環境に配慮したアイデア商品5選|植物由来のスニーカーやレジ袋などを紹介

2015年の国連サミットでSDGsが採択されるよりも前から、私たちの住む地球では多くの環境問題が起こっています。
主な環境問題の1つが、「ゴミ問題」。特に海洋汚染が懸念されている「海洋プラスティックゴミ問題」や、余った食材を廃棄する「フードロス問題」は、ここ数年ニュースなどで目にすることが増えましたよね。
生産時や廃棄時に環境負荷が少ないとして注目されているのが、植物由来の成分で作られた商品です。環境に配慮する生産姿勢だけでなく、アイデアの新しさや商品デザインや質の良さなど商品そのものの魅力も注目されています。
今回の記事では、植物由来の成分で作られた画期的な商品を5つピックアップしてご紹介します。植物由来で環境に配慮した商品を探している方や、企業で商品開発に携わっている担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
今回の記事はこんな人にオススメの内容です
- 環境に配慮した商品に興味がある
- SDGs目標12に向けたアプローチやアイデアを知りたい
- 個人でSDGsに貢献したい
SDGsの基礎が分かる動画はこちら
SDGsが誕生した背景・SDGsの内容・企業がSDGsに取り組む理由などがわかる動画をYouTubeで公開しています。これまで有料セミナーで参加者満足度8.5点(10点満点)と好評だった内容をそのまま公開しているので、これからSDGs学ぶ・理解を深めるなどの目的にピッタリです。
▶YouTubeで動画を見る
目次
ユーカリの木の繊維を使ったスニーカー│オールバーズ
サンフランシスコ発のスタートアップ企業「Allbirds(オールバーズ)」が開発したスニーカー「ツリー」は、サステナブルなスニーカーとして世界中から注目を集めています。
ツリーの主な素材はユーカリの繊維。ユーカリの調達では、森林や動物を保護するための基準を満たした調達をしていることを示す、FSC認証を取得しています。ユーカリは、通気性が良く肌触りがいいことが特徴なので、快適な履き心地を演出でます。
製造元のオールバーズ社は、自社商品の製作工程におけるカーボンフットプリント(温室効果ガス排出量)をゼロにすることで、持続可能な未来を築くことを目指しています。
ツリーに使用されているカーボンフットプリントは、CO2換算排出量が平均7.6kgで、一般的なスニーカー12.5 kgと比べて、排出量を低く抑えています。
さらに、ツリーに使用されるユーカリの繊維もサステナブルな原料から作られているので、スニーカーを製作する際に使用する水量も従来のスニーカーに比べて95%少なく、CO2排出量も50%削減しています。
オールバーズは、カーボンフットプリントを排出しない商品作りを実現するため、研究開発を進めています。
オールバーズに関するSNS投稿
意外とまだ知られてないオールバーズ。人に勧めるとほぼ100%CVする。
— マコなり社長(Inside Stories開始) (@mako_yukinari) September 1, 2019
・シリコンバレーで大流行
・「世界一快適な靴」と絶賛
・販売2年で100万足以上、売上2億ドル以上
・D2Cブランドを代表するユニコーン
・NZのプロサッカー選手が創業
・日本上陸してない
・でもBUYMAで1万5000円で買える
・買おう pic.twitter.com/wo5pT4L4wF
オールバーズのスニーカーはスニーカー好きの人に全力でお勧めする。とにかく軽くて履き心地最高。洗濯機で洗えて匂わない素材。ヒール慣れしてる人はスニーカーの方が疲れやすい人も多いと思うけど、これは本当にどんなに歩いても疲れない。まじで世界一快適なスニーカー pic.twitter.com/dADCh46ngw
— じゅんちゃん (@t_junchannel) September 21, 2019
オールバーズの紹介動画
SDGs media を運営する株式会社Dropの社員が、2022年2月から大阪のオールバーズショップで副業をしています。実際に働いてわかったオールバーズの魅力を解説しています。
Food Paper│五十嵐製紙
Food Paperは、越前和紙の老舗工房「五十嵐製紙」が手掛ける文具(紙製品)です。Food Paperの原料は、廃棄される予定だった野菜や果物が利用されています。
Food Paper開発のキッカケは、昨今における和紙の原料となる植物不足(作り手の減少)と、五十嵐家・次男の自由研究のアイディアでした。食べ物から紙をつくる研究を小学4年生から5年間続けたことが、今回のFood Paper開発につながりました。
廃棄予定でだった食材を利用するFood Paperは、国内のフードロス問題に対して「伝統文化」「文具(教育)」の両方からアプローチすることができ、紙製品の可能性を広げると同時にSDGs達成にも貢献することにつながります。
また現在、五十嵐製紙では“オリジナルの紙作り”や“廃棄野菜/果物の受付”も実施していますので、興味のある人はぜひチェックしてみてくださいね。
Food Paperに関するSNS投稿
食べられるレジ袋│アバニ
インドネシア・バリに拠点を置くエコテクノロジー企業「アバニ(Avani)」が開発したレジ袋は、タピオカの原料でもあるキャッサバイモから作られています。そのため、人や動物が口に入れても身体に害がなく、“食べることのできる”レジ袋です。
商品開発の背景には、インドネシアの“ゴミ文化”が大きく影響しています。インドネシアのバリ島は、きれいな海の広がる素敵なリゾート地のイメージを持つ人も多いですよね。
しかし、実情は違います。インドネシアでは、ゴミ処理の負担を嫌う風潮やポイ捨て文化が根強いことから、住宅地や海などに捨てられたプラスチックゴミが大きな問題になっています。
そこで期待されているのが、アバニが開発した食べられるレジ袋。もしポイ捨てされても90日以内には土に還って肥料になり、また、80度以上のお湯に入れると溶けてなくなるので処理にも困りません。
始まったばかりのアバニのチャレンジですが、食べられるレジ袋が世界中に普及することで、プラスチックゴミ問題の解決に向けてまた一歩前進することができますね。
アバニに関するSNS投稿
❤????
— 和葉⛅ (@kazuha828) April 24, 2017
プラスチックはもう要らない。人間や動物が「食べても死なないレジ袋」
アバニのエコバッグの原料はタピオカの原料でもある「キャッサバイモ」がベース。90日以内には土に還り肥料になり、80度以上のお湯にいれると溶けてなくなる。 https://t.co/TSttFTzg2o pic.twitter.com/HbKIaRhfel
オーガニックでサステナブルなブランドのセレクトショップ│エシカミー
エシカミー(ethicame)は、「サステナブル(自然環境の維持に役立つ)」「エシカル(環境保全や社会貢献)」「オーガニック&ナチュラル」の3つの要素が詰まったブランドが集まったセレクトショップです。
エシカミーが取り扱っている商品は、すべてエシカミーの設けた基準「The ethicame clean standard」をクリアしています。The ethicame clean standardには、オーガニック認証や動物実験を行わないなど6個の基準が設けられています。
エシカミーで特に人気な商品が、「エティーク(ethique)」シリーズ。エティークは、“プラスチックの撤廃”をテーマとして2012年にニュージーランドで誕生したブランドであり、日本には2019年に上陸しました。
エティークでは「シャンプーバー」と呼ばれる、シャンプーやコンディショナーなどを固形化した商品を販売しています。シャンプーやコンディショナーなどの液体を固形化したことで、本来であれば必要なプラスチックボトルを使わずに済み、シャンプーバーのパッケージも全て、生物分解可能な素材で梱包し、環境に配慮されています。
エシカミー・エティークに関するSNS投稿
心から惚れ込んだ固形石鹸シャンプーのエティーク。
— 河井 菜摘 Natsumi KAWAI (@nano_723) December 15, 2019
成分だけでなくパケもケースも自然素材、頭に直接石鹸をこすりつけて洗うと頭皮も髪もさっぱり洗い上げ、トリートメントはつるっつるに仕上げてくれる。優しく甘い森林の香りでヤミツキになる使い心地。コスメキッチン以外でも買える日はよ… pic.twitter.com/myq8etlotB
洗って何度でも使えるラップ│アコラップ
アコラップ(aco wrap)は、ミツバチの巣から採取したみつろうをベースに作られた天然のラップです。ラップといっても使い捨てではなく、何度でも使えるためゴミを減らせます。使用後に水洗いして自然乾燥させれば、約半年から1年は繰り返し使え、最後は土に還ります。
アコラップの主な成分はみつろうとオーガニックコットンなので、食材や食器にピタリと被せることもできます。ラップとして必要な食品を守る役割も、みつろうとホホバオイルが抗菌性と天然の保存性を備えているので、プラスチックラップと比較しても変わりなく食品の鮮度の持ちが良いといわれています。
アコラップは、Made in Japanにこだわってみつろうは岐阜県のミツハチの巣から仕入れ、丁寧に一つひとつ手作業で製作されています。素朴で優しい色味なので、使うたびに穏やかな気持ちになれそうです。
アコラップに関するSNS投稿
昨日、洗って何度でも使えるラップが有ると言う話を聞いた。「アコラップ」と言い、ミツバチの巣から採取したミツロウをベースにしたオイルを、オーガニックコットンの生地にたっぷりと染み込ませた天然ラップなんだそう。捨てても土に返る自然派ラップだ。先の事を思うといい暮らし方かも知れない。 pic.twitter.com/wnQMZDpz3A
— Green Pepper (@r2d2c3poacco) December 22, 2019
消費者のサステナブル購買行動について
ここまで、植物由来の成分で作られた5つの商品を紹介しましたが、商品が環境に配慮されているのかどうかで購買行動が変化するのか気になりますよね。
そこで、株式会社博報堂が2019年11月に実施した、全国20〜60代の男女計6,000名を対象とした「生活者のサステナブル購買行動調査」のデータを確認しました。
環境・社会への配慮が購買意欲に影響を与える
2015年に採択されたSDGsの達成に向けた取り組みが増加する中で、環境に配慮した商品の購買行動はどのように変化を明らかにするために、消費者の【購買実態】【購買意向】【食品・飲料の購買実態】【認証ラベルに対する意識】の4つの項目で調査されました。
調査の結果、消費者の購買行動には、以下の特徴が強く表れていました。
- 必要なものは最小限に(ミニマル)
- 長く使い続ける、長く使えるものを選ぶ(ロングライフ)
- 不要になったものは人にあげる、売る(サーキュラー)
【購買意向】の項目では、「環境・社会に悪影響を与える商品・企業」に対する不買や、「環境・社会に配慮した商品」に対する購入意向が7~8割あり、環境に配慮したサステナブルな商品への支持が読み取れます。
変革には時としてパートナーが必要になる
この調査結果から、企業が環境への影響を考慮して商品を開発することが、消費者に受け入れられやすいことが予測できます。しかし、商品企画、原料調達、製造、流通販売とバリューチェーンの根本的な見直しが必要な企業であれば、変革に困難が伴うかもしれません。
自社だけで環境に配慮したバリューチェーンの再構築が難しい場合は、SDGs media を運営する株式会社Dropにご相談ください。SDGsコンサルティングやSDGs研修を通してサポートいたしますので、相談をご希望の方はお問い合わせください。
SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」は日本最大の課題
実は、日本でのSDGs達成度では、「目標12:つくる責任 つかう責任」が最大の課題といわれてしまうほど、対策が遅れています。
そのため、消費者の購買行動をもとに、環境に配慮した商品の開発を進めていくことが、SDGsへの貢献・達成の施策として活用できます。
もちろん、新商品を開発することは簡単なことではありません。しかし、Food Paperのように、既存のビジネスと身近なアイディアによって、身の回りの資源を環境問題の解決に活かせることもあります。
「SDGsへの取り組みを検討している」という製造業や小売業の企業の方は、SDGs目標12を意識した事業活動の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
まずはSDGsへの理解を深めたい方は、『SDGsとは』のページで成り立ちや日本国内での動きなど全体像を把握することがおすすめです。
その後、仕事に使えるSDGsの知識を個人や部署、企業単位で学ぶにはSDGs研修をご活用ください。個人で参加できるオンライン研修や、ご希望に合わせた研修をカスタマイズできます。興味のある方はこちらからお問い合わせください。
また、SDGs media が無料で提供している資料『【17目標別】企業のSDGsアクションリスト|345種類の施策から自社の取り組みを探そう』では、企業が取り組めるSDGsの目標12に関するアクションを29個掲載しています。気になる方は、以下よりお求めください。
まとめ
今回は、植物由来の成分で作られた商品についてご紹介しました。植物由来の商品は、スニーカーやレジ袋、紙製品など、さまざまな種類の商品が開発されています。
既存の商品代替え品として紹介したような商品を使用することは、環境問題の解決や、SDGsの貢献にもつながります。また、企業にとっては、世代を問わず環境に配慮した商品購入の意欲も高いため、環境に配慮した商品開発ができるかどうかが、競争戦略に関わってくるかも知れません。
ご自身の日常生活を快適にするために、また、環境問題への取り組みを実施するためにも、まずは身近なところから植物由来で環境に配慮した商品を取り入れてみてはいかがでしょうか。
環境に配慮した商品購入以外に、個人でできるSDGs活動はこちらの記事に詳しくまとめていますので、興味のある方はご覧ください。
SDGs media 主催のセミナー情報
今後の特別セミナーはこちら
過去のセミナーアーカイブ動画を無料で提供中|SDGs media のセミナー情報
過去に開催して好評だったSDGs推進・企業と人権・カーボンニュートラルと企業などのテーマのセミナー動画を無料で提供しています。担当者自身の勉強や社内での研修・勉強会などにお役立てください。
▶過去の共催SDGs/サステナセミナーの動画を配信しています。詳細はこちら
SDGsのすゝめ第1回 | SDGs基礎知識・外部環境の変化・SDGsに取り組むメリット・最新のビジネストレンド |
---|---|
企業の効果的な人権教育研修とは | 人権尊重の意識醸成:自分ごと化から企業価値向上まで・サプライチェーン全体(川上〜川下)での理解浸透・ビジネスと人権eラーニングの変化したポイントを紹介・eラーニングのデモ版の紹介 |
ビジネスと人権(第1回) | 人権とは・「ビジネスと人権」の考え方・企業活動と人権尊重・企業に求められる取り組み〜人権方針と人権デュー・ディリジェンス |
ビジネスと人権(第2回) | ビジネスと人権の基本知識・企業による人権の取り組みのプロセスとポイント・人権に関する教育/研修の重要性 |
ビジネスと人権(第3回) | 企業における人権尊重のあり方・企業の人権尊重に関する国内外の動向・企業による人権の取り組みのプロセスとポイント・参考になる企業事例の紹介 |
カーボンニュートラル・脱炭素経営セミナー | 気候変動がビジネスに及ぼすリスクについて・カーボンニュートラルに関わる基礎知識、CO2削減に取り組む方法・中小企業がカーボンニュートラルに取り組むメリット・企業事例 |
参考サイト: