階層別のSDGs・サステナ研修で扱うべき内容と事例|一般社員と経営層向けを紹介

SDGs・サステナビリティへの取り組みを始める、または深めるためにさまざまな企業で研修が実施されます。研修を企画して社内承認を得る際に頭を悩ませるのが、その目的と内容です。担当者が時間をかけてリサーチしても、自社に必要な研修の目的と内容が定まらず自信を持って社内に提案できない状況をよく耳にします。
そのような状態で当社にご相談が寄せられることが多いため、その助けになるような情報をこの記事にまとめました。この記事は、商談でお話している内容や実際にクライアントに納品した研修事例をふんだんに使っているため、SDGs・サステナ推進に悪戦苦闘している方々の参考になるでしょう。
研修の対象者として代表的な一般社員と経営層を題材に、それぞれの研修で扱うべき内容と具体例を紹介します。
今回の記事は以下のような人にオススメです
- 研修についてリサーチしているSDGs担当者
- 研修企画を担う人事部の担当者
- 社内でSDGsへの取り組みを活発化させたい経営層
目次
階層別研修とは
階層別研修は、異なる階層や役職の従業員に対して、それぞれの役割や責任に応じて知識やスキルアップを促す機会で、業務でより大きな成果を上げられるようになること目的としています。新入社員・若手社員・マネージャー・経営層などがおもな対象です。
従業員全体の能力・パフォーマンスの向上だけでなく、リーダーや幹部育成などが目的に据えられます。具体的には、目の前の業務に活かせるビジネススキル・リーダーシップ・キャリア開発などが伸ばせる内容の研修が実施されます。
採用される研修形式はさまざまで、座学研修・eラーニング・ワークショップなどインプットと個人・グループでの発表やロールプレイングなどのアウトプットを織り交ぜて、知識・スキルの定着を目指します。
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SDGs/サステナビリティの社内浸透には、従業員に基礎知識と自社方針を理解してもらう必要があります。しかし、既存のパッケージ化された研修・ eラーニング教材では、自社方針を盛り込むことが難しいです。
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一般社員向けのSDGs研修で扱うべき内容と具体例
SDGs・サステナビリティの知識や考え方は、基本的なビジネスリテラシーの1つとして一般社員にも求められるようになっています。
お客様から質問されたSDGsの情報に回答したり、サステナビリティに基づいた企画を立案したりと、日々の仕事でSDGs・サステナビリティの知識や考え方が必要なケースを実感している人も多いのではないでしょうか。
そのような状況に対して、一般社員向けのSDGs研修を実施することで知識の獲得・底上げが目指されています。
ここでは、一般社員向けのSDGs研修で扱われるおもな内容と、SDGs media を運営する株式会社Dropが実施してきた一般社員向けのSDGs研修の事例を紹介します。
一般社員向けSDGs研修で扱うおもな内容
一般社員を対象にしたSDGs研修では以下のような内容を扱うことが多いです。
- SDGs基礎知識
- SDGsとビジネスの関係性
- SDGsに取り組む意義、メリット
- SDGsは一人ひとりが主役である
SDGsという言葉自体は聞いたことがあっても、その内容や自分の業務との関係まで理解している人はまだ少ないです。一般社員向けにSDGs研修を行う場合は、SDGsについて何も知らない参加者に合わせて研修カリキュラムを設計することが大切です。
SDGsを扱う以上、聞いたことがない用語や横文字言葉(相対的貧困・パーパスなど)やアルファベットの略語(ESG・CSRなど)を研修に含める必要があります。受講者がこのよう言葉を理解できずに、集中力が切れることがないようわかりやすい解説を意識するようにしましょう。
SDGsの成立背景や各目標の内容だけでなく、ビジネスとの接点を扱うことが一般社員向け研修の特徴です。研修によって日々の業務にSDGsを取り入れてもらうことを目的にするケースが多いため、そのような情報は欠かせません。
また、ビジネスとSDGsという規模の大きな話だけでなく、SDGsは一人ひとり関係する「自分ごと」であることを理解してもらうことも重要です。SDGsの基礎を理解して自分ごとにしてもらうことで、日々の業務で直面したSDGsの事柄に対して自発的な学習や発信が期待できるようになります。
それでは、具体的な一般社員向けのSDGs研修事例を見ていきましょう。
事例1:機械関係のメーカー|対象者:約300名
一般社員だけでなく経営層にも参加してもらった研修です。ゼロからSDGsについて知るにはピッタリの内容なので、基礎的なSDGs研修として業界業種や企業規模を問わず求められています。
SDGsに取り組む意義 |
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SDGsの基本知識 |
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SDGsとビジネスの関係 |
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未来を予見する |
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事例2:メディア関係|対象者:約280名
自社でCO2排出量の削減に取り組み始めるにあたり、一般社員だけでなく経営層も含めたカーボンニュートラルの基礎知識を学ぶ研修を実施しました。
環境の基本知識 |
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気候変動対策の進め方 |
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求められる取り組み |
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事例3:メディア関係|対象者:約200名
研修対象である一般社員が、研修を受けたあとにどんなSDGs関連のアクションができるのか、具体的に考えられるような内容の研修でした。そのため、メディア業界での事例を多めに扱いました。
メディアの取り組み |
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事例:Netflix |
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SDGs推進のステップ |
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マテリアリティ理解 |
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経営層向けSDGs研修で扱うべき内容と具体例
企業戦略を考えるうえで、SDGs・サステナビリティの視点を持つことが当たり前になってきており、SDGs・サステナビリティの考えをベースに事業を行い、企業価値を高めることで社会により大きな好影響を与えることが求められています。
自社のビジョン・ミッション・パーパスをもとに自社らしいSDGs方針を立てて、それを社内外に発信する企業を目にすることも多いのではないでしょうか。
このようなSDGs経営に着手するには、経営層の働きが欠かせません。経営層がSDGs推進に必要な役割を担うために、まずはSDGs経営に関する情報や考え方のインプットが必要です。このニーズに応えるのが経営層向けのSDGs研修です。
ここでは、経営層向けのSDGs研修で扱われるおもな内容と、SDGs media を運営する株式会社Dropが実施してきた経営層向けのSDGs研修の事例を紹介します。
経営層向けSDGs研修で扱うおもな内容
経営層を対象にしたSDGs研修では以下のような内容を扱うことが多いです。
- SDGs基礎知識
- 自社が外部から期待される役割とは
- 自社を待ち受ける外部環境の変化
- SDGs推進で経営層が期待される役割
経営層がSDGs推進の役割を担うためには、一般社員と同じようにSDGsの基礎知識が不可欠です。受講対象者がその基礎を十分に持たないケースもあるため、復習や理解度を合わせる意味も込めて、経営層研修でもSDGs基礎知識を扱うことが多いです。
経営層は、自社の全体を俯瞰して見ながら戦略を立てて成果を上げることや、社会へ貢献することが求められているため、社外から期待されていることや外部環境の変化を把握することが大切です。
SDGs推進の主体になるのはSDGs担当者やSDGs委員会のメンバーです。そこで、経営層に求められる役割は社員への動機づけです。そのような主体と経営層との役割の違いを経営層自らが理解することで、経営層がSDGs推進で力を発揮しやすくなります。
それでは、具体的な経営層向けのSDGs研修事例を見ていきましょう。
事例1:日用品メーカー|従業員数:約1,700名
SDGsをこれから学ぶ、もしくは復習をかねてSDGsをしっかり理解することを目的においた研修を実施しました。最初の3つのトピックで経営層に必要な情報を伝え、最後には自社に関係するステークホルダーが求めていることや市場動向を紹介しています。この情報によって、受講者がSDGsは自社に関係することであり自分ごとだと理解してもらいやすくなります。
SDGsの基本知識 |
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SDGsとビジネス |
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SDGs推進のステップ |
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自社業界の状況 |
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事例2:IT業界|従業員数:約1,000名
経営層のSDGsへの意識醸成を狙い、親会社や主要な取引先の動向を取り上げることで、SDGs経営の必要性を訴求する研修でした。最後には研修で学んだ内容を自社に落とし込むワークを実施しました。この研修は後日、一般社員にも共有され知識の底上げを狙いました。
SDGs経営とは |
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SDGsの基本知識 |
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SDGsとビジネス |
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SDGsドミノワーク |
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事例3:食品関連|従業員数:約16,000名
自社のマテリアリティを決めることを念頭に置いた複数回の研修シリーズ内で実施したのが、こちらのワークショップ型の経営層研修でした。まずは、経営におけるサステナビリティの重要性を理解した後に、マテリアリティ候補になる課題について対話形式で意見交換をする形で実施しました。
SDGsに取り組む意義 |
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ダイアログ(対話) |
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事例4:IT業界|従業員数:約900名
この研修では、経営層が自らの言葉で従業員に向けて、サステナビリティに取り組む意義を伝えられるようになることを目的にしました。そのため、基礎知識のインプットだけでなく、先進事例の背景を考えて議論する時間も盛り込みました。
サステナビリティ経営とは |
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サステナビリティとビジネスの関係 |
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未来を予見する |
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SDGs/サステナビリティの社内浸透には、従業員に基礎知識と自社方針を理解してもらう必要があります。しかし、既存のパッケージ化された研修・ eラーニング教材では、自社方針を盛り込むことが難しいです。
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階層別研修のカリキュラム設計のポイント
一般社員向けの研修事例3種類と経営層向けの研修事例5種類を紹介してきましたが、それぞれのカリキュラム設計のポイントを紹介します。
研修のゴールを設定する
研修を実施することで対象者に、どのような変化を遂げてもらいたいのかゴールを設定しましょう。研修で知識が得られても、何らかのアクションに表れなければ研修の効果があったとは言えません。
研修のゴール例
- 一般社員が自身の業務とSDGsの内容を関連付けて説明することができるようになる
- 経営層が自社のマテリアリティの決定やSDGs方針の策定に向けて具体的な行動を取れる など
このように研修によって、どんなアクションをできるようになってもらいたいのか考えてゴールに設定しましょう。
研修対象者の現在地を把握する
研修のゴール設定や内容を決めるうえで、研修前に対象者が研修で扱う内容をどれくらい理解しているのかわかると、より効果的なゴール設定や研修コンテンツの準備ができます。
研修対象者の多くがすでに理解している内容を研修で扱っても、時間の無駄になってしまう可能性が高いです。事前にアンケートやヒアリングで、研修対象者の現在地を把握することで、研修の効果を上げられるようにしましょう。
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自社で扱えない内容なら専門家を頼る
研修のゴールと研修対象者の現在地がわかれば、それらのギャップを縮める研修コンテンツが決まってきます。研修の講師を務めるのは、自社の社員や役員もしくは外部の専門家です。
自社でまかなう内製と外部の専門家を頼る外注は、それぞれメリットデメリットがあるため、自社・担当者の状況や研修のゴールに合わせて判断するようにしましょう。
研修計画を立てる
SDGs関連の情報をインプットするだけでなく、業務に活かしたり本質的なSDGs推進を実施したりするには、1回だけの研修では足りません。このような目的を果たすためには、半年から1年ほどかけて定期的にインプットとアウトプットの機会を設けられるように研修計画を立てましょう。
SDGs社内浸透の研修計画を立てるポイントや当社のオリジナル研修計画作成ツール(無料)の情報は、以下の記事にまとめているので参考にしてください。
[ショートコードが正しくありません]まとめ
SDGs・サステナビリティの取り組みは、全社的に知識を深めて事業に盛り込んだうえで一人ひとりの業務でその知識が発揮されると、成果に繋がりやすくなります。そのためには、全社的な研修だけでなく、目的と対象者をしぼった階層別の研修が効果的です。
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