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[企業向け]サステナビリティ先進国オランダの取り組み事例3選

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はじめまして。オランダ在住でイベント業界の持続可能性を目指す活動をしている西崎です。

この記事を見られている方の多くは、サステナビリティに関する情報を積極的に求めているのだと思います。特に他社の事例や世界の事例を探されているのではないでしょうか?

今回の記事では、サステナビリティ先進国として知られるオランダで、私が見聞きした企業の取り組み事例を3つ紹介します。

記事の後半では、サステナブルイベントネットワークで企画しているオランダ視察ツアーの情報も紹介します。このツアーでは、オランダ現地で実践されるサステナビリティの現状を知っていただくことで、皆さまのサステナビリティを後押しいたします。

筆者の自己紹介

西崎龍一朗
オランダ在住でイベント産業全体を持続可能にするための「サステナブルイベントネットワーク(SEN)」発起人で運営者。老舗旅行会社の立場からこれまで国内・海外で数々の報奨旅行や表彰イベント、ミーティングなどのMICE案件を手掛け、その中で見えてきた課題やネットワークを生かしてSENを発足。SENを通して産業全体の持続可能化を目指しています。

※この記事は、寄稿記事です。

オランダがサステナブル先進国と呼ばれる理由

オランダ記事 画像1

オランダが国として掲げている方向性や方針

国としてサーキュラーエコノミーを目指している

2016年にオランダ政府は長期的なロードマップとして2050年までに100%サーキュラーエコノミーへ移行することを宣言しました。サステナブルシティインデックスにてヨーロッパ内でアムステルダム市が1位を獲得するなど環境政策の最前線であると言えます。

つまり、持続可能な国を目指すための手段として、サーキュラーエコノミーの概念を国として取り入れて政策に盛り込んでいます。

首都の戦略にもサーキュラーエコノミーが採用される

オランダの首都であるアムステルダムはオランダの中でも特に先進的な都市の一つです。なぜなら世界で初めて、市の戦略にサーキュラーエコノミーを導入した都市だからです。そのため、サステナビリティを志向する世界中の自治体から注目を集めています。

その実現に向けて、具体的には中長期の循環化に向けたマイルストーンを設定しています。

  • 2022年までに市の調達の10%を循環化
  • 2023年までに市の建築に関わる入札案件を循環化
  • 2025年までに市の調達の50%を循環化
  • 2030年までに新規原材料の使用は50%以下
  • 2050年までに100%サーキュラーエコノミーへ移行
ドーナツ経済学を導入したアムステルダム

環境だけではなく惑星としての繁栄を目指すため、GDPに変わる新たな指標として、英オックスフォード大学の経済学者ケイト・ラワース氏が提唱する「ドーナツ経済学」があります。この概念ををアムステルダム市は世界で初めて都市レベルで導入しました。

アムステルダムは「すべての市民にとって、繁栄し、再生可能で、包括的な都市」となることをビジョンとして掲げています。つまり、地球の限界値を超えないように環境保護だけではなく再生を行い、社会的側面も包括的に取り組み反映していくことを目指しています。

オランダに根付く"ある考え方"

前例のない活動にも実験的に取り組むというオランダ人にとって欠かせない考え方があります。それがLearning by doing(やりながら学ぶ)です。前例がないからこそ前例のないアプローチを行うため、世界初の取り組みやプロジェクトが生まれる変革の土壌が根付いています。

ここまで紹介してきた国の政策や考え方が、街づくりやビジネスの戦略として身近に触れられることが、オランダの特徴の1つだと言えるのではないでしょうか。

オランダのサステナビリティの取り組みユニーク事例3選

事例1:野外音楽イベント「DGTL」

DGTL1

アムステルダム市で毎年開催される世界初のゴミの出ない音楽フェス「DGTL(デジタル)」をご紹介します。

実はサステナブルイベントネットワークの動画セミナーシリーズに登場した玉木さんが紹介された事例でもありますので併せてご覧いただくとよりイメージしやすいと思います。(該当部分は9:08から)

野外音楽イベントでは通常、発電機が持ち込まれて電力を賄います。あるイベントの事例では1回のイベントで5万リットルもの燃料が消費されていたようです。その燃料が発電に使われ燃焼すると大気中には約132トンのCO2が排出されることになります。

まずこの問題を解決しないことには根本解決が出来ないと考えたDGTLはアムステルダム市に協力を仰ぎグリーンエネルギーグリットの整備を行ったそうです。つまり官民連携で持続可能な都市づくりをしていると言えます。

また発電機や燃料、その他の資材の搬入にかかわる環境負荷も最小限にすることができ、実際に実施した際のデータは主催者側から市に提供され、今後に活用されます。

DGTL2

イベント内で食べる食品は、全てコンポストされています。これが何を示しているかと言うと、「コンポストできないものは使わない」ということです。

DGTL開催中、一際人気だったのがこちらのハンバーガーです。

DGTL3

一見、普通のハンバーガーに見えますが、実は植物由来のものでできたヴィーガンバーガーです。水は99%カット、栽培に必要な土地は93%カット、温室効果ガスは90%カット、エネルギーは46%カットになっているそうです。

DGTL Compost1 DGTL Compost2 DGTL Compost3

さらに注目なのは梱包されている紙もすべてコンポスト可能なものを使用している点です。これにより、食べ残しと梱包紙を分別することなく一度にコンポストすることができるということです。実際に会場にコンポスト機が設置されており、開催中もずっと稼働を続けていて、24時間後にはすべて堆肥化されているそうです。

この肥料を使って野菜などを育てることで、ごみではなく資源として循環し続けていることがわかると思います。

事例2:エナジーニュートラルホテル「Hotel Jakarta」

Hotel Jakartaはオランダ発のエナジーニュートラルホテルで、オランダで最も持続可能なホテルの一つです。このホテルでは、サーキュラー エコノミーとホスピタリティの融合が実現されています。

2013年にアムステルダム市のホテル建設コンペ要件の中に「その場所の歴史を取り入れ、持続可能であり、地域に貢献する」が含まれていたため、さまざまな持続可能なプランを設計の段階から組み込んでいることがこのホテルの特徴です。

ホテル建材の90%にコンクリートではなく木材(FSC認証)が使われており、ホテル内は美しい庭園が広がり、宿泊者はまるで自然の中にいるかのような心地よさで出迎えてくれます。植物に欠かせない水は雨水を利用しているのだそう。実はこの庭園のもうひとつ役割として内部全体を摂氏 5 度冷やす役割を果たしており、その分余計な冷房によるエネルギーを使わずに済むといった工夫も取り入れられています。

事例3:サーキュラーな建物「CIRCL」

circle

「オランダで最初の完全なサーキュラー建物」と語るのはオランダのメガバンクであるABN AMRO。オランダの銀行の中でも特にESG投資に積極的な企業として知られていますが、本社に会議室が足りなくなり新設する際に「地域住民が気軽に利用したくなる銀行」を目指し設計が進められました。

その設計の中核としてサーキュラーエコノミーを取り入れ、取り壊しになった建物の廃材を利用したり、スタッフのユニフォームを使った防音材や捨てられるジーンズで作った断熱材を使用したり、環境保護へ貢献しつつ経済的な利益も追求する複合施設として運営しています。

建築に関わる環境負荷はかなり多く、ヨーロッパでは建設産業から生み出される廃棄物が全体の50%を占めると言われており、アムステルダム市も重点領域に指定しています。

そこでCIRCLは解体されることを前提にした設計をしています。接着剤などの化学薬品を使用せず再度利用できるように価値の損失を最小限に抑え、取外し可能な設計を取り入れていることも重要なポイントです。

オランダの取り組みが現地で学べる|オランダサステナビリティ視察ツアーの紹介

オランダ記事 画像2

ここで紹介しているのはごく一部のサステナビリティ事例です。オランダは世界初・国内初の取り組みに積極的に挑戦しています。日々どこかで新たな挑戦が行われています。その分、失敗事例もあるということです。しかしこれからサステナビリティへ挑戦するような我々にとっては、その失敗の事例も大きな価値を持つことになるのではないかと考えています。

こういった情報はここ数年のコロナ渦の影響で気軽に国境をまたぐ機会がなくなり、海外視察ツアーなどはバーチャルツアーへと移り変わったことで、気軽に参加し情報を得られるようになりました。

しかし、現地の空気感やプレゼンではなく体感できる情報が重要だと感じるきっかけにもなりました。

また、サステナブルイベントネットワークでは参加者同士の横の繋がり(ネットワーキング)で、課題の共有などを行う場を求める声を多く頂いております。

そこで、サステナブルイベントネットワークではご要望にお応えすべくオランダサステナビリティ視察ツアーを企画するに至りました。

サステナブルツアーの概要

※本ツアーは2022年11月8日時点で、開催が延期になっています。続報は分かり次第更新いたします。

持続可能な社会の実現に向けて取り組むフロントランナーを「社会課題解決のパートナー」と位置づけ、共に学び・実践するきっかけとするツアー。座学だけで学ぶのではなく、現地企業・団体とのネットワーキングなどを通じて実践的な課題解決を目指します。

訪問地

オランダ アムステルダム・ロッテルダム

日程

2022年11月19日(土)日本発

20日(日)現地着〜2022年11月24日(木)現地発

25日(金)日本着

最少催行人数10名
最大人数15名定員(人数に達し次第、締め切らせていただきます)
申込方法

ご旅行申込書に必要事項を記載の上、お申し込みください。

▶ツアーに関する詳細はこちら

サステナブルツアーのポイント

  • サステナブルツアー(航空由来のCO2オフセット選択あり)
  • オランダ初のエナジーニュートラルホテルに宿泊
  • 都市計画(行政)、大企業、スタートアップとすべてのカテゴリの視察が可能
  • オランダ在住日本人 資産運用会社のESGエンゲージメント担当者とのネットワーキングディナー
  • 日本人通訳が同行しますので英語が出来ない方でも安心

ツアー後には報告レポートを公開予定

ツアーに参加された方との報告会を実施いたします。簡単に行程を振り返りながら、各自持ち帰った事例を社内共有した際の会社からの反応はどうだったか? や、今後の推進における課題の共有などを行います。

またサステナブルイベントネットワークの会員やその他コミュニティの方にも参加いただき、情報共有とネットワーキングを行い、ツアーをツアーだけでは終わらせない施策を予定しています。

特別ゲストとしてSDGs media 玉木様も参加します

今回は特別ゲストとしてSDGs media の玉木様にも本ツアーにご参加いただき、現地で特別レクチャーも行っていただく豪華企画となっています!

  • 玉木 巧

    SDGsコンサルタント|株式会社Drop

    日本のサステビリティはヨーロッパと比較して、遅れていると言われていますが本当なのでしょうか? 日本が世界に誇れる技術はたくさんあるはずなのに、島国の日本にいるとどうしても偏った情報だけで物事を判断してしまいがちです。

    だからこそ、日本を飛び出してオランダの先進事例を学ぶことで、改めて私たちが日本で何をするべきなのか一緒に考え直しましょう。「百聞は一見にしかず」ということわざがあるように、現地に赴くからこそ得られる気づきが必ずあるはずです。皆さまと一緒に研鑽できることを楽しみにしています。

まとめ

日本にいるだけではなかなか知り得ないオランダのサステナビリティ事例を3つ紹介しました。

コロナ渦からより良い復興のヒントとして企業や自治体がサステナビリティを取り入れることは、ある意味転換のチャンスとなり得ます。視察ツアーは学ぶだけではなく、持ち帰ったヒントをいかに実践するかがポイントです。その一助となれることを期待しています!

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各セミナーの開催予定・お申し込みは、イベント情報Webサイト「Peatix」「こくちーず」をご利用ください。

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更新日:2022年10月21日

参考サイト:

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