SDGコンパス超解説|ステップ5では自社のSDGs情報を更新する
こちら記事では、企業のSDGs/サステナビリティ推進に欠かせないSDGコンパスのステップ5「報告とコミュニケーションを行う」ですべきことをまとめています。紹介している内容は、SDGs media を運営する株式会社Dropが企業向けの研修・コンサルティングのなかでお伝えしているものです。
そのため、最後まで読んでもらえれば企業がSDGsに取り組む方法や、推進でつまづきやすいポイントなど、実践的な情報を知ることができます。
特にこちらでは、中小企業のSDGs推進におけるステップ5ですべきことを取り上げます。
当社は、ステップ5「報告とコミュニケーションを行う」ですべきことは、自社のSDGs/サステナビリティ推進に関する情報を定期的に公表することだと考えています。
そのため、SDGs推進に関する情報発信は、ステップ5の段階になって初めて情報公開が行われるのではなく、早ければステップ2「優先課題を決定する」を終えた段階で行われます。
今回の記事ではSDGコンパスの全5ステップの各ステップでどんな情報を公開・更新すればいいのか、SDGs推進に関する情報発信のポイントを解説します。
他のステップを解説した記事はこちら
目次
SDGs推進の情報発信はステップ5までに行われている
自社のSDGs推進に関する情報発信は、ステップ5「報告とコミュニケーションを行う」までに何度か行うことが基本であると考えましょう。そのため、ステップ1「SDGsを理解する」からSDGs推進を行うなかでこれまで発信してきた内容を、推進状況に合わせて追加・更新していくようなイメージがSDGs推進の現実には合っています。
では、各ステップでどんな情報を発信すればいいのでしょうか。目安となるのは以下のような各ステップで実行した結果として生まれた成果です。
SDGコンパスの各ステップで行う情報発信の内容例
- ステップ2「優先課題を決定する」の終了後
- SDGs宣言(トップコミットメント)
- 重要課題(マテリアリティ)・優先課題
- バリューチェーン分析
- ステップ3「目標を設定する」の終了後
- 成果目標・行動目標
- ステップ4「経営へ統合する」
- 自社の取り組み進捗・結果に関する情報
SDGs推進で発信をオススメする情報
この記事を読んでいる方の多くは、同業他社や大手企業が発信するSDGs推進の情報を目にしたことがあるでしょう。企業がSDGs推進の情報を発信するおもな方法は、以下の4点です。
企業がSDGs情報を発信する方法例
- 自社のWebサイトへの掲載
- プレスリリースの配信
- 年間レポートの作成
- 動画の公開
よく見られる方法が自社Webサイトへの掲載です。SDGs推進に関する情報を掲載するページを用意したり、ニュースを扱うページで新しい情報を発信したりするなど、各企業の情報発信は「〇〇企業 SDGs取り組み」などとWeb検索すれば簡単に見つけることができるでしょう。
それでは、Webサイトにはどのような情報を載せるといいのでしょうか。当社がステップ5「報告とコミュニケーションを行う」に到達した時点で、発信できているといいと考える情報は以下の3点です。
SDGs推進で情報発信するといい内容
- トップコミットメント(SDGs宣言)
- マテリアリティ(重要課題)
- 成果目標・行動目標とその進捗状況
ここからはこの3点について事例を交えて紹介していきます。
1. トップコミットメント(SDGs宣言)
トップコミットメントでは、なぜ自社がSDGs達成を目指して取り組みを推進するのか、その背景や想い、決意などを示します。同業他社や取引先が公表しているトップコミットメントを読めば、その企業がどのような経緯や考えでSDGsに取り組むのかが伝わってくるでしょう。
またトップコミットメントは、SDGs宣言と表現されるケースもあり、どのような表現を使っても意味合いが伝わるなら問題はありません。当社ではトップコミットメントを表現する型(構文)が3つあると考えています。
トップコミットメントを表現する型(構文)
パターンA | 主語 + 〇〇を通じて + その企業が目指す理想像 + 目指します |
---|---|
パターンB | 主語 + 経営理念 + 持続可能な社会を実現します |
パターンC | 社長・代表取締役がSDGs推進メッセージを表現する |
それぞれの型(構文)に良し悪しがあるわけではないので、自社の価値観や方向性に合うかどうかを判断基準において、参考にしてください。
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2. マテリアリティ(重要課題)
ステップ2「優先課題を決定する」で決めた自社の重要課題(マテリアリティ)を掲載しましょう。企業によっては重要課題だけでなく、以下のような内容を掲載するケースもあります。
マテリアリティ(重要課題)として掲載される項目例
- マテリアリティ特定のプロセス・経緯
- バリューチェーン分析
- マテリアリティマップ(課題を2軸で整理した図)
- 自社が目指す未来像
- SDGsプロジェクㇳの推進体制
マテリアリティ(重要課題)の掲載例
3. 成果目標・行動目標とその進捗状況
ステップ3「目標を設定する」で決めた成果目標・行動目標、そしてその目標に向けて一定期間(年1回のペースが多い)取り組んだ内容や結果をWebサイトに掲載したりレポート形式で公表したりしましょう。
成果目標・行動目標とその進捗状況の掲載例
情報を誰になぜ届けたいのか決めよう
ここまで読み進めてきてもらえれば、SDGコンパスの各ステップの終わりではそのステップで実行した内容や、結果として生まれた成果をWebサイトなどで随時公表・更新するといいことがわかったでしょう。
情報発信を検討する際は、情報を届ける対象(誰に?)と情報発信の目的(なぜ?)を決めることをオススメします。この2点が明確になれば伝える情報と伝え方(発信方法)を考えやすくなるからです。
この点を担当者で決めた上でここまで紹介してきた情報をヒントに情報発信や更新をしていきましょう。
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まとめ
ここまで読んできてステップ5「報告とコミュニケーションを行う」で行うべき情報発信や更新のポイントは把握できたでしょうか。
ステップ5で言及されている情報発信は、1回きりで終わるものではなく自社のSDGs推進が進んで発信できる情報が生まれたタイミングや、年間レポートを制作するタイミングなど継続的に行うものです。
ステークホルダーの誰を対象に、何を伝えて、どうなってもらいたいのかを十分に検討しながら、情報発信を続けていきましょう。
SDGs media を運営する株式会社Dropでは、SDGコンパスに沿って推進を進める際に役立つ教育コンテンツ・研修・eラーニング・コンサルティングサービスなどを提供しています。
SDGs推進に関する情報発信の支援も受け付けています。お問い合わせをいただければ、まずは状況や要望について担当者が丁寧にヒアリングいたしますので、気軽にご連絡ください。
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参考サイト: