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グリーン購入|SDGs目標12との関係と取り組み事例を紹介

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2015年の国連サミットで採択されたSDGsには、持続可能な社会を作り上げるために解決しなければならない、17の目標が定められました。

17の目標の中には、環境問題に関わる目標やターゲットもいくつか制定されていて、持続可能な経済や社会を目指すためにも環境問題の解決は必須です。

日本は環境問題の解決に向けて、2000年から「グリーン購入」と呼ばれる取り組みを実施してきましたが、2015年のSDGs採択の影響を受け、近年ではグリーン購入を実施することの重要性が再認識されています。

そこで今回は、グリーン購入の概要やSDGsとの関係性と、企業や地方団体におけるグリーン購入促進に向けた取り組み事例をご紹介します。

グリーン購入についての理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

今回の記事はこんな人にオススメの内容です
  • SDGs目標12の取り組みや事例について興味がある
  • グリーン購入について知りたい
  • 企業で扱う消耗品をエコなモノに変えたい

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グリーン購入とは?

グリーン購入では、購入者の環境に配慮した消費行動を促すことで、環境負荷の少ない製品開発を増やし環境に配慮した経済活動を浸透させることを目指しています。具体的には、下記の4つのポイントを意識して製品やサービスを購入することで、グリーン購入の推進へとつながります。

  • 環境を考慮する
  • 商品購入の必要性を考える
  • 環境負担の少ない製品やサービスを選ぶ
  • 製品やサービスの製造工程における、環境負荷の低減に努める事業者から積極的に購入する

現代では、製品開発技術の進歩によって生活用品の「大量生産」が可能になり、私たちの生活も豊かになりました。しかし、製品の生産工程によって生まれる廃棄物によって、海洋汚染や地球温暖化などの環境問題も進行しています。そこで、環境負荷を抑えて持続可能な地球環境を作り上げる1つの取り組みとして、グリーン購入が存在しています。

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「グリーン購入法」制定の背景と、SDGsとの関係

グリーン購入は、2001年に施行された法律「グリーン購入法(正式名称:国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律)」によって規定されています。

グリーン購入法は、昨今の環境問題の原因となっている大量生産・消費・廃棄型の経済活動を見直し、環境負荷の低減に努めて持続可能な社会の実現を目指すことを目的としています。また、グリーン購入法の施行によって、国の機関や企業、地方自治体では、環境に配慮した製品やサービスの開発や取り組み事例が増えています。

さらに、2015年の国連サミットでSDGs(持続可能な開発目標)が採択されたことで、国は「目標12 ターゲット12.7:国内の政策や優先事項に従って持続可能な公共調達の慣行を促進する」を実現する施策として、グリーン購入の促進を掲げています。

グリーン購入とSDGs目標12

SDSN(持続可能な開発ソリューション・ネットワーク)は毎年1回、SDGsの達成度を示す1つの指標である『サステナブル・ディベロップメント・レポート』を発表しています。

20196月に発表された最新のレポートによると、日本は目標12「つくる責任 つかう責任」の達成度が低いことがわかり、“日本最大の課題”ともいわれています。

そのため、個人・企業がグリーン購入への取り組みを強化することが、SDGsに関する日本の課題解決への貢献に繋がります。

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グリーン購入法の対象者

グリーン購入法の条文には、法律の対象者として「国及び独立行政法人」「地方公共団体及び地方独立行政法人」「事業者及び国民」の3者が定められています。つまりグリーン購入法は、国や環境問題の解決に取り組んでいる企業だけでなく、国民一人ひとりに環境問題へ取り組むことを求めています。

条文の内容を国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律より、以下に引用して紹介します。

 国及び独立行政法人等は、物品及び役務(以下「物品等」という。)の調達に当たっては、環境物品等への需要の転換を促進するため、予算の適正な使用に留意しつつ、環境物品等を選択するよう努めなければならない。

国及び独立行政法人等の責務(第3条)

地方公共団体は、その区域の自然的社会的条件に応じて、環境物品等への需要の転換を図るための措置を講ずるよう努めるものとする。

地方独立行政法人は、当該地方独立行政法人の事務及び事業に関し、環境物品等への需要の転換を図るための措置を講ずるよう努めるものとする。

地方公共団体及び地方独立行政法人の責務(第4条)

 事業者及び国民は、物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合には、できる限り環境物品等を選択するよう努めるものとする。

事業者及び国民の責務(第5条)

それぞれの条文を見ると、国・独立行政法人は「努めなければならない」、地方公共団体・地方独立行政法人は「努めるものとする」、事業者・国民は「できる限り環境物品等を選択するよう努めるものとする」と取り組み方に幅をもたせていることがわかります。

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グリーン購入法における3つの考え方

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環境に配慮した生産・消費活動を促進するグリーン購入法には、3つの基本的な考え方があります。

1.   環境負荷の少ない物品等及び環境負荷低減に努めている事業者の選択

商品やサービスを購入する際には、価格・品質といった多くの要素が関わりますよね。

もちろん、どの商品を購入するかは私たち消費者の自由ではありますが、グリーン購入法においては、環境負荷の少ない商品の購入がグリーン購入推進への取り組みにつながります。

また、環境負荷の少ない商品を購入するには、商品設計や製造工程で環境負荷の低減に努めている事業者から購入することも大切です。

2.   ライフサイクル全体を考慮した物品等の調達

製品を購入する際には、その製品の資源採取から製造・廃棄など、製品のライフサイクルにおける環境負荷の低減を考慮する(ライフサイクルアセスメントを考慮する)ことも、グリーン購入推進に向けた考え方の1つです。

3.   最優先されるべきはリデュース

「リデュース」とは、ゴミの排出量を少なくするために、商品の調達量を抑える取り組みのこと。「安いから買おう」「多めに買っておこう」と、商品の購入・調達量を増やすよりも、長期的に使用できる商品を選んで購入することがグリーン購入促進につながります。

