SDGコンパス超解説|ステップ1では何を理解すべきか?

こちら記事では、企業のSDGs/サステナビリティ推進に欠かせないSDGコンパスのステップ1「SDGsを理解する」ですべきことをまとめています。紹介している内容は、SDGs media を運営する株式会社Dropが企業向けの研修・コンサルティングのなかでお伝えしているものをもとにしています。
そのため、最後まで読んでもらえれば企業がSDGsに取り組む方法や、推進でつまづきやすいポイントなど、実践的な情報を知ることができます。
企業がSDGsへの取り組みを始める際に思い当たることが情報収集です。SDGsの意味や企業の取り組み事例などをネットやセミナー・本などで調べていきますが、情報が多いためどこまで知ればいいのかわからなくなるケースもあります。
当社は、ステップ1「SDGsを理解する」で理解すべきことは、次の5つだと考えています。
推進担当者がステップ1で理解すべき5つのこと
- SDGsの概要
- SDGsとビジネスの関係性
- SDGs推進の方法(SDGコンパスの全体像)
- 理想的なSDGs推進体制
- 担当者が目指す推進のゴール
この記事を最後まで読んでもらえればこの5つを理解するヒントが得られます。SDGs推進を行う際はぜひ参考にしてください。
他のステップを解説した記事はこちら
目次
推進担当者にはステップ1が不可欠
まずはステップ1「SDGsを理解する」で、社内の誰が何を理解すればいいのか明らかにしましょう。
SDGs media では、SDGs/サステナビリティ方針策定に関わる担当者と、その他の社員に分けて考えています。ここで言う担当者は、SDGs推進委員会のメンバーや経営企画部・サステナビリティ推進室の社員・経営層など、企業によって所属・肩書は異なります。
この記事では、そのようなSDGs/サステナビリティ方針策定に関わる担当者を推進担当者と呼びます。
ステップ1でSDGsを理解することが必要な対象者は推進担当者のみです。その他の社員がSDGsを理解するのはステップ4「経営へ統合する」の段階です。
次に、推進担当者がステップ1で理解すべきことを見ていきましょう。
ステップ1で推進担当者が理解すべき5つのこと
ステップ1で推進担当者は、次に挙げる5つの情報を理解することで、自社のSDGs推進を継続的に行える確率を高めるようにしましょう。
これらの情報が十分に理解できないままSDGs推進を行うと、推進で目指すことやその方法がわからなくなり、推進が途中で止まることになりかねません。
推進担当者がこの段階で理解すべき5つのこと
SDGsの概要
SDGsとビジネスの関係性
SDGs推進の方法(SDGコンパスの全体像)
理想的なSDGs推進体制
担当者が目指す推進のゴール
1. SDGsの概要
そもそもSDGs(持続可能な開発目標)は、どんな経緯で成立して何を達成しようとしているのかなど、基本的な知識を得ましょう。これによってSDGsそのものの輪郭がつかめるようになります。
SDGs mediaで読むことができる、SDGsの基本をまとめたページの前半部分や、SDGsの17目標を達成するためにやらないといけないことである169のターゲットの一覧などが、概要を学ぶうえで参考になります。
2. SDGsとビジネスの関係性
帝国データバンクが2023年に公表した調査結果によると、SDGsに積極的な企業は、大企業では71.6%、中小企業では同調査が始まってから初めての50%超え(50.4%)となりました。
年々、企業のSDGsへの理解と取り組みが広まっていますが、他社の取り組みを表面的に取り入れるのではなく、SDGsとビジネスの関係・自社とSDGsの繋がりを理解したうえで推進を開始するようにしましょう。
そのためには、SDGsとビジネスの関係性を理解しなければなりません。企業にSDGsへの取り組みが求められる理由・取り組むメリット・表面的な取り組みと本質的な取り組みの違いなどを学びましょう。
SDGs media では以下のページでそれらの情報が読めます。
また、過去にSDGs media が実施したセミナー動画では、以下のような内容を解説しているため、1. SDGsの概要と合わせてSDGsとビジネスの関係性への理解が深められます。
この動画は無料で提供していますので、以下の申し込みページからお求めください。
3. SDGs推進の方法(SDGコンパスの全体像)
推進担当者として自社のSDGs推進をリードしていくためには、SDGs推進の方法を知っておかなければなりません。SDGs推進の方法は、SDGコンパスの5つのステップを基本に据えておきましょう。
ただし、SDGコンパスをイチから読むのは難しいという声をよく聞きます。そのような声に応えるために、このSDGコンパス超解説シリーズの記事を制作しましたので、詳しくは各ステップを解説している以下の記事を読んで推進方法と全体像の理解にお役立てください。
SDGコンパス超解説記事の一覧
4. 理想的なSDGs推進体制
SDGコンパスのステップ2以降の取り組みは、自社の事業を多角的に分析する必要があるため推進担当者1人だけで行うことは困難です。そのため、各部署で十分な経験を持つ役職者(例:部長・課長)や、長期戦略を決める役割を持つ経営層などを集めて推進体制を作るようにしましょう。
さらに、各部署の中間管理職や若手社員も委員会メンバーとして迎えることをオススメします。
SDGs方針・目標を決めるための議論をする場で、これらの社員が推進担当者からは出せない意見やアイデアをもたらすケースがあり、それによって議論を深められるからです。特に自社の将来やSDGsに関心があり、能動的に参加を希望する人を選ぶようにしましょう。
また、年齢や社歴だけではなく性別・国籍などさまざまな立場にある人をバランスよくメンバーに迎えることができれば、多様な視点からSDGs方針・目標の策定がしやすくなります。
5. 担当者が目指す推進のゴール
企業がSDGsを推進するゴールには、SDGs達成への貢献によって社会課題を解決すること、自社の持続可能性を高めること、ステークホルダーとの関係を強化することなどがあります。
一方で、推進担当者がその業務で目指すゴールは、以下4点を達成することだとSDGs media では考えています。
- SDGs方針・目標の策定(SDGコンパスのステップ3)
- 情報の開示(SDGコンパスのステップ5)
- 社内浸透の実現(SDGコンパスのステップ4)
- 社員の行動変容を促進(SDGコンパスのステップ4)
推進担当者が行う一連の業務では、これらのゴールを達成するために必要なことを取捨選択して実行することが大切です。実行をオススメする施策は、各ステップの超解説記事をご覧ください。
SDGコンパス超解説記事の一覧
ステップ1の理解を深めるメリット
ステップ1で前述した5つの理解すべきことを推進担当者が身につけることで、SDGs推進を止めることなく継続的に実施しやすくなるメリットが見込めます。
SDGコンパスのステップのなかで1から3の取り組みは、全社的な推進に向けた準備に当たるため、日々の事業活動のような直接的な利益を生むわけではありません。推進担当者は元々の仕事と並行してSDGs推進を兼務するケースが多いため、自社の業績が悪くなったり繁忙期になったりするとSDGs推進が後回しや中止されることもあります。
そのような事態になれば、それまで実施してきたSDGs推進の時間・労力・お金が無駄になってしまいます。
そのため、SDGs推進の最初の段階で、推進担当者がここまで見てきた内容を理解する必要があります。なぜならこの状態を作れていれば、社内に対してSDGs推進をする意義や理由を的確に説明することができ、その結果、推進が止まってしまうリスクを下げられるからです。
この時期に社長の承認を得れば推進がスムーズになる
企業でSDGs推進が始まるきっかけは、経営層による決定や、社員からの提案などさまざまです。SDGs media を運営する株式会社Dropが支援をした株式会社b-exの推進事例から、ステップ1の段階で社長から推進の承認を得ることが活動のスムーズさにつながることがわかりました。
同社ではのちに推進リーダーになった社員の方がSDGs推進の情報収集を進めるなかで、社長とSDGsについて意見交換する機会があったそうです。その際、社長からESG経営の重要性について話題が出たため、その社員の方は自社での取り組みを開始するために社長・会長・役員への説明と提案の準備を始めていきました。
SDGs推進など新しい取り組みを始める際は、会社のトップが理解を示すかどうかで推進スピードが変わってくることを理解しておきましょう。
【無料資料】SDGs/サステナの社内浸透に役立つ資料&ツールをプレゼント
全社でSDGs/サステナビリティに取り組むには、社内浸透が欠かせません。この社内浸透は担当者が苦労する業務の1つでもあります。
そこで、企業内でSDGs/サステナの社内浸透させる際に役立つ資料&ツールを、SDGs media の読者に無料でプレゼントしています。担当者の方はぜひ、以下のお申し込みフォームからお求めください。
SDGsマッピングの実施は必須でない
SDGコンパスや取り組み方法について調べたことがある人は、ここまで記事を読んできて以下のような疑問を持つかもしれません。
「SDGsマッピング(後付けマッピング)」はやらなくてもいいの?
SDGsマッピングとは、自社事業とSDGsの17目標を紐付けて整理できるフレームワークです。これによって、17目標と169ターゲットのなかから自社に関係する項目が明らかになるため、自社事業とSDGsの繋がりを知ることができ、SDGsを身近なものとして捉えやすくなる効果が見込めます。
しかし、SDGsマッピングはSDGコンパスのステップ2以降に行う方針策定を進めるうえで、必ず実行しないといけないわけではありません。当社のコンサルティングメニューである方針策定支援のなかでも実施しないこともありますが、マッピングをせずとも方針を立てることは可能です。
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SDGs/サステナビリティの社内浸透には、従業員に基礎知識と自社方針を理解してもらう必要があります。しかし、既存のパッケージ化された研修・ eラーニング教材では、自社方針を盛り込むことが難しいです。
そこでSDGs media を運営する株式会社Dropでは、自社方針の解説などお客様が従業員に知ってもらいたい情報を教材に盛り込める『社内浸透用のオリジナル動画制作サービス』を取り扱っており「自社方針や取り組み内容など社員に伝えたい情報をわかりやすく動画にしてもらえて、繰り返し毎年利用できることも助かる」などと好評を得ています。
まとめ
ここまで読んできてステップ1で理解すべきことは把握できたでしょうか。
ステップ1では推進担当者になった従業員の皆さんが、以下の質問に答えられるように必要な知識・情報への理解を深めていきましょう。
- SDGsとはどういう目標なのか?
- 企業がSDGsに取り組むことにどんな意味があるのか?
- 企業のSDGs推進はどんな流れでなにを実施するのか?
- 自社のSDGs推進体制にはどんな役職・立場の人を迎え入れるのか?
- SDGsの推進担当者としてどんな推進のゴールを目指すのか?
SDGs media を運営する株式会社Dropでは、SDGコンパスに沿って推進を進める際に役立つ教育コンテンツ・研修・eラーニング・コンサルティングサービスなどを提供しています。
SDGs/サステナビリティ推進に必要な知識を身につけるための研修サービスも受け付けています。お問い合わせをいただければ、まずは状況や要望について担当者が丁寧にヒアリングいたしますので、気軽にご連絡ください。
SDGコンパス超解説記事の一覧
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参考サイト: