中小企業がSDGs経営を始める方法|メリット・流れ・具体例も紹介
SDGsをビジネスチャンスにつなげようと、2019年ごろからSDGsに取り組み始める中小企業が増えてきました。しかし、SDGsには法的な強制力がなく、取り組み内容については企業に一任されています。
そのため、「何から始めればいいのかわからない」「取り組み方がわからない」という疑問を抱きながら、手探りの状態でSDGsに向けた取り組みを進めている中小企業が大半です。
そこで今回の記事では、中小企業のSDGsへの取り組み方について解説します。
SDGs media を運営する株式会社Dropでは、SDGsコンサルティングやSDGs研修のサービスを提供しています。その知見から、SDGsに取り組んでいく中小企業の経営層の方やSDGs担当者向けに、必要な情報をお伝えします。
今回の記事はこんな人にオススメです
- SDGs担当者に選ばれたが、何からすればいいのか分からない
- すでにSDGsに取り組んでいるが、やり方が正しいのか不安
- 中小企業がSDGsに取り組む流れを知りたい
- 中小企業の企業事例を知り、自社の参考にしたい
目次
SDGsの内容をおさらい
はじめに、SDGsの内容について、簡単にご紹介します。すでにSDGsの基礎知識を勉強された方は、このあとの「SDGsを事業に取り入れる方法」まで読み飛ばしてください。
SDGs(エスディージーズ)とは、Sustainable Development Goalsの略称で、日本語で持続可能な開発目標という意味です。SDGsは、2016年から2030年の15年間で達成すべき世界共通の目標として、2015年9月に国連で開催された持続可能な開発サミットで国連加盟193カ国が合意して採択されました。
SDGsには、2030年のあるべき姿を描いた17の目標と、それらの目標を達成するための具体的な169個のターゲットが設定されています。
SDGsの基本について、詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
▶SDGsとは?17目標と日本の政府・企業の取り組みを徹底解説
【独自サービス】知識獲得の先にある自社方針の解説を含む貴社オリジナルの動画教材を制作します!
SDGs/サステナビリティの社内浸透には、従業員に基礎知識と自社方針を理解してもらう必要があります。しかし、既存のパッケージ化された研修・ eラーニング教材では、自社方針を盛り込むことが難しいです。
そこでSDGs media を運営する株式会社Dropでは、自社方針の解説などお客様が従業員に知ってもらいたい情報を教材に盛り込める『社内浸透用のオリジナル動画制作サービス』を取り扱っており「自社方針や取り組み内容など社員に伝えたい情報をわかりやすく動画にしてもらえて、繰り返し毎年利用できることも助かる」などと好評を得ています。
中小企業がSDGsに取り組むメリット
次に、SDGsに取り組む中小企業が得られる4つのメリットをご紹介します。
メリット1:企業イメージの向上
SDGsの取り組みが取引先や消費者に浸透すれば、企業イメージの向上につながります。企業イメージが良いと、消費者は価格に左右されずに、その企業の商品やサービスを選択してくれます。
また、企業イメージが良い企業には優秀な人材が集まりやすく、人手が不足する時代においても採用活動で有利になります。
メリット2:社会課題への対応
もし、環境問題に無関心でいれば、自然災害による事業悪化や停止のリスクが高まります。つまり、社会課題に対応することは、将来考えられる経営リスクを回避することにつながるのです。
また、社会に良い取り組み(人権の尊重・格差の是正など)を行っていれば、社員の働きがいや生産性の向上にもつながります。
メリット3:生存戦略につながる
自社でSDGsに取り組まないことも1つの経営判断です。しかし、これからの時代においては、世界的にSDGsに取り組む企業がさらに増えていくでしょう。
その際、積極的にSDGsに取り組む企業は、「SDGsに前向きな企業」か「SDGsに無関心の企業」のどちらと取引や協業をしたいでしょうか?
実際に、大手企業を中心にサプライヤーがSDGsに配慮しているかを確認する動きが出てきており、SDGsへの取り組みが企業の生存戦略につながる時代が到来しています。
メリット4:事業機会の創出
多くの中小企業は、仕入先・外注先・販売先といったビジネスセクターとのつながりが主流です。
SDGsに取り組むことで同じ課題を解決したい行政・NPO・教育機関といった、これまで関わりのなかったパートナーとのつながりが生まれます。このようなつながりをきっかけに、新たな事業を創出する機会が生まれます。
企業がSDGsに注目している理由
お付き合いのある取引先や銀行の社員がSDGsバッジを身につけている、新聞やニュースでSDGsを見聞きするなど、積極的にSDGsに取り組む企業が増えていることを実感している方も多いのではないでしょうか。
それでは、なぜSDGsに取り組む企業が増えているのか。その理由は、SDGsの取り組みがビジネスチャンスにつながり、企業価値を向上させるからです。
環境や社会に配慮した取り組みはコストがかかり、売上につながりにくいイメージがあります。しかし、2017年の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、「SDGs達成により、2030年までに少なくとも12兆ドルの経済価値、最大3億8,000万人の雇用が創出される可能性がある」と発表されました。つまり、SDGsによって新たな市場が創出されるのです。
2019年12月2日の日本経済新聞朝刊では、新規事業の開発や経営計画にSDGsを取り入れ、積極的にSDGsに取り組む企業は、自己資本利益率(ROE)などの指標が高い傾向があるとも報道されました。
さらに、SDGsと密接に関係するESG投資が世界的に拡大し、お金の流れがESGにシフトしていることも要因の1つです。
ESG投資とは、売上高や財務の健全性などの財務情報だけではなく、E(環境)、S(社会)、G(企業統治)といった非財務情報をもとに、企業の成長性を評価する投資手法です。
つまり、企業がSDGsに取り組むと、投資家から評価され、よりたくさんの資金調達ができ、新たな事業に挑戦する機会につながるのです。
とはいえ、中小企業で働くビジネスパーソンにとってESGは、上場企業に関係するイメージが強く、どこか遠い存在に思えるかもしれません。しかし、現在多くの銀行では、ESG投資だけではなく、ESG融資にも力が入れられています。
ESG融資は、気候変動対策などに取り組みたい企業に対して、貸出金利を優遇することで中小企業が積極的にSDGs推進できるよう支援する取り組みです。そのため、SDGsやESGの取り組みが資金調達にも繋がりやすくなります。
ESG投資について、詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
企業のSDGsへの取り組み方「5つのステップ」作成の参考資料
企業のSDGsへの取り組み方は、既存事業の強化と新規事業の創出の2つの目的によって異なります。
中小企業は人・モノ・金といったリソースが限られていることが多く、多くのリソースを必要とする新規事業の創出より既存事業の強化が取り組みやすく、スピーディーに効果が出やすいです。
そのため今回の記事では、中小企業の実情に合う既存事業の強化を目的にした、SDGsへの取り組み方を紹介します。
なお、今回紹介する取り組み方は、SDGsの企業行動指針である『SDGコンパス』と、環境省発行の『SDGs活用ガイド』、さらにSDGs media(株式会社Drop)の知見を盛り込んだ内容です。
各種ガイドラインをより理解したい方は、記事の末に記載している参考サイトからご確認ください。
また、SDGコンパスの5つのステップをそれぞれ詳しく解説した記事も用意しています。こちらでも初学者にわかりやすく伝えることを意識していますので、自社でSDGs推進を考える・取り組む際にぜひ参考にしてください。
SDGs推進の流れがわかるSDGコンパス超解説記事の一覧
ステップ1:SDGsを理解する
ステップ1でのアクション
- 社内でSDGsを推進するメンバーを決める
- SDGsの基礎知識を学習する
- 自社事業とSDGsの17目標を紐付けて整理する
社内でSDGsを推進するメンバーを決める
SDGsを推進する上で、まずは中心となってSDGsを推進するメンバーを決定しましょう。
その際に、大事なポイントが2つあります。
1つ目は、チームを編成することです。SDGsの推進は社員1人では難しく、少なくとも3名以上のチームを作りましょう。
2つ目は、経営陣のチームへの参加です。推進メンバーには経営者および経営者に意見できる役員が参画してください。
SDGsは一時的な取り組みではなく、企業の中長期的な戦略です。つまり、若手社員だけで中長期的な戦略を考えることは難しく、経営層のリーダーシップが求められます。メンバー編成のポイントはYouTubeでも解説しています。
SDGsの知識を学習する
SDGsを推進するメンバーが決まり、体制が構築できれば、SDGsの知識について学習していきます。
その際に、大事なポイントが2つあります。
1つ目は、SDGsが社内共通言語になるように、チーム全員で共通の知識を増やすことです。独学の場合、社員によって異なる解釈をし、言葉の定義にブレが生じる恐れがあります。2つ目は、SDGsの表層的な知識だけではなく、SDGsの本質を理解することです。
しかし、自分たちだけでSDGsの本質を理解することは難しいので、このステップでは、SDGsの基礎知識と取り組みの全体像がわかる無料の動画教材『SDGsのすゝめ』をオススメします。
SDGsに関する情報は日々アップデートされますので、日常業務をこなしながら、独学で学ぶことはとても労力がかかります。自分たちでSDGsを学習する姿勢も大事ですが、1日でも早くSDGsに取り組みことを優先するならば、適切な教材の力を活用することを検討しましょう。
また、SDGs mediaを運営する株式会社Dropでは、お客様のご要望に合わせたSDGs研修を開催することができます。SDGs研修は対面・オンラインなど開催方法も含めてアレンジできます。
標準的なメニューでは、SDGsの理解度や推進状況・対象に合わせて『SDGs基礎研修』・『SDGs実践研修』・『SDGs経営層向け研修』の3種類を用意しています。SDGsの取り組みに向けた研修を探している際は、ぜひご相談ください。その際は問い合わせフォームのご用件で「SDGs研修のご相談」を選んでお問い合わせください。
また他社のSDGs研修も検討したうえで実施する研修を決めたい場合は、こちらの『SDGs研修の選び方ページ』が参考にできます。3つのポイントから後悔しない研修選びの方法を解説しています。
まずは手軽に一人で学習したい方はSDGs mediaが毎月開催しているオンラインセミナー(ウェビナー)をオススメします。開催内容や今後のスケジュール、世の中で開催されているSDGsセミナーについて知りたい場合は以下の記事をご確認ください。
SDGsの基礎知識やビジネス文脈における位置づけについて社内で勉強会を行う場合は、信頼性の高い機関が公開しているSDGsの資料がオススメです。まず読むべき資料は以下の記事で解説しています。
全社的にスピーディーなSDGs基礎知識の理解浸透を目指すなら、SDGs eラーニングサービスがおすすめです。詳しい情報は以下の記事をご確認ください。
自社事業とSDGsの17目標を紐付けて整理する
SDGsの基礎知識を学習し終えたら、SDGsをよりジブンゴトに落とし込みましょう。この際に有効な手段が、自社事業とSDGsの17目標の関係性を紐付けて整理することです。これをマッピングと呼びます。
例えば、教育事業を行っている企業では目標4「質の高い教育をみんなに」に貢献できるため、事業と目標4を紐付けます。
しかし、貢献する目標はそれだけではありません。質の高い教育を受けた子どもは、進学や就職などの人生の選択肢が一般的には増加します。つまり、目標10「人や国の不平等をなくそう」にも間接的な好影響を及ぼします。
このように、自社の取り組みが直接的だけでなく、間接的にさまざまな目標に影響を与えていることも意識して紐付けていきましょう。
間接的な影響の例
- 石炭火力発電所由来の電力を使用する
会社で電力を使った分だけ温室効果ガスの排出量に間接的な影響を与えます。 - 間接的な悪影響を生む原材料の調達 自社製品に使用する原材料を調達することで環境負荷が発生したり、原材料の育成・製造で人権侵害が存在していたりすると、間接的な悪影響を与えることになります。
自社事業とSDGsの17目標を紐付ける整理の方法には、注意点があります。マッピングを行うと、自社とSDGsの関係性が明確になり、「すでに自社はSDGsに取り組んでいる」と満足されてしまう方がいらっしゃいます。
SDGsは、2030年の豊かな世界を目指す未来志向のフレームワークです。そのため、これまで(過去)の取り組みをSDGs文脈で整理したマッピングでは、SDGsが目指す豊かな世界に到達できないこと理解した上で、次のステップに進むことが重要です。
SDGsマッピングについては、記事とYouTubeでも解説しています。
ステップ2:優先課題を決定する
ステップ2でのアクション
- 自社事業が貢献できる目標を見極める
- バリューチェーン全体を分析し、自社が悪影響を与えている課題を見つける
- 優先的に取り組む課題を、169のターゲットと紐づけて整理する
自社事業が貢献できる目標を見極める
SDGsが企業に求める役割は、社会に最大限の価値を与えることです。つまり、最も影響力のある自社事業でSDGsに貢献することが重要です。
SDGsは17の目標で構成されているため、すべての目標に貢献したいと考える方がいらっしゃいます。しかし、企業の事業内容によって貢献できること・貢献できないことがハッキリ区別できるため、17の目標すべてがどの企業にとっても等しく重要ではありません。
例えば、建設会社は災害に強い建物をつくることで目標11「住み続けられるまちづくりを」に貢献できますし、教育会社は良質な教育環境を提供することで目標4「質の高い教育をみんなに」に貢献します。このように、自社の強みを活かして、貢献できる目標を見極めていきましょう。
バリューチェーン全体を分析し、自社が悪影響を与えている課題を見つける
自社の事業活動におけるバリューチェーンを俯瞰し、環境や人権などの分野に与える悪影響を明らかにしましょう。
環境に良い製品を作るにも、生産工程では温室効果ガスを排出しています。つまり、自社視点で良いと思っている取り組みでも、バリューチェーン全体を俯瞰すると、自社の存在が悪影響の原因になっていることがあるのです。
間接的に影響を及ぼしている課題に対しては、当事者意識を持つことが特に難しいかもしれません。しかし、SDGコンパスでは企業として、その範囲も含めて企業責任を果たすことが求められています。
このような理由から、自社のバリューチェーン全体を調査・分析する必要があるのです。分析によってたくさんの課題が出てきますが、一度にすべての課題を解決することはできません。そのため、自社が優先的に取り組むべき課題についても議論しましょう。
SDGs media を運営する株式会社Dropでは、『バリューチェーンマッピング研修』を提供しています。自社だけでは効果的なバリューチェーン分析ができない場合は、ぜひご相談ください。その際は問い合わせフォームのご用件で「SDGs研修のご相談」を選んでお問い合わせください。
優先的に取り組む課題を、169のターゲットと紐づけて整理する
バリューチェーンを分析することで、自社にとっての優先課題が決定しました。
その優先課題をSDGsの各目標に含まれる全169ターゲットと関連付けていくことで、さらにSDGsの視点で自社の課題を認識できます。
なお、169のターゲットを読み解くのが大変だと感じる方もいらっしゃると思います。
そういう方は、公益財団法人日本ユニセフ協会「SDGs CLUB」のWebサイトがオススメです。子どもがSDGsのことを学べるように情報が整理されているので、169のターゲットが分かりやすい言葉で紹介されています。
公益財団法人日本ユニセフ協会「SDGs CLUB」はこちらから
ステップ2で行うバリューチェーンマッピングは、YouTubeでも解説しています。
ステップ3:目標を設定する
ステップ3でのアクション
- 優先課題を踏まえ、目標を設定する
- 進捗を測定する評価指標を決定する
- SDGsへのコミットメントを公表する
優先課題を踏まえ、目標を設定する
ステップ2で決定した優先課題をもとに、自社独自の取り組みや目標を設定します。
多くの企業にとってSDGsの取り組みは初めてのことばかりになりやすく、自社だけで取り組みや目標を考えることが難しく感じるかもしれません。これは、SDGsが壮大な目標であるため、SDGsの前文や目標内容が自分ごと・自社と関係のあることだと感じにくい点が原因の1つです。
そのため、ステップ3で重要なのは、SDGsの内容を自分ごとに読み替える工夫をすることです。
例えば、皆さんが暮らす自治体のWebサイトをチェックしてみてください。多くの自治体では、独自のSDGs方針が策定されています。国連で採択されたSDGsには少し遠く離れた印象を持っても、自治体のSDGs方針なら身近に感じやすいです。
ここでは、身近な自治体のSDGs方針を読み進めながら、自社の取り組みや目標を考えてみましょう。
進捗を測定する評価指標を決定する
設定した目標がどれだけ達成できているのか、進捗を測定するための評価指標を決定します。
もし、評価指標がなければ、その目標はただの掛け声に過ぎません。評価指標を設定する上ではSMART原則を参考にしてください。
Specific(明確) | 内容や表現があいまいでなく具体的か? |
---|---|
Measurable(測定可能) | 測定するデータは定量的か? |
Attainable (達成可能) | 達成可能か? |
Relevant (関連性) | 目標達成に関連があるか? |
Time-bonded(時限的) | 期限を設定しているか? |
SDGsへのコミットメントを公表する
SDGsに取り組むコミットメントを社内および社外に公表しましょう。SDGsのコミットメントを公表すると、社員のモチベーションが向上するとともに、ステークホルダーとSDGsに関する対話の土台を構築できます。
さらに、SDGsへのコミットメントをSDGs宣言として公表する中小企業が増えています。その要因の1つとして、さまざまな自治体が主導となって、SDGs宣言を公表する施策が行われているからです。
SDGs mediaでは、『SDGsの社外開示がわかる資料1「SDGs宣言って何?」』という無料の資料を用意してます。127社分のSDGs宣言を調査し、SDGs宣言を公表するための知識やフローをまとめたオリジナル資料を無償提供していますので、気になる方は資料請求をしてください。
ステップ4:経営へ統合する
ステップ4でのアクション
- サステナブル要素を全部門に組み込む
- 目標達成に向けた具体的な施策を検討する
- 定期的に経営者がSDGsについて発信する
サステナブル要素を全部門に組み込む
これまでは社内のSDGs推進メンバーが中心となって、優先課題の決定や目標設定といった役割を果たしてきました。
ステップ4からは決定した方針をもとに、具体的な取り組みを各事業部に落とし込みます。製造に関する目標は製造を担当する部署が主体的に取り組むと、成功する可能性が高いからです。
この際に、各事業部の目標設定は事業責任者に任せることが重要です。事業部目標を決めるプロセスが、SDGsをジブンゴト化させ、主体的に取り組みやすくなるからです。
また、SDGsの取り組み具合を人事評価の査定項目に含めると、よりSDGsへの取り組みが活発になります。
「SDGsが伝わらない!」から脱却する30の社内浸透の方法を資料にまとめました
SDGsに取り組む際の課題の1つとして挙げられる「社内の理解度が低い」。研修・Webや社内報・トップメッセージなどで社内にSDGsを浸透させようとするものの、中間管理職や一般社員のSDGs理解度に課題を抱える担当者は多いです。目指すはSDGsの社内啓蒙を強化することですが、なかなかうまくいかない現実があります。
そのような担当者向けに作成したダウンロード資料が『SDGs社内浸透施策 具体例30選』です。実際に、当社に寄せられる社内浸透へのお悩み、当社の支援実績や企業事例をもとに厳選した30種類の社内浸透策をまとめています。
社内浸透がうまくいっている企業では、1度きりの研修ではなくさまざまな手法で継続的に施策を実行しています。ぜひ資料を参考にして新たな社内浸透の方法を採用して理解度アップにお役立てください。
目標達成に向けた具体的な施策を検討する
事業部別で決定した目標に対して、具体的な施策アイデアを検討します。
この際に参考になる情報を『【17目標別】企業のSDGsアクションリスト|345種類の施策から自社の取り組みを探そう』という無料の資料にまとめました。この資料では、SDGsの169ターゲットごとに自社事業で貢献できるビジネスアクションを345種類紹介しています。
企業の目標設定におけるヒントにつながりますので、必要な方はSDGs media で資料請求をしてください。
また、企業が取り組める具体的なSDGs関連の施策22種類を、以下の記事で紹介しています。全社員・バックオフィス・経営層と取り組み主体を分けて整理しています。
定期的に経営者がSDGsについて発信する
SDGsを推進する上で、大きな壁となるのが社内浸透です。
SDGsの世界観をカードゲームで学ぶ2030SDGsなどのワークショップを開催すれば、SDGsの重要性を楽しく学習することができます。しかし、1回の研修だけでSDGsを社内に定着させることは難しく、定期的に経営者がSDGsについて発信することが求められます。
社内朝礼・社内報・社内催事など、さまざまなシーンでSDGsについて発信することで、社員自身もSDGsをジブンゴトに感じていきます。そして、SDGsが社内に定着すれば、社員が自発的にSDGsに向けたアクションを開始します。
社内浸透に効果が見込める8個の施策をこちらの記事でまとめました。ぜひ参考にしてください。
また、社内浸透の取り組みを実行する前に持つべき心構えや方法が学べるセミナーを実施しました。以下のセミナーレポートで内容が確認できるので、ぜひ社内浸透にお役立てください。
【独自サービス】知識獲得の先にある自社方針の解説を含む貴社オリジナルの動画教材を制作します!
SDGs/サステナビリティの社内浸透には、従業員に基礎知識と自社方針を理解してもらう必要があります。しかし、既存のパッケージ化された研修・ eラーニング教材では、自社方針を盛り込むことが難しいです。
そこでSDGs media を運営する株式会社Dropでは、自社方針の解説などお客様が従業員に知ってもらいたい情報を教材に盛り込める『社内浸透用のオリジナル動画制作サービス』を取り扱っており「自社方針や取り組み内容など社員に伝えたい情報をわかりやすく動画にしてもらえて、繰り返し毎年利用できることも助かる」などと好評を得ています。
ステップ5 報告とコミュニケーションを行う
ステップ5でのアクション
- 取組内容を整理し、外部に発信する
取り組み内容を整理し、外部に発信する
SDGsに向けた取り組みを社外に発信することに挑戦しましょう。
そもそも、SDGsのターゲット12.6には「持続可能性に関する情報を定期報告に盛り込むよう奨励する」と、企業の発信が求められています。SDGsの発信には投資家だけではなく、最近では消費者も期待しています。
外部に発信する上で、SDGsに向けた取り組みの進捗を整理する必要があります。
そのため、四半期や半期など、定期的な進捗調査ができる体制を整えましょう。また、自社だけで達成することが難しい目標は、どのような方法で目標達成を目指すのか戦略も開示しましょう。
発信において抑えるべきポイントを以下の記事で理解すれば、発信の効果が最大化できます。
発信方法は、Webサイト・報告書・SNSなど、さまざまですが、注目を集めているのがSDGsレポートです。
SDGsレポートとは、国際的なガイドラインに縛られずに、自社がステークホルダーに伝えたい内容で発信できるレポートです。多くの中小企業では年次報告のレポートを発行していませんが、SDGsレポートを単発で発行する中小企業が増えています。
なお、SDGs mediaでは、『SDGsの社外開示がわかる資料2「SDGsレポートって何?」』という無料の資料を用意しいます。SDGsレポートについて、独自で情報を収集・分析した資料ですので、SDGsレポートをつくるヒントにしたい方は資料請求してください。
SDGsウォッシュには気を付けよう
SDGsの発信をする際、SDGsウォッシュには気をつけましょう。
SDGsウォッシュとは、実態が伴っていないにも関わらず、SDGsに取り組んでいるように見せる行為を指します。
SDGsウォッシュと見なされる行為は、5つに分類できます。皆さまがSDGsの発信をしていく上で、いずれの分類にも該当しないか確認してください。
取り組み・開示が不十分 | 取り組み・開示は実施しているが、 負の影響を創出 | |||
---|---|---|---|---|
認識不足 | 取り組み不足 | 開示不足 | 負の誘発 | 言行不一致/矛盾 |
社会課題を認識できておらず、そもそも取り組みに至っていない | 社会課題に取り組んでいるが、取り組み水準が十分でない | 取り組みは行っているものの、必要十分な情報を開示できていない | 特定の社会課題に対する取り組みにより、別の社会課題を引き起こす | 特定の社会課題に取り組む一方、別の取り組みでは同社会課題を引き起こす |
出所:SDGsが問いかける経営の未来|(著)モニターデロイトからSDGs media が作表
また、SDGsのロゴを使う場合もガイドラインを遵守するために、十分な注意が必要です。誤った使い方をしている例もよく見るので、下記記事でロゴの使用方法についてご確認してください。
中小企業が取り組むSDGsの事例
SDGs mediaでは、中小企業のSDGs事例をまとめた記事を用意していますので、自社事業の取り組みの参考にしてください。
中小企業のSDGs推進者が抱える課題と解決のポイント
SDGsの取り組みを本格的に始めると、さまざまな課題に直面します。その中でも、多くの中小企業が抱えている共通課題を解決する方法やヒントをご紹介します。
課題1:取り組み方法が正しいのか分からない
SDGsは世界共通の国際目標でありながら、国連は一切のアクションについて言及していません。そのため、皆さまが行う取り組みに正解も不正解もありません。そのことが、余計にSDGsの取り組みを難しく感じさせる要因でもあります。
しかし、SDGsの本質を捉えず、SDGsを自社にとって都合よく解釈した場合、表層的な取り組みになってしまう危険性があります。ですので、SDGsの本質理解がとても重要になります。
そのため、SDGs mediaでは、SDGsの基礎知識とSDGコンパスをもとに企業がSDGsを本質的に進める方法が学べる無料の動画教材『SDGsのすゝめ』をリリースしました。
動画は以下のように構成されており、第1回の内容は配信セミナーで、第2回から第4回はSDGsのすゝめWebサイトからお問い合わせした方に動画視聴ページを無料で提供しています。
なお、すでに進めているSDGsの取り組みに対して、アドバイスすることも可能です。具体的にご相談したい方はお問合せフォームよりご連絡ください。
本記事の前半で紹介したSDGコンパスの5つのステップをそれぞれ解説した記事でも、取り組み方法の全体像が学べます。こちらも合わせてご活用ください。
SDGs推進の流れがわかるSDGコンパス超解説記事の一覧
課題2:経営者の理解が得られない
SDGsを社内全体に浸透させるにはSDGs担当者だけでは難しく、経営者のリーダーシップが求められます。しかし、経営者がSDGsの重要性を理解していないと、トップダウンで社内に浸透させることができません。
この場合は、SDGs担当者が経営者に対して、SDGsに取り組むことで企業価値が向上し、利益も増加することをさまざまなエビデンスをもとに説明できれば、納得してもらえる可能性が高いです。
企業は慈善事業だけでは持続できないので、SDGsに取り組みことで利益も増えることを説明する必要があります。
しかし、自分自身で経営者を納得させることを難しく感じる方もいるでしょう。その場合は、外部専門家に経営層向けの勉強会を依頼するなど、外部のリソースを活用しましょう。
また、以下の記事では企業のサステナビリティ分野の専門家に、経営層・役員向けの研修実施のポイントを伺っています。社長・経営層がSDGsへの取り組みに向けてどのような役割を担うといいのかが理解できる内容です。
SDGs mediaでも経営層向けの勉強会は開催できますので、まずはお気軽にお問合せフォームよりご相談ください。
▶事例1:取締役をはじめとした事業責任者などの経営層を巻き込んだSDGsオンライン研修
今日からできる中小企業のSDGsへの取り組み
ここまで中小企業の取り組み方法や事例について紹介してきましたが、重要なのは行動することです。
まずはラフな気持ちでSDGsに取り掛かることも重要です。他社がやっている良い取り組みは積極的に自社でも取り入れてみましょう。
こちらでは、SDGs mediaがオススメするSDGsへの取り組みをご紹介します。
名刺を地球にやさしい素材に変更する
新型コロナウイルスの影響で名刺交換の機会は減りましたが、ビジネスパーソンの必須アイテムである名刺でもSDGsに貢献できる取り組みがあります。
最近、名刺の原料となる森林資源の代わりに、石灰石や廃棄野菜を原料にした名刺が誕生しています。そういった名刺に変更するだけでもSDGsへの貢献につながり、さらに顧客との会話のネタにもなります。
石灰石を素材にした名刺について詳しく知りたい方はこちらへ。
廃棄野菜を素材にした名刺について詳しく知りたい方はこちらへ。
SDGs朝礼の導入
第2回ジャパンSDGsアワードで特別賞を受賞したSUNSHOW GROUPでは、朝礼にSDGs要素を取り入れています。その日の業務・行動・関連する情報を自分の考えを交えて17の目標にあてはめ、 同僚の前で発表しています。
発表するにはSDGsを理解して、自身の生活と関連させて考える必要があります。このプロセスを通してSDGsがジブンゴトになるのです。また、他の社員の発表を聞くことで、自身のSDGsへの考えや捉え方が広がる点も朝礼のメリットでしょう。
動画でSDGsへの取り組みを学ぶ
YouTubeでも中小企業が行えるSDGsの取り組みを紹介しています。未実施の取り組みの中から自社に合うものを選んで試してみて下さい。
SDGsの主役は若手社員に
SDGsの取り組みは経営者のリーダーシップが求められますが、経営者がワンマンでSDGsを推進しないよう注意してください。
その理由は、多くの経営者は50代・60代・70代の方が多く、SDGsの達成期限である2030年を迎えた時にビジネスの第一線から退いている可能性が高いからです。
一方で、若手社員は2030年には皆さまの企業の中心的な立場になります。そのため、SDGsを推進する中心的な役割は若手社員に任せましょう。
大きな方向性を決めるのは経営者の役割ですが、それを実行するのは社員一人一人というイメージです。また、若手社員をSDGs推進リーダーに任せるなど、思いきった人事も状況によっては有効な手段です。
SDGs mediaが提供できる中小企業への支援内容
中小企業がSDGsを推進していく上で、SDGs media(株式会社Drop)が提供できる支援内容をご紹介します。
お役立ち資料の無償提供
SDGs mediaでは、SDGsへの取り組みに役立つさまざまなオリジナル資料をご用意しています。資料はすべて無償提供していますので、興味のある資料を選んでご請求ください。
[お役立ち資料タイトル]
・SDGs社内浸透施策 具体例30選