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グリーン購入を実践する3つの意義

グリーン購入を推進・実践することは、私たちの生活を取り巻く3つの領域「環境面」「経済面」「社会面」に大きな影響を与え、持続可能な社会の構築につながります。ここでは、グリーン購入を実践する3つの意義をご紹介します。

環境面

製品やサービスの製造工程では、「温室効果ガス」「汚染物・廃棄物」などの環境汚染物質の排出や、森林伐採・土壌汚染による環境破壊など、さまざまな環境問題に直面します。

グリーン購入を実践することで環境汚染物質排出の抑制に加え、環境汚染や環境破壊から資源を守ることにもつながります。

経済面

環境に配慮した製品やサービスを開発することは、簡単なことではありません。しかし、高い商品開発力や技術力を取得することで、企業の市場価値や国際競争力を高めることにつながります。

社会面

環境汚染物質の排出が抑制されることで、人々が快適に生活できる環境を維持できます。労働者の生活環境の質が向上することで、労働環境の改善にも大きな影響を与えます。

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グリーン購入法で定められている特定調達品目一覧

グリーン購入法の基本方針では、特に重点的に調達を推進すべき環境物品を「特定調達品目」として定めています。2001年に14分野101品目だった特定調達品目数は、2020年現在では22分野275品目にまで増えました。

特定調達品目の22分野は、以下の表のとおりです。

紙類文具類オフィス家具等
画像機器等電子計算機等オフィス機器等
移動電話等家電製品エアコンディショナー等
温水器等照明自動車等
消火器制服・作業服等インテリア・寝装寝具
作業手袋その他繊維製品設備
災害備蓄用品公共工事役務
ごみ袋等

22分野に関する物品が必要になった際には、グリーン購入法の適合品が検索できる「エコ商品ねっと」で検索・購入してみてはいかがでしょうか。

エコ商品ネットのWebページはこちら

エコマーク認定商品はグリーン購入法に適合している

グリーン購入法に定められている要件に適合している製品には、ラベルやマークなどの表示が可能になります。『人の手が地球を包み込んでいるマーク』として、多くの消費者にとって馴染みのある「エコマーク」もその1つ。

エコマークは、商品の生産から廃棄にわたるサイクルの全体を通して環境への負荷が少なく、環境保全に役立つと認められた商品につけられる環境マークです。

このエコマークは、グリーン購入法の判断基準以上の多面的な基準を策定していて、エコマーク認定商品は原則として、グリーン購入法(判断の基準)に適合しています。つまり、エコマーク商品を購入することは、グリーン購入の促進活動へとつながります。

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グリーン購入法の取り組み事例

グリーン購入を推進する機関「グリーン購入ネットワーク(GPN)」は毎年、持続可能な調達を通じて環境に配慮した製品市場の拡大や、SDGsの目標達成への取り組みを実施している企業・団体を「グリーン購入大賞」で表彰しています。

19回(2018年)の表彰からは、SDGsの目標の1つである「目標12:つくる責任つかう責任」に関連した持続可能な調達(消費と生産)への取り組みも応募対象に含まれるようになりました。 

ここでは、グリーン購入大賞の受賞事例を2つご紹介します。

ホットマン株式会社

ホットマン株式会社は、東京・青梅で50年以上にわたりタオル製造を続ける老舗繊維製品メーカーです。ホットマン株式会社では、2014年から国内初となる「日本製フェアトレードコットンタオル」の製造・販売を行い、タオルを通じてSDGsの達成に向けて活動しています。

フェアトレードとは、発展途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入して、途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す運動のことをいい、「公正取引」「公正貿易」とも呼ばれます。フェアトレードは、「目標8:働きがいも経済成長も」「目標10:人や国の不平等をなくそう」など、労働格差を無くすSDGsの目標達成につながります。

今回、ホットマン株式会社が製作したタオル「カレント」は、フェアトレードの工程に加えて、圧倒的な吸水性を誇る「1秒タオル」という付加価値も加わり、いいモノを長く使う持続可能な製品としても活用できます。

さらに、「1秒タオル」は一般的なタオル製造で使用されるような柔軟剤や吸水剤を一切添加しないため、製造工程から消費まで、環境に配慮した作りになっています。

春日部市

埼玉県春日部市は環境に配慮した新電力の購入を実施するため、20134月に「春日部市電力の調達に係る環境配慮方針」を策定しました。

この方針では、市で電力不足が懸念される夏季に休暇となる小中学校を導入施設とし、市内全37の小中学校で使用する電力の調達契約が入札。今回の取り組みにより、例年の電力使用量と比較して約12%のコストダウンと、約51%の二酸化炭素削減につながりました。

春日部市では他にも、グリーン購入法の趣旨の沿って、「かすかべECO(えこ)調達品」として151品目を対象品目に定めました。、さらに、物品調達の担当職員向けに「かすかべECO(えこ)調達品ガイドライン」を作成し、市内独自のグリーン購入の推進活動を実施しています。

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グリーン購入まとめ

今回は、グリーン購入の概要やSDGsとの関係についてご紹介しました。

購入を通して環境負荷を軽くすることを目指すグリーン購入は、「SDGs目標12 ターゲット12.7」を実現するための施策として促進され、グリーン購入法で定められた商品の購入は、環境保全やSDGs達成の貢献につながります。

また、企業や地方団体がグリーン購入を推進・実行することは、SDGs関連の活動として推進できるだけでなく、新規事業の創出や既存事業の拡大にも応用できるでしょう。

今後ますます深刻化が予想される環境問題に対して取り組める行動として、グリーン購入をはじめてみてはいかがでしょうか。

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