGsには、17項目の目標と、それらの目標を達成するための具体的な169個のターゲットに加え、さらにその下に232個のインジケーター(指標)があります。

世界各国が、SDGsの期限である15年間で全17項目の目標達成に向けて行動していくことで、2030年以降も“持続可能な社会"を実現させ続けることをSDGsは目指しています。

SDGsの17目標リスト
  1. 貧困をなくす
  2. 飢餓をゼロに
  3. すべての人に健康と福祉を
  4. 質の高い教育をみんなに
  5. ジェンダー平等を実現しよう
  6. 安全な水とトイレを世界中に
  7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  8. 働きがいも経済成長も
  9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
  10. 人や国の不平等をなくそう
  11. 住み続けられるまちづくりを
  12. つくる責任つかう責任
  13. 気候変動に具体的な対策を
  14. 海の豊かさを守ろう
  15. 陸の豊かさも守ろう
  16. 平和と公正をすべての人に
  17. パートナーシップで目標を達成しよう

SDGsの17目標は、社会・経済・環境の3分野と、各分野と横断的に関わる枠組みに分けられます。目標の分け方は以下の表にまとめました。

目標1から6「社会」貧困・飢餓・健康福祉・教育。ジェンダー・水・エネルギーなど人間が人間らしく生きていくための社会に関する目標
目標7から12「経済」雇用・格差・経済成長・生活インフラなど、最低限の暮らしの保証からより良い暮らしに関する目標
目標13から15「環境」気候変動問題・海と陸の資源に対して、人間だけでなく動植物が暮らす自然の持続可能性に関する目標
目標16から17「枠組み」SDGsの目標を達成するために3分野すべてに関する暴力の撲滅・ガバナンス強化・投資促進・パートナーシップに関する目標

SDGsのターゲット全169個は、以下のブログ記事にリストを掲載しているのでご確認ください。 

SDGsのアイコンはカラフルでわかりやすい

アイコンについて

SDGsアイコンは、イラストと目標の描かれたカラーアイコンが用いられています。これは、17項目の目標を視覚的にわかりやすく伝達するための工夫です。

各目標に対して、異なるイラストと17色のカラフルな色使いがされていて、見分けやすいですよね。

例えば、1番目の目標である「貧困」のアイコンはこのようにデザインされていて、SDGsを初めて知った人でも、一目で目標の意味合いがイメージできるようになっています。

また、イラストは、どの国の人が見ても同じようなイメージが持てるように、シンプルに描かれています。

SDGsのアイコンは、国際連合広報センターのWebサイトから、誰でもダウンロードできますが、一定の使用ルールがあります。

企業のWebサイトや名刺などにSDGsロゴやアイコンを使用したい方向けに、ダウンロードの方法や使用する際の注意点をこちらの記事にまとめています。

2030アジェンダ

SDGsと合わせて2030アジェンダという言葉もよく目にします。2030アジェンダとは、SDGsが採択された持続可能な開発サミットの成果がまとめられた文書です。正式名称は、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」です。

外務省のWebサイトで公開されている日本語(外務省仮訳)で読める2030アジェンダの目次は以下の5項目です。

  • 前文
  • 宣言
  • 持続可能な開発目標(SDGs)とターゲット
  • 実施手段とグローバル・パートナーシップ
  • フォローアップとレビュー

この目次から、SDGsの17目標と169のターゲットは、2030アジェンダのなかに記載されている内容だとわかります。

つまり、SDGsは持続可能な開発サミットで採択された内容の成果をまとめた文書である2030アジェンダ内に、世界共通の目標として記載されているのです。これでSDGsと2030アジェンダの関係は整理できます。

2030アジェンダの解説記事が読みたい方はこちらのページへ外務省の仮訳である原文が読みたい方はこちら(PDF)をご覧ください。

SDGsが目指す持続可能な開発とは?

ところで、SDGsに掲げられている“持続可能な開発"とは、どのような開発なのでしょうか?

国際連合広報センターによると、「持続可能な開発」が下記のように定義されています。

将来の世代がそのニーズを満たせる能力を損なうことなしに、現在のニーズを満たす開発
(参照:国際連合広報センター)

つまり、現在の人々の生活によって、未来の地球環境や人が暮らす社会・経済を壊すような開発をしてはならないということです。

持続可能な開発を実現するには、地球上に住む全ての人々が協力して取り組む必要があり、目標を達成するためにも、社会的包摂・経済成長・環境保護の3つの核となる要素は欠かせません。

SDGsの取り組みは、“誰一人として取り残さない"ことを掲げていますが、その未来を実現するためにも、持続的に行動していくことがとても大切です。

SDGsが採択された経緯に関係するMDGsとは?

MDGs-icon

画像参照:United Nations Millennium Development GoalsよりSDGs media が作成

SDGsには、前身の目標にあたる「MDGs(Millennium Development Goals)」が存在します。MDGs(エムディージーズ)は、ミレニアム開発目標と呼ばれ、20009月に開催された国連ミレニアム・サミットで採択された目標です。

2000年から2015年までに達成すべき目標として貧困と飢餓など下記の8つの目標と、21のターゲット項目が定められました。

MDGsの8目標リスト
  1. 極度の貧困と飢餓の撲滅
  2. 初等教育の完全普及の達成
  3. ジェンダー平等推進と女性の地位向上
  4. 乳幼児死亡率の削減
  5. 妊産婦の健康の改善
  6. HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延の防止
  7. 環境の持続可能性確保
  8. 開発のためのグローバルなパートナーシップの推進

MDGsによって、貧困問題や教育格差などで一定の成果をあげました。しかし、MDGsの目標は、発展途上国が抱える問題ばかりで、一部の国からは反発もありました。

そのような事情もあり、MDGsの内容を土台として、あらゆる形態の社会問題に終止符を打つために新しく採択された目標がSDGsです。MDGsの存在を知れば、SDGsが世界中の人々を対象に誰一人取り残さないことを誓っている背景がわかります。

MDGsの成果をまとめた動画

SDGs(持続的な開発目標)とは? の理解度チェックテスト

ここまでのSDGs(持続的な開発目標)とは? の内容を理解できたか測れる簡単なテストを用意しました。次の内容へ進む前に、ここまでの内容が理解できているかぜひチェックしてみてください。

この理解度チェックがすべて答えられれば、あなたのSDGsの基礎知識はバッチリです。

理解度チェックテスト:SDGs(持続的な開発目標)とは? 編
  • SDGsは何年から何年のあいだに達成を目指している?
  • SDGsは国際目標であるがゆえ、なにを誓っている?
  • SDGsの目標とターゲットはそれぞれいくつ?
  • SDGsの目標は3つの分野と各分野に関わる枠組みに分類できますが、3分野の内容は?
  • SDGsと2030アジェンダの関係性は?
  • SDGsの前身にあたる目標の名称は?

日本政府によるSDGsへの取り組みを促進する3つの動き

日本でSDGsが取り入れられた流れ

20159月に国連でのSDGs採択を受けて、日本でもSDGsへの取り組みがスタートしていきました。日本政府が、SDGsへの取り組みを促進するために、新設したのがSDGs推進本部です。

設置されたのは20165月で、総理大臣を本部長、官房長官と外務大臣を副本部長とし、全閣僚を構成員になっています。

ここからは、日本政府のSDGsへの取り組みを促進する動きをおさえるために、SDGs推進本部が実施する以下の3点をわかりやすく紹介していきます。

  • SDGs実施指針
  • SDGsアクションプラン
  •  ジャパンSDGsアワード

SDGs実施指針が日本のSDGs活動の方針を示す

SDGs17目標と169のターゲットの内容を一つひとつ見ていくと、日本ではすでに達成できているターゲットが見つかります。

そこで日本政府は、日本が未達成の課題への取り組みと、SDGsの課題解決先進国として世界のSDGsへの取り組みを牽引するために、日本ならではの中長期国家戦略として2016年12月にSDGs実施指針を策定しました。

SDGs実施指針には、日本が取り組むSDGsに対して8つの優先課題が定められています。

SDGs実施指針8つの優先課題
  1. あらゆる人々の活躍の推進
  2. 健康・長寿の達成
  3. 成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
  4. 持続可能で強靱な国土と質の高いインフラの整備
  5. 省・再生可能エネルギー、気候変動対策、循環型社会
  6. 生物多様性、森林、海洋等の環境の保全
  7. 平和と安全・安心社会の実現
  8. SDGs実施推進の体制と手段 

8つの優先課題には、SDGsの原文にあたる2030アジェンダの5つのP(人間・繁栄・地球・平和・パートナーシップ)に対応しながら、日本オリジナルの課題も盛り込まれています。

2030アジェンダと5つのPの詳細は2030アジェンダ解説ページへ

その後、201912月には当初の発表通り、SDGs実施指針の改定が行われ、SDGs実施指針改訂版として公表されました。

SDGs実施指針改訂版では、8つの優先課題の1番と5番にジェンダー平等の実現と防災の内容が追加され、以下のように記載されました。

SDGs実施指針改訂版8つの優先課題
  1. あらゆる人々が活躍する社会・ジェンダー平等の実現
  2. 健康・長寿の達成
  3. 成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
  4. 持続可能で強靱な国土と質の高いインフラの整備
  5. 省・再生可能エネルギー、防災・気候変動対策、循環型社会
  6. 生物多様性、森林、海洋等の環境の保全
  7. 平和と安全・安心社会の実現
  8. SDGs実施推進の体制と手段 

日本政府が掲げた優先課題を解決するために、SDGs実施指針に続いて2017年に初めて策定されたのがSDGsアクションプラン2018です。

SDGsアクションプランにはSDGs達成に向けた具体的な施策が盛り込まれている

SDGs実施指針で設定された優先課題の解決に向けて、具体的な施策としてまとめられたのが、SDGsアクションプランです。最初に発表されたアクションプラン2018を皮切りに、半年ごとに内容の改定が行われ最新版が公表されています。

半年ごとに改定されるアクションプランの内容ですが、以下の3つの方向性には変更がありません。

日本のSDGs 3つの方向性
  1. ビジネスとイノベーション ~SDGsと連動する「Society5.0」の推進~
  2. SDGsを原動力とした地方創生、強靭かつ環境にやさしい魅力的なまちづくり
  3. SDGsの担い手としての次世代・女性のエンパワーメント

企業や自治体などでSDGsに取り組む場合は、8つの優先課題と3つの方向性を大枠としておさえながら、改訂版が発表された際には事業内容に関係のある取り組みに変更がないかどうかを確認するようにしましょう。

SDGsアクションプランの詳細は、以下の記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。

ジャパンSDGsアワードでの表彰で取り組みを推進

SDGsの達成には、政府主導の取り組みだけでなく、企業・団体などにも積極的な取り組みが求められています。

2017年からSDGs推進本部が主催となり、ジャパンSDGsアワードが設立されました。これは、SDGs達成に向けて優れた取り組みを行っている企業や団体を表彰する制度です。

対象となるのは、日本に拠点のある企業や団体で、以下の4つの表彰部門があります。 

ジャパンSDGsアワードの表彰部門
  • SDGs推進本部長(内閣総理大臣)賞
  • SDGs推進副本部長(内閣官房長官)賞
  • SDGs推進副本部長(外務大臣)賞
  • SDGsパートナーシップ賞

20207月時点で、アワードは3度実施され、毎年200件から300件の応募の中から10数団体が表彰を受けています。

大賞にあたるSDGs推進本部長賞を受賞したのは、以下の3団体です。

SDGs推進本部長賞を受賞した団体
  • 第1回(2017年):北海道下川町
  • 第2回(2018年):株式会社日本フードエコロジーセンター
  • 第3回(2019年):魚町商店街振興組合(福岡県北九州市)

ジャパンSDGsアワードの受賞団体の取り組みなどの詳しい情報は外務省のWebサイトをご覧ください。

日本政府によるSDGsへの取り組みを促進する3つの動き の理解度チェックテスト

ここまでの日本政府によるSDGsへの取り組みを促進する3つの動きの内容を理解できたか測れる簡単なテストを用意しました。次の内容へ進む前に、ここまでの内容が理解できているかぜひチェックしてみてください。

この理解度チェックがすべて答えられれば、あなたの日本政府のSDGsへの取り組みを促進する動きの基礎知識はバッチリです。

理解度チェックテスト:日本政府によるSDGsへの取り組みを促進する3つの動き 編
  • 日本政府がSDGsへの取り組みに向けて設置したのは?
  • 政府がSDGsの中長期戦略として策定したものは?
  • 日本が取り組むSDGsに対して掲げられる優先課題は何個ある?
  • 優先課題を解決するための具体的な施策がまとめられた資料の名称は?
  • 政府が優れたSDGsへの取り組みを行なう団体を表彰する制度の名称は?

企業がビジネスを通してSDGsに取り組む意味

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ここまでは、日本政府のSDGsへの動きを見てきましたが、企業とSDGsはどのような関係にあるのでしょうか。

SDGsは誰一人取り残さず持続可能な開発を行っていくことを掲げているため、もちろんそこに企業も含まれます。また、国連事務総長のアントニオ・グテーレス氏は、『SDGsの達成(課題解決)に企業(民間セクター)は欠かせない役割を担っている』と発言しています。
参照元:寄稿「持続可能な開発に向けた歩みは、達成への軌道から外れている」 アントニオ・グテーレス国連事務総長|国際連合広報センター

ここからは、企業がビジネスを通してSDGsに取り組む意味を以下の5点に分けて、わかりやすく紹介していきます。

  • 経団連の新たな企業行動憲章とSDGs
  • 企業がSDGsに取り組むメリット
  • CSRとSDGsの違いとは
  • 企業とESG投資・SDGsの関係
  • 企業のSDGsへの取り組み事例

経団連の新たな企業行動憲章にSDGsの趣旨が含まれた

2017年11月に、一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)の定める企業行動憲章が約7年ぶりに改定されました。

企業行動憲章とは、約1,400社の経団連会員企業が遵守・実践すべき事項が記載されたもので、1991年に制定されて以降、企業の社会的責任への取り組みの基礎とされてきました。

今回の改定によって、企業行動憲章のサブタイトルが社会の信頼と共感を得るためにから、持続可能な社会の実現のためにへ変更された他、SDGsの目標達成が全面に出された内容になりました。

その他、SDGsに関係がある部分を、経団連のWebサイト内『企業行動憲章の主な改定ポイントと関連するSDGsの目標の例(PDF)』から抜粋します。

  • イノベーションを発揮して、持続可能な経済成長と社会的課題の解決を図ることを新たに追加(第1条)
     ※関係するSDGs目標:SDGs9「産業と技術革新の基盤をつくろう」
  • 人権の尊重を新たに追加(第4条)
     ※関係するSDGs目標:SDGs10「人や国の不平等をなくそう」
  • 働き方の改革の実現に向けて表現を追加(第6条)
     ※関係するSDGs目標:SDGs8「働きがいも経済成長も」
  • 多様化・複雑化する脅威に対する危機管理に対応(第9条)
     ※関係するSDGs目標:SDGs16「平和と公正をすべての人に」
  • 自社・グループ企業に加え、サプライチェーンにも行動変革を促す(第10条)
     ※関係するSDGs目標:SDGs17「パートナーシップで目標を達成しよう」

経団連では以前より、政府が掲げる成長戦略のSociety 5.0の実現を目指しており、その活動はSDGsの目標達成にも大きく貢献すると位置づけられています。

この企業行動憲章の改定により、2018年度ごろから急速に企業でのSDGsへの取り組みが注目され始めたのです。

企業がSDGsに取り組む4つのメリット

企業がSDGsに取り組むメリットは、主に4つあります。

まず挙げられるのが企業イメージの向上です。

SDGsの意味や重要さが、人々のなかに浸透していけばSDGsに取り組む企業へのイメージが良くなります。企業の好イメージは、商品の購買やサービス利用にもつながるため売上増加が見込めます。

また、企業イメージの良さは、採用活動でも求職者が集まりやすいなどの良い影響を与えます。

これから新卒就活を行なう世代は、2020年度から実施される学習指導要領にSDGs関連(持続可能な社会の実現)の項目が含まれていることで、小学生からSDGsを通して社会課題について学んでいきます。中長期的に人事採用戦略を考えるなら、SDGsへ取り組まないことがデメリットになる日もそう遠くないでしょう。

その他のメリットは、社会課題への貢献・生存戦略になる・事業機会の創出です。それぞれの詳細は、以下の企業の取り組みのページで詳しく解説しています。ぜひ社内での情報共有やSDGs関連事業を考える際にご活用ください。

SDGsに対する企業の取り組み紹介のページ(リンク先ページに飛びます)

CSRとSDGsの違い

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SDGs以前から、持続可能な開発に近い取り組みは、さまざまな企業で行われておりました。それが、CSR(シーエスアール 企業の社会的責任)活動です。

CSR活動は、企業が自社の活動に利益だけを求めるのではなく、事業活動が社会へ与える影響についても説明責任を持つ企業活動です。

CSRという言葉は聞いたことがあったり、自社でCSRに携わっていたりする方もいるのではないでしょうか。しかし、さまざまな企業がCSR に取り組んでいますが、なかには本業とはかけ離れたCSR活動も多いのが現実です。

例えば、慈善事業のような位置づけで文化支援として地域社会向けのイベント実施や文化財の保護、または環境保全活動として植林活動を行なうなどが、よくあるCSR事例です。

このような活動は社会や環境にとって良い活動ではあるものの、企業の本業とは関係のない活動であることが多く、企業の財政状況が好調でなければ行えないケースが多くあります。

SDGsでは、企業が得意なビジネス領域やイノベーションを用いて、社会課題を解決することに期待しています。つまり、社会課題の解決と自社の強みや事業内容を結びつけやすい点がCSRと異なる点です。

また、社会課題をビジネスで解決することを目指せば、新規市場の開拓や事業機会の創出につながっていく可能性もあります。

SDGsは世界共通の目標なので、目標達成に向けた活動であればステークホルダーからの信頼を得ることができ、企業価値の向上や、持続的な成長を実現することも考えられます。

企業とESG投資の関係

企業の規模を問わず企業経営には、銀行や投資家からの資金調達が欠かせません。お金を投資する(貸す)側は、投資元本が回収できるか、投資によるリターン得られるかなど、投資先として問題のない企業かどうかあらゆる角度から調査をします。

近年、この投資の判断基準の1つになっているのがESG(イーエスジー)の視点です。SDGsと同じ文脈で出てくることも多いESGとは、どのようなものなのでしょうか?

ESGとは、Environment(環境)・Social(社会)・Governance(企業統治)の頭文字を取った略語です。

企業の持続的な成長に、ESGへの配慮が欠かせないと世界で注目されています。ESGに配慮している企業に対して投資をすることをESG投資と呼びます。

従来の投資では、投資家は得られるリターンを重視する傾向が強かったものの、ESG投資では投資先の企業が社会に対してどの程度良いインパクトを与えるのかを重視しています。

短期的な利益を目指して、環境・社会・企業統治に対して悪影響を与えながらビジネスを行なう企業は、「持続可能なビジネスをしておらず投資をしてもリターンが得られない」と考える投資家が増えてきています。

長期的な視点を持ちビジネスを行わなければ、近い将来には投資を受けられず自社の運転資金が足りなくなる日が来るかもしれません。

SDGsへの理解を深めることと合わせて、投資家が持つESGの視点から企業経営に活かせるエッセンスを活用することは、企業の中長期戦略を考える上で欠かせない視点になっていくでしょう。ESG投資の詳しい情報は、以下のページで紹介しています。

▶︎ESG投資を詳しく知りたい方はこちら(リンク先ページに飛びます)

SDGsの本質理解がSDGsビジネスのスタート

2030SDGs

企業や部署をあげてSDGsに取り組む際に、社員一人ひとりのSDGsへの十分な理解は欠かせません。SDGsへの理解が浅い段階で、安易に活動・発信を行なうとステークホルダーから、実態のないSDGs活動としてSDGsウォッシュだとみなされ不利益をこうむってしまう恐れがあるからです。

社長や役員などの経営層のトップダウンと、CSRなどの事業部やプロジェクトチームなどによるボトムアップ、どちらがSDGs活動の旗振り役なのかを問わず、まずはSDGsの本質を理解して自社に合った取り組みを考えましょう

担当者がSDGsの本質を理解して、SDGsを社内浸透させる方法の1つが、2030SDGsやSDGsアウトサイドインのカードゲームや座学・ワークショップ形式SDGs研修SDGsセミナーの実施・参加です。

以下の、SDGs研修ページでは目的に合った研修を紹介しているので、SDGsを学び、企画を考える場を探している方はぜひご覧ください。

SDGs研修のページはこちら(リンク先ページに飛びます)

企業のSDGsへの取り組み事例

自社でSDGsの取り組みを準備する段階で、大手企業や同業他社の取り組み事例を参考にするSDGs担当者は多いです。

年々、企業のWebサイト上や統合報告書内やSDGs報告書の形で、SDGsへの取り組みを公表する企業が増えています。

SDGs media では、企業のSDGs事例をまとめた記事として、以下のような企業の取り組みを紹介しています。

  • リクルートホールディングス
  • 株式会社TBM
  • コマニー株式会社
  • 株式会社滋賀銀行
  • 春日製紙工業

企業のSDGs事例記事は、以下の企業の取り組みのページ内の最下部にリンクをまとめているのでご覧ください。

SDGsに対する企業の取り組みページはこちら(リンク先ページに飛びます)

企業がビジネスを通してSDGsに取り組む意味 の理解度チェックテスト

ここまでの企業がビジネスを通してSDGsに取り組む意味の内容を理解できたか測れる簡単なテストを用意しました。次の内容へ進む前に、ここまでの内容が理解できているかぜひチェックしてみてください。

この理解度チェックがすべて答えられれば、あなたの企業がビジネスを通してSDGsに取り組む意味の基礎知識はバッチリです。

理解度チェックテスト:企業がビジネスを通してSDGsに取り組む意味 編
  • 日本企業がSDGsへ強く関心を持つきっかけになった出来事とは?
  • 企業がSDGsに取り組む4つのメリットは?
  • CSRとSDGsの最大の違いは?
  • ESGとは何の頭文字を取った略語?
  • 企業や部署単位でSDGsに取り組む際に必要なことは?
  • 実態のないSDGs活動を何と呼ぶ?
  • SDGsの本質理解や社内浸透の手段は?

地方自治体とSDGsの関係

SDGsと地方創生の関係

地方自治体(都道府県や市区町村)の役所が行なう公的な仕事は、そもそも社会課題に対して行われる性質が強いです。前述した日本が取り組むSDGsに関する8つの優先課題にも地方自治体の活躍が期待されている分野がたくさんあります。

ここからは、地方自治体とSDGsの関係を以下の3点に分けて、わかりやすく紹介していきます。

  • 地方創生への取り組み「まち・ひと・しごと創生」
  • SDGs未来都市と自治体SDGsモデル
  • 自治体による企業のSDGs活動支援

地方創生へ向けた取り組み

地方創生へ向けた取り組みとして、「まち・ひと・しごと創生」という構想が政府によって掲げられています。

2014年に閣議決定され、2015年から2019年の5年間の総合戦略と、2060年を視野に入れた中長期展望にあたる長期ビジョンが策定されました。

その後、2019年(令和元年)に第2期総合戦略と長期ビジョン(令和元年改訂版)が閣議決定されました。

2019年(令和元年)版のまち・ひと・しごと創生には、以下の目指すべき将来・4つの基本目標・2つの横断的な目標が定められています。

目指すべき将来
  • 将来にわたって「活力ある地域社会」の実現
  • 「東京圏への一極集中」の是正
4つの基本目標
  • 稼ぐ地域をつくるとともに、安心して働けるようにする
  • 地方とのつながりを築き、地方への新しいひとの流れをつくる
  • 結婚・出産・子育ての希望をかなえる
  • ひとが集う、安心して暮らすことができる魅力的な地域をつくる
2つの横断的な目標
  • 新しい時代の流れを力にする
  • 多様な人材の活躍を推進する

参照:まち・ひと・しごと創生|内閣官房・内閣府 総合サイト

SDGsは、第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略の横断的な目標の「新しい時代の流れを力にする」内で地方創生を推進する原動力と位置づけられています。

地方創生には、持続可能性が含まれているため、SDGsの理念に沿って施策を行なうことで、政府全体の全体最適化や地域課題の早期解決につながる相乗効果が期待されています。

また、SDGsの17目標と169のターゲットは世界共通なので、地方自治体が幅広いステークホルダーと協動する際の共通言語になります。

これによって、目標や課題への理解が深まり、関係者の連携促進などが見込めて、地方自治体が抱える課題の一層の解決が期待できるのです。

SDGs未来都市構想と自治体SDGsモデル

日本政府は、今後日本が直面すると考えられる環境の悪化や少子高齢化などの課題に対応するための促進案として、SDGs未来都市を定めました。

SDGs未来都市は、SDGs達成に向けた優れた取り組みを提案した都市を選定するもので、2018年度に29件、2019年度に31件の自治体が選ばれました。

加えて、SDGs未来都市の中でも、先導的な取り組みを実施している自治体SDGsモデル事業を選定することで、先程お伝えした「まち・ひと・しごと創生」構想と相まって地方自治体によるSDGsの取り組みを促進しています。

多くの地方自治体では、少子高齢化や労働人口の減少に伴ってさまざまな問題に直面しています。そこで地方自治体が、主体的にSDGsを活用し、企業・NPO・教育機関・住民などさまざまなステークホルダーと連携して地域課題の解決を目指すことは、地方創生の推進にとっても有効です。

SDGs未来都市や自治体SDGsモデル事業の詳細は、以下の記事で詳しく紹介しています。気になる方は参考にしてください。

自治体の企業に対するSDGs活動の支援

ここまでの流れを踏まえて、各自治体がそれぞれの地域でSDGs活動をする企業を支援する動きが出てきています。

これからSDGsへの取り組みを検討している企業や個人向けの説明会・セミナーの開催や、コンソーシアムを設けて相談会やマッチングイベントで横のつながりを支援するなどです。

そのなかで、2020年7月現在、一歩踏み込んでSDGsへの取り組みをすでに行っている企業に対する支援を行っているのが、神奈川県・長野県・沖縄県です。各県の支援制度はそれぞれ内容が異なりますが主な特徴は、以下の3点です。

  • 特別な融資や補助金が受けられる
  • 県による広報・PR支援
  • 支援制度利用企業のみの会合への参加

神奈川県・長野県・沖縄県でのSDGs活動を行なう企業への支援内容は、以下の記事で詳しくまとめています。

地方自治体とSDGsの関係 の理解度チェックテスト

ここまでの地方自治体とSDGsの関係の内容を理解できたか測れる簡単なテストを用意しました。次の内容へ進む前に、ここまでの内容が理解できているかぜひチェックしてみてください。

この理解度チェックがすべて答えられれば、あなたの地方自治体とSDGsの関係の基礎知識はバッチリです。

理解度チェックテスト:地方自治体とSDGsの関係 編
  • 地方創生に向けて政府が掲げている構想は?
  • SDGsへの優れた取り組みを提案した自治体を選定する制度は?
  • 特に先導的な取り組みをする自治体を選定する制度は?
  • 一部の自治体で行われているSDGsに取り組んでいる企業に対する支援内容は?

個人でSDGsに取り組む方法

ここまで、国・企業・地方自治体とSDGsの関係について紹介してきました。組織としてではなく、私たち一人ひとりがSDGs達成に向けてできることを紹介していきます。

「誰一人取り残さない」ことを理念にしているSDGsの達成には、1国・1企業だけの限られた活動ではなく個人単位で多くの人が活動を継続することが大切です。そのため、一人ひとりがSDGsを理解を深めて、できる行動を続けましょう。

個人でできるSDGsの取り組み例
  • マイボトル・エコバッグを持ち歩く
  • 環境に配慮した認証マーク入りの商品を買う
  • 地産地消を心がける
  • フェアトレード商品を買う
  • ネット・本・イベントなどでSDGsを学ぶ
  • 周りの人とSDGsについて話してみる
  • SDGsについてSNSやブログで発信する
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個人でもSDGsの目標達成に貢献できる情報を以下の記事で紹介しています。興味のある内容からぜひ読んでみてください。

個人でSDGsに取り組む方法 の理解度チェックテスト

ここまでの個人でSDGsに取り組む方法の内容を理解できたか測れる簡単なテストを用意しました。次の内容へ進む前に、ここまでの内容が理解できているかぜひチェックしてみてください。

この理解度チェックがすべて答えられれば、あなたの個人でSDGsに取り組む方法の基礎知識はバッチリです。

理解度チェックテスト:個人でSDGsに取り組む方法 編
  • あなた個人で取り組めるSDGsへの行動はどんなものがありますか?
  • 商品パッケージから認証マークを見つけられますか?

日本のSDGs達成度と進捗度

最後に、これまでの日本でのSDGs目標の達成度と進捗度をご紹介します。

SDGsに関する日本政府の動きと企業の取り組み内で、2016年以降、SDGs推進本部によってSDGs実施指針やSDGsアクションプランが公表され、その後、2017年には経団連の企業行動憲章の改定により、国内でのSDGsへの取り組みが活発化していったことを見てきました。

これまでの日本の取り組みは世界から見るとどのような位置にあるのでしょうか?

世界のSDGs達成度ランキングで、日本の順位は以下を推移しています。

2016年から2020年期間での日本の平均順位は15.2位です。

以下に17の目標ごとの日本の達成度・進捗度を示す図表を紹介します。

目標につけられている色は評価を達成度を表し、緑は目標達成、黄は課題が残っている、オレンジは重要な課題が残っている、赤は主要な課題が残っている、を意味します。

2017年の日本のSDGs17目標別の達成度・進捗度
2018年の日本のSDGs17目標別の達成度・進捗度
2019年の日本のSDGs17目標別の達成度・進捗度
2020年の日本のSDGs17目標別の達成度・進捗度

4年間の変化に注目すると、継続的に緑を維持しているのが、目標4:質の高い教育をみんなにの1つです。

一方で、継続的に赤色のままなのが、目標5:ジェンダー平等を実現しよう、目標13:気候変動に具体的な対策を、目標17:パートナーシップで目標を達成しようの3つです。

このように日本全体の達成度・進捗度を見ると、まだまだ課題があるため継続的なSDGsへの取り組みの拡大が求められます。

日本のSDGs進捗度と達成度の詳しい情報を知りたい方は、以下の記事で紹介しているのでご覧ください。

日本のSDGs達成度と進捗度 の理解度チェックテスト

ここまでの日本のSDGs達成度と進捗度の内容を理解できたか測れる簡単なテストを用意しました。次の内容へ進む前に、ここまでの内容が理解できているかぜひチェックしてみてください。

この理解度チェックがすべて答えられれば、あなたの日本のSDGs達成度と進捗度の基礎知識はバッチリです。

理解度チェックテスト:日本のSDGs達成度と進捗度 編
  • 世界のSDGs達成度ランキングで日本は2020年に何位でしたか?
  • 日本が継続的に高い評価を維持している目標はどれ?
  • 日本が継続的に低い評価にとどまっている目標はどれ?

まとめ

まとめ

今回は、記事では以下の6点を詳しく紹介してきました。

  • SDGs(持続的な開発目標)とは?
  • 日本政府によるSDGsへの取り組みを促進する3つの動き
  • 企業がビジネスを通してSDGsに取り組む意味
  • 地方自治体とSDGsの関係
  • 個人でSDGsに取り組む方法
  • 日本のSDGs進捗度と達成度

各項目を読んで理解度チェックテストに挑戦してもらえれば、SDGsの概要と日本でのSDGsの動きについて、基本的なことが理解してもらえたでしょう。一度で理解できずとも繰り返し読んだり、同僚や家族・友人などとSDGsに話すことで理解は深まっていきます。

SDGsへの理解として、まずSDGsの目標になっている社会・経済・環境に関する課題は、決して他人事ではないことをわかってもらえると、SDGsの情報を発信するメディアとして嬉しいです。

SDGsの取り組みといっても、さまざまなアプローチ方法があり、国や地方自治体、企業などの団体の取り組みだけではなく、私たち地球上に住む人間一人ひとりに貢献できることはたくさんあります。

企業にとってもSDGsへの取り組みは自社のメリットになることが多いとおわかり頂けたでしょう。また、新しくビジネスや社会貢献活動を始めてみたいという個人にとっても、SDGsは関心を持てる分野が探しやすいため取り掛かるハードルの低い枠組みになります。

大切なことなので何度も書きますが、SDGsへの取り組みは決して他人事ではありません。17項目の目標達成に向けて、世界中の人々が一丸となって活動をしなければ解決できない課題でもるため、一人ひとりがSDGsに挙げられた社会問題に対して当事者意識を持つことが大切です。

もし、この記事を読んでSDGs に興味を持たれた方は、2030年の遠くない未来へ向けて、今日から少しでもSDGsへの意識を日常や活動の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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