・SDGs研修の検討・比較ツール
・SDGs/サステナ社内浸透の研修計画作成ツール
・SDGs推進担当者が初めに知っておくべきこと
・SDGsをビジネスに取り込む手順書
・SDGsの社外開示がわかる資料1「SDGs宣言って何?」
・SDGsの社外開示がわかる資料2「SDGsレポートって何?」
・【17目標別】企業のSDGsアクションリスト|345種類の施策から自社の取り組みを探そう
SDGs研修の開催
SDGs mediaを運営する株式会社Dropでは、定期的にSDGsセミナーを開催しています。個人や部署から数名など、業界業種を問わず幅広い方にご参加頂いています。
また、お客様のご要望やレベル感をヒアリングした上で、オーダーメイド研修を実施できます。SDGsの基本知識や推進方法のレクチャーはもちろんのこと、某大手建設会社様向けとして建造物の設計提案にSDGsを活用するためのハウツーについて研修した実績もあります。
全14種類のメニューを用意しているSDGs研修・ワークショップについて詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
▶SDGs研修・セミナー|理解と社内浸透がSDGs事業の第一歩
[ショートコードが正しくありません]SDGs eラーニングサービスの導入
リモート勤務や外回りなど社員が多様な働き方をしている、社員数が多い、スピーディーにSDGs基礎知識の社内浸透をしたい、などの要望があれば、SDGs研修・セミナーの代わりに、SDGs eラーニングがおすすめです。
お手元の端末(PC・スマホ・タブレット)で、音声解説付きスライドと動画からSDGsの基本知識が学べます。そのため時間と場所を問わず、社員一人ひとりのペースで学習を進められることが特徴です。経営層とSDGs推進担当者のインプットだけでなく、自社のSDGs取り組み戦略に基づいた全社への展開に向けて現場社員のSDGs基礎知識を深める目的にもぴったりです。
SDGs eラーニングサービスについて詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
▶[サービス紹介]SDGs eラーニング|マイペースで学べる社員研修サービスをリリース
コンサルティング支援
お客様と伴走しながら、SDGsを推進するコンサルティングを行っています。SDGsは一時的な取り組みでないので、コンサルタントに丸投げするのではなく、お客様が主役となって推進するべきと考えています。
コンサルティングでは、お客様のSDGs推進のステップに合わせて、専門知識を持つコンサルタントがファシリテーションや専門知識の提供を行います。
コンサルティング支援では、まずお客様の現状と目指すべきゴールをお聞きしてから、コンサルティングプランをご提案する流れとなります。
詳しい情報や商談を希望される場合は、問い合わせフォームのご用件で「SDGsコンサルティングのご相談」を選択してお問い合わせください。
まとめ
今回ご紹介した取り組み方法はあくまで一例であり、万能な正解というわけではありません。状況によっては、もっと良い方法があるかもしれませんので、やり方に固執しないでください。
それよりも大事なことは、とにかく行動することです。
SDGsのタイムリミットの2030年は刻々と迫っています。まずはやってみて、分からない事や相談したいことがありましたら、SDGs media(株式会社Drop)にご相談ください。
弊社では、皆さまのSDGsに向けた取り組みが加速化するように、全力で御社の活動をサポートいたします。
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SDGsのすゝめ第1回 | SDGs基礎知識・外部環境の変化・SDGsに取り組むメリット・最新のビジネストレンド |
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企業の効果的な人権教育研修とは | 人権尊重の意識醸成:自分ごと化から企業価値向上まで・サプライチェーン全体(川上〜川下)での理解浸透・ビジネスと人権eラーニングの変化したポイントを紹介・eラーニングのデモ版の紹介 |
ビジネスと人権(第1回) | 人権とは・「ビジネスと人権」の考え方・企業活動と人権尊重・企業に求められる取り組み〜人権方針と人権デュー・ディリジェンス |
ビジネスと人権(第2回) | ビジネスと人権の基本知識・企業による人権の取り組みのプロセスとポイント・人権に関する教育/研修の重要性 |
ビジネスと人権(第3回) | 企業における人権尊重のあり方・企業の人権尊重に関する国内外の動向・企業による人権の取り組みのプロセスとポイント・参考になる企業事例の紹介 |
参考サイト: