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SDGsアクションプラン2020とは?政府の中長期国家戦略を理解して自社事業に活かすコツ

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2019年12月の第8回持続的な開発目標(SDGs)推進本部会合で『SDGsアクションプラン2020』が公表されました。

「SDGs(エスディージーズ)(Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標))」に関心がある方なら、すでに『SDGsアクションプラン2020』に目を通されたかもしれません。しかし、全34ページにたくさんの情報が掲載された『SDGsアクションプラン2020』を見て、「すぐは読めないから、またあとで読もう」と読み切るためのハードルが高いと感じた方は少なくないのではないでしょうか。

最新のSDGsアクションプランの内容を読み解くには、日本政府がアクションプランを公表するに至った流れを知ることがポイントになります。

そこで、今回のSDGsアクションプラン解説記事を通して、前半でSDGsアクションプランが誕生した経緯を知り、日本政府が進める国家戦略の全体像を掴んでください。

そして後半では、SDGsアクションプランを読み解き、自社事業や個人の活動に活かすコツをお伝えします。

今回の記事はこんな人にオススメです
  • SDGsアクションプランを詳しく知りたい
  • SDGsに関する国家戦略を元に自社戦略を考えたい
  • SDGsとSociety5.0の関係を知りたい

SDGsアクションプランが誕生した経緯とは

まずは、SDGsアクションプランが誕生した経緯をご紹介します。

SDGsは、2030年までに誰一人取り残さない世界にするために掲げらた全世界の共通目標です。SDGsは国連加盟国193ヵ国が合意しています。経済レベルが高い先進国の1つである日本は、SDGs達成に向けた課題解決先進国として、世界を牽引していく立場にあります。

しかし、SDGsの「17のゴール」と「169のターゲット」の内容を見ると、日本国内においてすでに達成している目標もあります。一方で、世界に目を向ければ、国際協力面で日本が貢献できる課題も多いです。

そこで、2016年12月に日本政府はSDGsの達成に向けて、日本ならではの中長期国家戦略「SDGs実施指針(全文版PDF)(概要版PDF」を策定しました。そして2019年12月、当初より予定していたSDGs実施指針の改定が行われ、SDGs実施指針改訂版(PDF)」が公表されました。

次に、SDGs実施指針内に掲載されている8つの優先課題について見ていきましょう。SDGsアクションプランは、この優先課題を解決するための施策として位置づけられています。

SDGs実施指針に掲げられた「8つの優先課題」とは?

SDGs実施指針にはSDGsの達成に向けて、8つの優先課題が掲げられています。この8つの優先課題は、国連がSDGsを採択した文書「2030アジェンダ」に掲げられている5つのPに対応しています。

People 人間

1.あらゆる人々が活躍する社会・ジェンダー平等の実現

2.健康・長寿の達成

Prosperity 繁栄

3.成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション

4.持続可能で強靱な国土と質の高いインフラの整備

Planet 地球

5.省・再生可能エネルギー、防災・気候変動対策、循環型社会

6.生物多様性、森林、海洋等の環境の保全

Peace 平和

7.平和と安全・安心社会の実現 

Partnership パートナーシップ

8.SDGs 実施推進の体制と手段

ちなみに、2019年12月に公表されたSDGs実施指針改定版では、「ジェンダー平等の実現」をはじめ、防災や気候変動対策が優先課題に含まれました。

特にジェンダー平等においては、世界経済フォーラムが発表した2019年の「ジェンダー・ギャップ指数」において、日本は153ヵ国中121位と取り組みの遅れがありました。

SDGsアクションプランとは?

ここまで、SDGs実施指針と8つの優先課題の関係を整理してきましたが、いよいよ本題のSDGsアクションプランについてご紹介します。

SDGsアクションプランとは、SDGs実施指針で掲げた8つの優先課題に対して推進される具体的な施策を指します。

SDGsアクションプランは、総理大臣が本部長、官房長官・外務大臣が副本部長で構成されたSDGs推進本部がとりまとめています。つまり、日本政府のSDGs施策における要であるため、SDGsに取り組む企業はSDGs推進本部の動きをおさえておくべきでしょう。

SDGsアクションプランは半年に1回、見直しされ拡大版として発表されます。そのため、2017年12月に初版の『SDGsアクションプラン2018』が公表され、そのあと4度の改定されているのです。

2017年12月SDGsアクションプラン2018
2018年6月拡大版SDGsアクションプラン2018
2018年12月SDGsアクションプラン2019
2019年6月拡大版SDGsアクションプラン2019
2019年12月SDGsアクションプラン2020

SDGs推進本部は、SDGsアクションプランに取り組むことで何を目指しているのでしょうか?

その目的はSDGsの達成と「日本のSDGsモデル」の構築です。そして構築した「日本のSDGsモデル」を世界に発信することで、最終的に世界全体でのSDGs達成を目指しています。

日本のSDGsモデル「3つの方向性」とは?

SDGsモデルには「3つの方向性」が定められています。8つの優先課題に対して定められている施策であるSDGsアクションプランの内容は、半年ごとに更新されています。

しかし、これまで「3つの方向性」は大きく変わりませんでした。8つの優先課題をまた別の角度から見ることができる、3つの方向性を1つずつ見ていきましょう。

ビジネスとイノベーション ~SDGsと連動する「Society5.0」の推進~

SDGs経営の推進やESG投資を後押しなど、ビジネスでSDGsに貢献する内容が掲げられています。

SDGsを原動力とした地方創生、強靭かつ環境にやさしい魅力的なまちづくり

SDGs未来都市や地方創生SDGs官民連携プラットフォームなど、地方創生を推進する内容が掲げられています。

SDGsの担い手としての次世代・女性のエンパワーメント

女性の活躍推進や次世代の学費無償化を行うことで、次世代や女性がSDGsをリードしていく人材に力をつけていく内容が掲げられています。

ここまで読んでいただくと、SDGsアクションプランが成立・改定されてきた、大まかな流れや内容は理解できたかもしれません。しかし「SDGs実施指針」「SDGsアクションプラン」「SDGsモデル」「8つの優先課題」「3つの方向性」など様々な言葉が登場し、混乱している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そいうった方のために、SDGsアクションプランの大事な点をまとめ、分かりやすく整理した資料を作成しました。ぜひ参考にしてみてください!

SDGsアクションプラン-政府の中長期戦略

SDGsアクションプラン2020の内容とは?2019からの変更点は?

ここからはSDGsアクションプラン2020の内容について紹介していきます。

実はSDGsアクションプランには、毎回異なるサブテーマが設けられています。最新のSDGsアクションプラン2020のサブテーマは『2030年の目標達成に向けた「行動の10年」の始まり』です。

一般社団法人日本能率協会の調査「第40回 当面する企業経営課題に関する調査 日本企業の経営課題 2019 調査結果」(2019年10月)によると、76.9%の企業が「SDGsを知っている」と回答したにも関わらず、「具体的な目標を設定してSDGsに取り組んでいる」企業はわずか14.2%でした。

また、日本国内でのSDGsに向けた取り組みには偏りがあります。

ドイツのベルテルスマン財団と持続可能な開発方法ネットワーク(SDSN)が共同で発表した報告書「SDG Index & Dashboards 2019」(2019年6月)によれば、日本は昨年度よりSDGs達成度は伸びているものの、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」、目標12「つくる責任 つかう責任」、目標14「海の豊かさを守ろう」においては達成度が低いと評価されました。

SDGsを認知させるフェーズから、行動に移すフェーズに入ったからこそ、日本政府はさらにSDGsの取り組みを加速させようと、昨年のSDGsアクションプランと比べても今年はガツガツ行動していくぞという印象を持ちます。

具体的な施策内容は、SDGsアクションプラン2020(PDF)を参照してください。

SDGsアクションプラン2020を3つの方向性から読み解く

SDGsアクションプラン2020の内容をすべて読むのは大変だと感じている方に向けて、SDGsモデルの「3つの方向性」から読み解く方法をご紹介します。

①「Society5.0」の推進を加速化

Society5.0とは、狩猟社会(Society1.0)、農耕社会(Society2.0)、工業社会(Society3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指します。IoTやAIなどの最新テクノロジーを活用し、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会を意味します。

簡単にいうと、話題の自動運転やドローン技術などが日常生活に存在する便利な社会です。Society5.0が実現した社会のイメージを映像でつかんでみましょう。

初版のSDGsアクションプラン2018から、「3つの方向性」の1つにSociety5.0の推進は含まれていました。しかし、2018年当時にSociety5.0と聞いて、イメージできる方はわずかでした。そこで2年の時間をかけて、SDGsやSociety5.0を少しずつ浸透させていき、2020年にやっと本格的な取り組みができるまでの下準備や機運づくりをしてきました。

具体的アクションは「Connected Industries」「バイオ戦略」「スマート農林水産業」の推進が掲げられ、Society5.0に向けた取り組みが本格的に開始されます。

②住み続けられるまちづくりの構築

SDGsアクションプラン2020では、「グリーンインフラの推進」や「大阪ブルー・オーシャン・ビジョンの実現」といった、これまでのアクションプランには記されていなかった新しい表現が加わりました。

グリーンインフラとは、自然本来の機能を活用して、持続可能なまちづくりを推進する取り組みです。

大阪ブルー・オーシャン・ビジョンは、2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにまで削減することを目指して掲げられ、2019年6月に開催されたG20大阪サミットで共有されました。

2019年は大型台風によって、たくさんの被害に見舞われました。今こそ強靭かつ環境に優しい住み続けられるまちづくりが必要であり、SDGs実施指針改訂版の優先課題にも防災・気候変動対策が掲げられました。つまり、グリーンインフラや海洋プラスチックごみ対策がより求められていくのです。

③持続可能な開発のための教育「ESD」を推進

2019年12月の第74回国連総会において、「ESD for 2030」が採択されました。ESDとは、Education for Sustainable Developmentの略で、日本語にすると「持続可能な開発のための教育」です。

教育はSDGsのすべての目標に直結しています。つまり、SDGsすべての目標を成功に導く鍵として教育が重要であり、なかでもESDはSDGsの達成に不可欠な実施手段です。

2019年に約10年ぶりに全面改訂され、2020年度から順次導入される学習指導要領の前文と総則には、「持続可能な社会の創り手となる」との文言が盛り込まれています。

つまり、学校には次世代の創り手を育成することが求められており、ポイントとなるのが「ESD」の推進です。2020年度から若者への教育・啓発を強化するべく、SDGsを授業で教える学校がさらに増えていくでしょう。

SDGsアクションプランを読み解いて、自社事業や個人の活動に活かすコツ

ここからはSDGsアクションプランをどのようにビジネスに取り込むのかを、企業編・個人編と分けてご紹介します。

企業編

まずは、SDGsアクションプランの中から自社と関係しそうな施策を見つけましょう。その上で施策内容をインターネットで調べていくと、「データヘルス改革の推進」は厚生労働省、「健康経営の推進」は経済産業省というように関係省庁のページが見つかります。

SDGsアクションプランはSDGs推進本部が主導していますが、実は具体的な施策に取り組むのは関係省庁です。ただし、インターネットで情報がヒットしない場合もありますので、その際は外務省 地球規模課題総括課(TEL:03-3580-3311) に電話すれば、関係省庁につないで頂けます。

ただし、SDGsアクションプランに明記された施策が多すぎて、何を優先すればいいのか見えづらいこともあります。また、予算が確保できている施策は予算額が明記されていますが、予算の算出が難しい施策や少額で取り組める施策には、予算が明記されていません。貴重なリソースを使って取り組むからこそ、最大限の効果を得るために「選択と集中」が大事になります。

施策=事業を起こす場合、もしくは活用する場合には重要な順番があります。

まずは、取り組む事業部や関係する人たちの認識と理解を合わせましょう。

朝日新聞社が2019年3月に発表した「SDGs認知度調査 第4回報告」の「あなたはSDGsという言葉を聞いたことがありますか/職業別」の調査結果で、聞いたことがあると回答したのは、管理職では36%、事務・技術職では23%、製造サービス従事者では13%と、認知度に差があるため、社内関係者の理解度にも差があることが予想されます。


関係者のSDGsへの理解度にズレがあると事業創出も推進もできないため、第一歩としてSDGsへの理解を深める・合わせる必要があります。理解度を深めチームビルディングを図れるイベントは最近よく開催されていますのでコチラをご参照下さい。

SDGsを推進する人たちのSDGs理解が深まれば、SDGs事業を創出するためのブレインストーミングを実施しましょう。

ただし、ここでも注意点があります。いわゆる普通のブレインストーミングではもったいないので「SDGs目標/ターゲット」「バックキャスティング」「イノベーション」というキーワードで、生まれたアイデアを評価して、事業へ昇華させることがオススメです。

SDGs mediaでも研修の実施や事業創出のサポートを実施しております。ご希望の方は、以下のページからまずはご相談ください。

▶お問い合わせページはこちら

個人編

個人とSDGsアクションプランを結びつけられないかと考えている方もいるのではないでしょうか。

その場合は、SDGsアクションプランでなく、SDGs全体に目を向けて、取り組める施策を考えてみることをオススメします。基本的にSDGsアクションプランに掲げられている施策は大規模なものが多く、個人と結びつけることが難しいのが理由です。

近年では、SDGsを意識して活動する個人・団体が非常に多くなってきました。そこへ飛び込んでみる、協力していくなども、個人レベルでできる1つのアクションだと思いますので、SDGs情報を検索したり、活動したりしてみてください。

SDGsは何かをすることで誰かから批判を受けるような類のものではございません。気軽なアクションでマインドと世界を変えてみましょう。

SDGs media で個人で取り組めるSDGs活動をまとめた記事は以下です。

まとめ

SDGsは、まだ新しい取り組みであるため、わたしたちの手で前例を作っていく必要があります。そのため、SDGsの取り組みは先行者利益が得られる可能性が高く、自社でできると思った事は積極的に手を挙げていくことがおすすめです。

最後まで読んでいただければ、SDGsの取り組みを始める上で羅針盤の1つになるのが、SDGsアクションプランだとおわかり頂けたと思います。この機会にじっくりとSDGsアクションプランを読んで、自社の事業や個人の活動から取り組めることがないか考えてみてください。そして、みなさまの企業ならではのアクションプランを考えてみてはいかがでしょうか?

SDGsアクションプランをじっくり読んで具体的な施策内容を知りたい方は、こちらからSDGsアクションプラン2020(PDF)をご覧ください。また、SDGs mediaを運営する株式会社Dropでも、SDGsの取り組みを始める上で役立つ資料を提供しています。詳しくは、こちらからお問い合わせくださいね

参考サイト

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