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SDGs推進には自社らしい目標設定が重要|必要な考え方を紹介

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SDGsに関する研修やコンサルティング、セミナーを行うなかで、企業の経営者やSDGs担当者の方から「SDGs推進には興味があるが、どこまで取り組めばやっていることになるの?」と何度も質問されてきました。

この質問は言い換えると「どんな目標を達成すればSDGs推進をしていると自信を持って言えるのか?」ということが気になる方が多いのだと思います。しかし、SDGs推進においてどんな企業にも共通する目標はなく、各社がそれぞれの状況に合わせて自ら目標を設定して達成していく必要があるのです。

今回の記事では、企業がSDGs推進の目標を設定する際に役立つ考え方や、当社が目標設定を支援するコンサルティングでお伝えしているポイントを紹介します。

簡単ではありませんがSDGs推進の目標設定は専門家に頼らずに実施できるので、ぜひ記事の内容を参考にしてみてください。

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全企業に共通するSDGsの取り組み目標はありません

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SDGsは、世界全体で達成を目指す壮大な目標です。そのため、企業の取り組みのゴールとしてそのまま設定すると目標が大きくなりすぎる問題があります。

本格的なSDGs推進を開始するためには、自社の取り組み目標が不可欠です。その際に、同じ業界の大手企業や競合他社が公表している目標は参考になります。ただし、その目標をそのまま真似するべきではありません。なぜなら、企業ごとでSDGsに取り組む動機や取り組むことで達成したいゴールが異なるはずだからです。

この理由を理解するために、自社が起業されたときに戻って考えてみましょう。

ほとんどの企業は、SDGs達成のために立ち上げられたのではありません。企業は自らの経営理念やビジョンに設定したことを達成するために、創業されています。その目的とSDGsが目指す世界観に重なりがあるため、多くの企業はSDGsに共感・賛同して推進活動を行っているという前提が、企業のSDGs推進にはあります。

この前提を踏まえると、他社の目標を真似しても自社の経営理念やビジョンと合わないため、SDGsの取り組み目標自体や推進の過程のどこかに無理が出てしまうでしょう。

とはいえ、同じ業界の企業であれば取り組むべき重要課題(マテリアリティ)の分野(例:気候変動・人権尊重)は、似ています。しかし、その重要課題(マテリアリティ)へのコミット度合いは企業の経営理念やビジョンによって異なります。

こういった意味で、全企業に共通するSDGsの取り組み目標は存在しないのです。だから、企業のSDGs推進を研修やコンサルティングで支援する株式会社Dropでは、自社らしいSDGs推進の目標設定をオススメしています。

ここで、課題・優先課題・重要課題の用語がまぎらわしいため以下の表で整理します。この違いを踏まえてこのあとを読み進めてください。ここでは、自社が取り組むことを決めた課題が重要課題であり、重要課題に対して目標設定を行うと理解しておきましょう。

課題自社のバリューチェーン分析で出てきたリスクと機会の項目
優先課題出てきた課題をリスクと機会それぞれの2軸の図に配置した際に、右上のエリアに属する課題
重要課題優先課題を2軸の図に配置した結果、自社で取り組むことに決めた課題

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自社らしいSDGs推進の目標を決めよう

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自社らしいSDGsの取り組み目標を立てようと思っても、目標設定に慣れていない人にとっては難しいことです。ここでは目標を立てる際に参考になる考え方・知識をお伝えします。

自社だから貢献できる優先課題の中から重要課題を決める

SDGsは17種類の目標のなかに169個のターゲットがあり、それぞれに解決すべき世界の課題が設定されています。169個のターゲット内容を実際に読んでもらえればわかりますが、課題は非常に多岐にわたっています。

そのため、SDGsの全目標に含まれるさまざまな課題のすべてや、そこから絞り込んだ自社に関係する優先課題のすべてに貢献することは不可能です。そこで大切なのは、自社だから貢献できる重要課題を決めることです。この優先的に取り組む重要課題は、マテリアリティとも呼ばれています。

自社らしいSDGsの取り組み目標を立てるには、自社の重要課題を決めることが不可欠です。

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課題に対して数値を用いた成果と行動の目標を決める

次に成果目標行動目標について詳しく見ていきましょう。ここで言う両目標には、以下の3要素が内包されているため、それぞれを決めるようにしましょう。

  • 目標の指標
  • 目標数値
  • 目標の達成期限
  • ほとんどのSDGs担当者にとって、SDGs推進の目標を決めることが初めてなので不安も多いでしょう。その際に頼りになるのが、当社(株式会社Drop)のようなSDGsコンサルティング企業の存在です。しかし、SDGs推進の目標としてこれらを決める際に、適切な社内議論ができていれば必ずしも専門家に頼る必要はありません。

例えば、目標に用いる指標には、環境や社会の分野があります。特徴として環境関連の指標は、温室効果ガス(CO₂)排出量や廃棄物量など、どの企業でも共通の指標を採用できます。

一方で社会関連の指標は、同じテーマでも目指す状態が異なるため、指標も異なってくるケースが多いです。女性活躍推進は、社会関連のテーマとして扱われることが多いですが、企業によって女性活躍の結果として得られる状態が、女性リーダーの活躍や産休・育休から復職した女性社員の活躍など異なります。目指す状態が異なれば、そのための指標が異なるため、企業によって正しい目標がそれぞれあるわけです。

このように専門家に頼らずとも、適切な情報収集や社内議論を経れば自社のSDGs推進の目標を設定することは可能です。

成果目標と行動目標の違い

目標を決める際には、成果目標と行動目標を混同しないようにしましょう。

自社が優先的に取り組む課題である重要課題(マテリアリティ)ごとに、将来のあるべき姿を描き、その達成を測る指標として成果目標が決まります。行動目標は、成果目標を達成するために必要なことを、実行の担当者(部署)が考えて設定しましょう。行動目標を考えるには、成果目標の分解が必要です。

例えば、女性管理職比率を30%に向上させることが成果目標になっていれば、制度設計・社内教育・意識向上などが達成に必要な要素だと考えられます。その要素をさらに業務として実行できるレベルまで分解していけば、行動目標の設定と行動目標達成に必要な具体的なアクションが明らかになります。

企業によっては成果目標と行動目標を混同しているケースがあるため、このような違いに気をつけて設定するようにしましょう。

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取り組み目標の設定で参考になる情報

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次に、自社のSDGs取り組み目標として成果と行動の目標を考える・議論する際に、参考になる情報を紹介します。

取引先や競合企業のESG目標

ESGを、SDGsやサステナビリティの文脈で見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか。

ESG(イーエスジー)とは、Environment(環境)・Social(社会)・Governance(企業統治)の頭文字をとった略語で、この3分野への取り組みや配慮が不十分な企業には、長期的な成長が望みにくいとされています。

企業のESGを評価する複数の機関が存在します。それらの機関が定める基準をもとに各社が似たようなESG目標・指標を設けているので、それが目標を設定する際の参考になります。特に取引先や競合他社など自社に関係する企業の情報を、Webサイトや発刊されているレポートなどで確認しましょう。

自社のミッション・ビジョン・パーパス

冒頭の説明と重なる部分もありますが、自社でSDGsの取り組み目標を考える上で重要なのでこちらでも解説します。

自社らしい取り組み目標を設定する上で、自社のミッション・ビジョン・パーパスなどで定義された自社の存在理由や事業によって目指す未来を、目標の土台にしましょう。

例えば、カーボンニュートラルの達成を成果目標に据える場合、その達成期限を決めるケースを考えてみます。期限が2030年なのか2050年なのかによって、目標への意欲度や必要なアクションが異なります。この議論をする際に参考になるのが自社のミッション・ビジョン・パーパスです。

目標設定を担当する委員会の中で、自社のミッション・ビジョン・パーパスが共通言語や目標設定の前提になることで、議論が深まりやすくより納得感のある目標設定につながります。

各種イニシアチブ

目標数値を決める際には、各種イニシアチブが公表している情報も参考になります。

例えば、指標として採用する再エネ比率の目標数値を決める場合を考えてみましょう。RE100というイニシアチブでは、遅くとも2050年までに100%再エネ化を達成することが要件に設定されています。

このような自社が設けた指標と同じものを扱うイニシアチブを始めとした外部の動向を調べることで、自社の目標設定の参考情報にできます。

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まずは半年から1年後の目標を立てるケースもある

ここまで自社のSDGs推進の目標は自ら設定する必要があることを解説してきましたが、いきなり中長期的な成果目標を立てることがさまざまな理由で難しいこともあるでしょう。

そのようなケースでは、まず半年から1年後の目標を立てることをオススメしています。この期間を使って、2030年や2050年といった未来の目標を立てる際に障壁となっているものを取り除きましょう。

例えば、重要課題(マテリアリティ)を決めるには自社の現在地を知る必要があるため、現状の取り組みや事業とSDGsとの関係を整理したり、従業員向けのアンケート調査でジェンダーギャップや働き方を明らかにしたり、長期的な目標を考えるための現状把握をする期間にする手もあります。

この期間で、自社の状態を明らかにできれば、その後の長期目標が検討しやすくなります。

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まとめ

繰り返しになりますが、本格的な企業のSDGs推進に目標設定は欠かせません。その目標は成果目標と行動目標に分けられ、それぞれを決めるには自社が優先的に取り組む課題である重要課題が必要です。

これらを進めるには、自社事業とSDGsの関係性を整理したり、他社の目標を参考にしたりと、時間をかけることで専門家を頼らずとも自社だけで実施できます。その過程で今回の記事で紹介した内容が参考になれば幸いです。また、以下の記事でも重要課題を決める過程を解説していますので、合わせてご覧ください。

もし短期間で自社のSDGs推進目標を立てたい場合は、当社のような専門家の出番です。相談やサポートを希望されるならば、以下のサービスページ経由でお問い合わせください。

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